2006/12/01(金)07:53
派遣労働者の契約期間が無期限に? メリットは誰に?
政府の経済財政諮問会議において、労働市場改革「労働ビッグバン」として、一定期間後に正社員化することを前提としている現在の派遣労働者のあり方を見直す方向で検討に入ったと報道されています。
現在の派遣期間は最長3年で、長期間働いた労働者への直接雇用の申し込み義務も企業側に課せられています。
この規制により、企業が正社員化を避けようと、派遣労働者に対して短期間で契約を打ち切るなど、雇用の不安定化をもたらしているとの考えがあるようです。
規制緩和で派遣期間の制限がなくなった方が、派遣労働者の保護につながるとしています。
もちろん、「不公正な格差の是正」も掲げられており、これが同時に行われることが必要条件でしょう。
さらには、正社員の解雇条件や賃下げの条件を緩和することで、派遣、パート、契約など様々な雇用形態の非正社員との格差を縮めることも、検討課題になるとしています。
偽装請負の問題も、正社員の賃下げの難しさが背景にあります。
高すぎる人件費(企業側の視点で考えた場合ですが)、正社員と非正規社員の給与面における不公正な格差、など、日本の雇用には先送りし続けてきた難題が山積みです。
いずれにしても、給与など待遇面だけでなく、労働者の意識の面でも、正社員と非席社員の垣根は低くなるのだけは間違いなさそうです。
なお、連合などが、労働ビッグバンについて「労働者の代表がいない場で議論されている」と指摘しています。なにか、政府の取り組みについて象徴的な話ではあります。