話をしているときに、ふと友人が「カネばかり追いかける人は、カネで報いが来る」と言った。
私は膝をうった。これは名言だなと思った。要はお金を増やすことに拘泥して(お金の多寡で承認欲求を高めようと)なりふり構わない振る舞いをする人は、結局お金によっておかしなことになってしまう、ということだと解釈している。
この言葉を聞いて、何人かの顔がパッと浮かんでしまった。相続で1円でも多く取ろうとする親族の顔や、お金が増えたことで振る舞いが変わってしまった人、なんでもカネ換算して話をする人…自分が違和感を持って接することがある人というのは、「カネばかり追いかける人」という属性なのかもしれないなと感じたのだった。
こういう上手い表現をする人が友達でいることが、私はずいぶん得をしているなぁと思う。
たぶん、自分が持っている価値観と、言い得て妙な表現をした友人は、大事にするものの優先順位が同じなのかもしれない。
カネばかり追いかける人は、他人を商品(モノ)として見ている。言い換えれば「値踏み」するわけだが、値踏みするのが好きな人同士がつるんだり、じゃれあったりしているのを時折見かける。特に投資界隈では、それが頻繁だ。結局その当人たちも「商品」になっているわけで、値踏みしているということは常に優劣をつけているということにもなる。これがいわゆる「マウント」と呼ばれるものなんだろう。
運用や事業でカネを増やして、そこから時折離れる時間を作れる人のほうが、人生を有意義に使っているなぁと思う。いつまでもカネに振り回されて時間をすり減らしていく生き方は、私の性に合わない。