2006/05/10(水)17:13
【たった1日のGW~釣り人になるの巻~】(続編)
東山湖のまわりの道を半周程歩いたところで、
Sちゃんが「ここにしよう」と斜面になったブロック坂を下り始め、リコも付いて行って下る。
そう言えば昔中学生の頃、美術の写生で川に行って、
こんな水面に面したコンクリートの坂に座って絵描いてたら滑って川に転がって溺れたっけな…と思い出す。(汗)
青いビニールシートに包まれて、なぜかキレ気味の先生に車で学校まで送ってもらったよ。 ( ノД`)
そんな思い出が蘇る中慎重に坂を下った後、
「俺ここにする」と言って立ち止まったSちゃんのすぐ左隣に来て…「リコここにする!」
「お前っ、近いよ!こんな仲良く隣同士でやってたら糸が絡まっちゃうじゃんか」
「えー」
「じゃあお前ここにしなね、俺向こう行くで」
Sちゃんは3メートルくらい離れたところに場所を決め、リコも荷物を置いた。
よーし、釣りするぞぉ!
…で、どうやればイイのかね? ヽ(・∀・)/ ←気合のみ十分
Sちゃんが昔の記憶をたどりながら、
「確かリールのこれをこうして、糸をここで押さえて…で、こうやって投げる!」
などと説明をしてまずは実演、
リコよくよく考えたら釣り道具のコトばかりに気を取られて、
どうやって釣り竿投げればイイかの勉強するの忘れてたよ!(釣り竿投げてどうする)
Sちゃんが付いててくれてよかったぁ…
そんなワケでやり方を教わり、早速リコもやってみるコトにしたんだけど。
「しゅるしゅるしゅるしゅる~っ!」
おぉっ、行ったかーー!?
と思ったら、ものすごい近距離で水がはねて「ボチャン!」
工エエェェ(・д・)ェェエエ工
普通にホイッて投げ入れた方がイイだろっくらいの近距離にルアーが落ちたのが見えた。
えっ、何コレ!
すんごい難しいよ!
投げる前に緩んでるリールから糸が出てこないように指で糸を押さえながら勢いをつけて水面の方に釣り竿を振って、
その瞬間糸を押さえてる指を離すみたいカンジなんだけど…
糸を離すタイミングがどうも難しい。
なんか糸を離すと同時に釣り竿持ってる手も離してしまいそうになるのだよ!!(危険)
困惑するリコにSちゃんは「やってくうちに覚えてくよ」となぜか半笑い。
何度かやって、たまにルアー飛ばせるようになったリコを見て、
Sちゃんも自分の場所に移って、釣り開始。
そうだな、何ゴトも経験だモン…頭で覚えるより実際にやって覚えるしかないねっ!
何度も必死で挑戦し、
5回に1回は少しは離れた場所にルアーが飛ぶようになった頃には、
何だかよくわからんけど、楽しくなってきた。 (ノ∀`*)
Sちゃんや右方に見えるおじさんを見て、同じくらいのスピードでリールを巻いたりしてみる。
それにしてもリコの買ったスプーンと呼ばれる金属片が、
一旦湖の中に入ると、一体どこにいるか全然見当もつかない。
それでも魚がたくさんいるのは、リコの前を何度も魚たちが無断で通りかかったのでわかった。
しかし、調子に乗ってやっているうちにしばらくして…異変が。
「あれ?あれ、なんかおかしい!」
「まーたおかしくなったよぅ」
投げ方がヘタくそなせいか、度々糸がおかしくなるようになったのダ。
その度にSちゃんが釣りを中断して駆けつけては、一緒に直したりなんだりと手間をかけてしまうリコ。
「え~なんでお前こうなっちゃうんだ?」
「わかんない…やり方がいかんのかな」
「やっぱ両手はよくないよ、片手で投げるようにしたら?」
「エェェ!?リコ両手で投げてた!?」
「投げてたよ、だからお前釣り竿ごと手離しそうで危なっかしくて」
なんと!リコ、片手で釣り竿持ってその手の親指で糸を押さえて投げてるSちゃんの見本を見てたのにも関わらず、
リコは両手でやってたらしい!!(知らんがな)
それを早く言ってよ!(自分の手だろ!!BySちゃん)
だから釣り竿ごと投げてしまいそうな危険な香りがしてたのか!
