おこだでませんように
ひさしぶりの絵本ネタです。今年の小学1年生の課題図書にも選ばれている絵本です。でも、小学生だけじゃなく、就学前のお子さんにも、いえいえ、毎日おこってばっかりいる私のようなお母さんにぜひ!読んでもらいたいんです。表紙のとおり、横を向いてふてくされている男の子。怒られても、こんな調子で、親としては「人の話きいてるの?」って余計に怒れてきますよね。いつもおこられてばっかりの男の子。おかあさんもせんせいも、いつもおこってばっかり。おとこのこをみるときの顔はいつも怒ってる顔ばかり。でも、かれはそうやっておこられながら、心のなかで思ってること、いっぱいあるんです。でも、それをいったらまた怒られるから。だから、じっと横をむいて、歯をくいしばって耐えています。思えば、私も子供のころ、なかなか自分の気持ちがうまく伝えられず、それをなんとか伝えようと頭の中でいっぱいかんがえているうちに、「なんで何にもいわないの!」「人の話きいてるの!?」「もういい!」などと余計に怒られて、ほんとに悔しくて悲しくて、それで結局この男の子みたいに、横を向いて、なみだなんか流してたまるかと、歯をくいしばっていたっけ。そのときの気持ちを思い出して、「うん。わかるわかる。そうだよね」ってエールを送りたくなりました。「ぼくは どないしたら おこられへんのやろ。ぼくは どないしたら ほめてもらえるのやろ。ぼくは・・・「わるいこ」 なんやろか」このくだりには、ほんとに涙がでそうになりました。そして、たなばたの日。彼は、たなばたさまへのお願いをかんがえます。いちばんのおねがいを。「はよう かきなさい」ってまた怒られながら、いっしょうけんめいかんがえて、かいたおねがいは・・・「おこだでませんように」これをみた先生は?おかあさんは?祈りのようなお願いに、思わず胸が痛くなりました。私もいつもかずを怒ってばっかりです。「なんでそんなことするの!」「なんでこれができないの!」「なんでしゅうを泣かせるの!」かずは頑固なので、納得できないときは、この男の子みたいに、くうをみすえて、黙っています。きっと心の中で、かずの思いはぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐるまわっているのでしょうね。そのぐるぐるめぐる思いが、一つでも外に向かって出せるように母親である私が、心の中の思いにきづいてあげなくてはいけないのですよね。怒ってばっかりの自分に反省、と子供の心の強さ、ひたむきさに、改めて涙する絵本でした。