カテゴリ:お酒を愉しむ
お誘いがあり、小物のデザイナーさんとソムリエさんと会った。どちらもセンスとか流行などに敏感な職業ということもあって、ワイン片手に色や造形の話に花が咲いた。
自分が物を見て何かを選択するときには、「光の反射」を見るようにしている。もともと目がものすごく悪いので、深夜トイレに起きると、自宅でも平気であちこちにぶつかる。バリアフリーが必要な年齢はずっと先、ではないのだ。 ほとんど見えない人間が何を手掛かりに裸眼で歩くかといえば、「蛍光の程度」だったり、「色の強さ」。そこに物体があるかどうかをぼんやりとした色で判断している。 工事現場で「警告」を示すものに使われる色は黄と黒の縞模様だが、あれも色のコントラストが強いからである。ん?だからタイガースに惹かれたのかな(・・; それはさておき、普段の仕事でもこの「反射の強い色」というのは意識している。だから自分が最終的に商品の色をセレクトしていい場合は、「目の悪い人でも目に付く色」を選ぶようにしている。 なんて話をしたら、デザイナーさんがかなり神妙な面持ちで聴いていた。 「同じ赤でも、ワインの色って本当に違いますよね。私はネッビーオーロ(ぶどうの名前)の赤が好きです。あの色合いってなかなか見ないんですが、他のぶどう品種で作ったワインでもあの手の色のものはたいてい美味しい」などと、色だけに「いろいろ」色の表現で説明する。 ちなみにネッビーオーロはイタリアでよくとれるぶどうで、造り方にもよるが、薄い墨を少し混ぜたような紅色をしている。自分が時折出会うワインは、どうも陰干ししたぶどうで造られたものの場合、こんな色をしていることが多い。 最後に日本酒をだらだらと呑んでいたのだが、「吉田蔵 U yoshidagura 山廃無濾過原酒」を呑んだ時に、梨っぽさの陰に、淡いピンク色をした桜の花びらをそっと噛んだようなイメージが頭に浮かんだ。 「優しくて控えめな味で、女性にワイングラスで出すといいかもです」と言うと、ソムリエさんが「なるほどねー」と笑顔になった。 色でお互いの感じ方を伝えられるって、楽しい。日本はもともと四季があり、気候の変化に富む風土であることから、古来より命名されている色の種類が多い。微妙なグラデーション一つ一つにも名前があり、それが微細なニュアンスの違いを相手に伝えることもできる。 仕事の垣根を超えて、色で会話することで頭のリフレッシュにもなり、いい時間を過ごしたのだった。 <お酒メモ> 8月2日日曜日 カタヒ ホークスベイ ソーヴィニヨンブラン NZ 白 1/2本 飛露喜 純米吟醸 愛山 4合弱 8月3日月曜日 山梨のオーガニックにごりワイン 白 グラスで2つ フランス シードル アルコール度数4.5% グラスで2つ サッポロラガー 中瓶 1つ みむろ杉 夏吟 1合 吉田蔵 U yoshidagura 山廃無濾過原酒 石川 1合 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年08月04日 17時00分38秒
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