雅の日記～お気楽生活をめざして

最近、不眠症がまたひどくなってきている。
ついつい睡眠薬に手を伸ばしたくなるのだけれど、そうやって悩むころは既に明け方で。これを飲んだら仕事に行けないなとか思い、結局我慢してしまう。
カラスの鳴く声とか、カーテンから漏れるほのぐらい光とか、始発電車の静かな音とか。トラックの運転手が車を止めて自販機でコーヒーを買う音とか。そういうものを聴くと、ひとり取り残されたような気持ちになって、慌ててふとんをかぶって、寝の姿勢を変えたりする。

そういうとき、孤独だなと思う。

泣きそうになってこらえていると、気配が伝わるのか、鳥たちがそれぞれの巣の中でごそごそして、「私たちも起きてるよ、ひとりじゃないよ」とサインを送ってくる。

悲しい出来事は誰にも訪れることはあるけれど、自分の蒔いた種ならまだしも、他人の蒔いた種のケアというのかな、フォローというのかな、それをやっていると、やるせない気持ちになる。
なんで自分のところに、自分のせいにされるのかなと思うけれど、運命だから、課せられたのだから仕方ない、もっと強くならなきゃと言い聞かせて。
でも納得してないんだろうな、だから私は深いため息をつく。朝は一日のスタートなのに、おしまいの時間のような気持ちになる。

そういう小さな絶望を抱えているのを「知ってるよ」といわんばかりに、そんな朝に限って鳥たちは巣から出てきて、朝の支度をはじめる。水を飲んで、エサを静かに食べて、こちらの様子をうかがって。そういう規則正しい音を聴くうちに、うとうとして、やっと小一時間、二時間眠る。眠りを誘う規則正しいふるまいは、鳥たちの思いやりなのかな？と思う。だけれど、あっという間に起床時間になり、目覚ましが鳴る。

それを消しながら「今夜は眠れますように」と祈りながら、重たい身体を起こして、いつもの慌ただしい毎日に戻る。いつまでこれが続くのだろう？
早くこの円環から逃れられますように。終わりますように。