私の太陽
あなたの誕生日よりも命日を強く憶えている.それは考えてみるにとても厭なことだ.あなたが生まれたことよりもあなたが死んだことの方が私に影響を及ぼしたのだとそう言われてみれば反論しようもない.私はあなたが生まれた日のことを知らない.(あなたの方が年上なのだから当然だけれど)祝福されてか疎まれてか何の感慨も付随されずにかどんな環境かは知らないがあなたは生まれて16, 7年後に私に会った.剥き身のエネルギーと相対しているようだった.私の太陽.あなたはああいう生き方しかできなかった.あなたを作った環境を作ったのはあの人たちだったかもしれないがあなたは最期の最後にそこから一歩踏み出してしまった.“満ち足りた”とあなたが書いてから去ってしまうまでの時間にあなたは何を考えていましたか?おそらくそれは私が7年前に掴み損ねたもので掴み損ねたからこそ私は生きているのだけど私はあなたも私のように贋ものを掴んだのだと思い込んで少し安心していたのです.諦観ではない満足とは何ですか?それは生きていることすらどうでも良くなるほどでしたか?あなたに会いたい.