「わかったわかった!謎はすべて解けた!」
そう言って右手だけで投げ出すようになるも、今度はさっき以上にうまくいかなくなってしまった。
どうして…なんでSちゃんはあんなに遠くに飛ぶの…
「お前、利き手が違うんじゃないのか?右手で持ってるみたいだけど」
「えっ、リコずっと昔から右利きだに!!」
Sちゃん、急にそんなコト…どうしたの!?
こんなに長くずっと一緒にいてきて、何を今更!?
いっつもリコ、ご飯食べる時も字書く時も右手だったじゃない! 。・゚・(゚`д´゚)・゚・。
「いやいや、釣りの話!だってリコ、右手で竿持ってリール巻く時どうするだ?」
「右…手?」
「どう考えても無理だぞ」
「あっ、そうか!!!リールは右で巻くから、左手で釣り竿持った方が効率がイイのか!」
「ん、まぁ効率って言うか普通に考えれば…(汗)」
浜ちゃんとは違う意味で釣りバカなリコを心配そうなSちゃんは、
何度もリコのところに来ては、ヒソヒソあれこれ言っては2人で話してはいたものの、
あんまりうるさいコトを言うとリコがご機嫌ナナメになると察したのか、
はたまたリコの相手に疲れたのか、自分の釣りに集中するようになった。
リコも左手だけで投げるようになってからは、最初よりは飛ぶようになったし、
多少糸がからまっても自分で直せようになって、少しだけ成長を見せていた。
…そんな時。
「ボチャン!」
またやってしまったのか、遠くに飛ばしたつもりがすぐ近くでルアーがポッチャン。
慌ててリールを巻こうとすると、なぜか固くて動かない。
あれ?なんだなんだ?
しかも…
なんかリコの釣り竿、すんごい短くねぇか?
こんなに短かったっけ!?
「なんかおかしい!」
そう言って無理やりリールを巻こうとするリコを見て、
Sちゃんが「無理に巻いちゃダメだ!!」と、血相を変えて飛んでくる。
その間に何とかリールは動くようになったんだけど、
水面に何かが…
「わぁぁ、取れてる!」
「なんだッ、どうした!?」
「上半分取れてるよ、どうしよう!」
「あーぁ!」
駆けつけた救助隊員(Sちゃん)と一緒に目にしたもの、それは…
ツーピースだったリコの釣り竿の上半分!!
どうやら連結部分が何かの拍子に抜けたらしい。
しかも、Sちゃんの次の言葉でリコは衝撃を受ける。
「リコ…ダメだ、釣り竿折れてる…」
「うそッ!?」
ゆっくりをリールを巻いて上がってきたのは、
先っちょ10センチくらいが無残にも折れてぶら下がったリコのニュー釣り竿の上半身。
そ、そんな…!
ガ━━(゚Д゚;)━━━ン!!
「リコの釣り竿折れてる!!やだやだ、なんでなんで!?」
「あ~ぁ、もうダメだ…」
引き上げてみたものの、折れた部分は首の皮1枚でつながってる状態で。
初めての釣りを開始してまだ2時間弱。
まさかの釣り竿ポッキン。 ○| ̄|_
「もうダメだよ、リコ」
「やだ!まだ使えるモン!」
「だって先が折れちゃったんだぞ?」
「接着剤でつける!」
「つけても無理だよ、すぐ取れちゃうって」
「じゃあ、なくてもイイ!」
「何が?」
「大丈夫だモン、先っちょなくても全然平気だよリコ!」
そう言って半べそで抜けてしまった連結部分をつなげ、半無理やり釣りを続行しようとするわがまま娘1名。(爆)
「だってココが1番先っちょだと思えばイイだけじゃんか!」
「そうだけどさ。あ~ぁ、リコ。買ったばっかのもう折った!」
「だって…」
(つд`)
恐らくちゃんと糸が絡まってたせいで釣り竿の先に圧がかかったせいで折れ、
その勢いで連結部分も抜けちゃったんだろう。
それを防ぐためにリールにドラグ調整というものがあるコトを、この時リコはまだ知らなかった。
「わかったよ、リコがそれでも良ければ」
「良いよ!」
「なんでお前はいつもこうトラブルが…」
頭を抱えるSちゃんの横で、Sちゃんに「もう帰ろう」と言われないために、
必死で先っちょの取れた竿から出る糸に再びスナップを結び、ルアーをつけるリコ。
「大丈夫なのか?」
「うん、ほら見て!普通にできるよ!」
「おぉ、わかったよ。じゃあ続行な」
「うん!!!」
Sちゃんには元気に振る舞ったものの、内心超ショックだったよ。
だって釣り人デビューセットとして初めて買った釣り竿だに。
釣り竿… 。・゚・(ノД`)
「ホントにリコはトラブルメーカーだなぁ」
そう言って自分の場所に戻って行ったSちゃん。
しかし、続けざまにさらなる事件がリコを襲った!
