2011/04/15(金)23:12
『ワーカーズ・ダイジェスト』/津村記久子
ワーカーズ・ダイジェスト
著者:津村記久子
価格:1,260円(税込、送料込)
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遅ればせながら、
さいきん夫婦そろって不朽の名作漫画『ONE PIECE』にハマッており、
活字はというと、
歌集や短歌雑誌をパラパラ、という具合だった、新年度。
新刊本も読んではいるのだけれども、
ブログに書いてまで、というほどのアタリはなかなか来ず。
・・・ですが、久々にブックレビュー。
傾向として、
同年代同性作家の作品を手に取る機会も増えた最近の私。
津村記久子作品は
芥川賞受賞作『ポトスライムの舟』がすごくいい印象があり、
その反動もあってか2作目は「・・・うーん」という感じだったのだが、
今回はまた、よかった。
作風は、いたって地味。
きらきらした華やかなこととか、波乱万丈な大事件とか起こらないし。
でも終始「きちんと地に足をつけて書いている」ことが伝わる、
誠実さがにじみ出る筆で、文章にすごく好感が持てる。
プラス今回は32~33歳の男女が主人公、ということもあって
共感を持って読める部分も大きかったかもしれないが、
違和感なくすーっと読めてしまった。
裏を返せば、引っ掛かりが少ない、ってことは
後々の印象は薄いのかもしれないが。
読後感はよかった。
個人的には、
アラサー同性作家だと、アタマひとつ抜けて辻村深月かなぁ。