「あれ…」
リコの声にすぐさま反応して振り返ったSちゃん、
手にした釣り竿をすぐに離して、また駆け寄ってくる。(←大忙し)
「今度はなんだ!?」
リコが指差す先に、引き上げられた糸だけがプラプラ。
「スプーンはどうしただ!?」
「…ない」
「はぁーー!?」
なんと…今度はスプーンが湖の中に消え、帰らぬ人に。
釣り竿を手に呆然と立つリコ。
泣きっ面にハチだよ、なんだこの展開。
「うわぁそうか、お前が自分でつけたモンでか…俺がつけてやれば良かった!」
「スプーン…」
「リコ、いいよ。もうしょうがない。あと1個あるし」
「うん…でもあの色気に入ってたヤツ…」
「またじゃあ同じヤツ、今度買おう。なっ!?」
立て続けのトラブルに、一気にリコのテンションは低下。
始めたばかりの笑顔はそこになく、何だか辛気くさいムードに。
「よし…リコ、1回引き上げるか」
「えっ、やめちゃうだ!?」
「やめるじゃないよ、休憩するか。お前はちょっと落ち込んじゃったみたいだし」
「休憩したらまた戻ってくる?」
「戻ってくるよ」
「わかった!」
「1回車戻って、コーヒー飲んでブレイクタイムだ」
真剣な表情でそう言ったSちゃんの顔を見て、思わず吹き出す。
ブッ、ブレイクタイムって… 。゚( ゚^∀^゚)゚。
「お前、何笑ってるだ」
「いや、だって今時ブレイクタイムはなくない?」
「わざと言ったんだよ、わざと!」
「うっそ~」
Sちゃんがそんな「ブレイクしようぜ」みたいな人だと思わなかったわ。(だからわざとだって!!BySちゃん)
釣り竿とルアー… 。・゚・(ノД`)
しょんぼり顔で一旦引き上げて、自販機で温かい飲み物を買う。
とにかくね、今までずっと隠してきたけど…超寒いのだよ!(隠してどうする)
もう5月だしお天気もイイし…と、Tシャツを着て念のためにパーカーを持ってきたけん、
Tシャツ1枚なんてとんでもない。
風がビュンビュン吹いてて、パーカー着てても寒いくらい。
リコの大事なニュー釣り竿が開始2時間で折れてしまったのも、恐らくその強風のせいだと思う。(責任転嫁)
温かい飲み物を買った2人は車に戻って日向ぼっこをしながら、ブレイクタイム。(照)
「リコってホントにトラブルメーカーだよなぁ…まさか釣り竿折っちまうなんて思わなかったよ」
「……」
「ルアーもなくしちゃって」
「だって……」
「アハハハ、でもお前おもしろい。ホントすげ~おもしろいな、リコって。
いつもすごい真剣なのに、何かとすぐトラブルを巻き起こす」
「なんかね、うまくいかんだよね」
「見ててホント飽きん。よし、これからトラ子と呼ぶで」
「やだよ!」
釣り竿とルアーのコトはショックだったけど、こんな失敗も後になれば思い出。
最初は誰だって失敗するんだよ。
釣り竿折ったりルアー取れたりしちゃうんだよ、人間だもの。(汗)
Sちゃんが何だかよくわからんけどそんなリコを楽しいと笑ってくれて、
2人でケタケタ笑っているうちに、すぐに和やかなムードに戻った。
この失敗を教訓に変えて、
後半戦こそ、お魚を釣るぞ!!
「なんかね、やっぱリコ見てると糸離すのが早いと思う。
わかんねぇかな~、こうだよこう!この時に…こう!」
「う~ん」
「わかんなかったらリズムをつけてやってみてご。いち、にい…さん!!この時同時にパッと離す!」
「いち、にい…パッ!!」
「そうそう、そんなカンジ!」
休憩も早々に、駐車場にてSちゃんに指導を受けキャスティングの猛練習。
ここでコツをつかんだリコは自信をつけ、
気合十分になった2人は再び湖へと胸を張って向かって行った。
…誰か釣り竿折れてるケド。(爆)
<つづく>