大人げないにもほどがある

近所の商店街に、おでん屋がある。
一杯呑みながらおでんを食べる店ではなく、おでん種とアツアツおでんを売る店だ。

一年中おでん。おでん一筋３０年。

夏は暇そうにしていたが、さすがに最近ではご近所の奥様がたがワイワイ買いに行って大盛況だ。

私もたま～にそこのおでんを買うが、選んでいる内についつい買いすぎてしまう。

大根、こんにゃく、はんぺん、じゃがいも、しらたき、こんぶ、さつまあげ、ごぼう巻きにゲソ巻き。

一気に頼んで様子を見ていると、ちょろちょろとカレーボールが見えてくる。

「あ、カレーボールも２コください。」

またあれこれお店のおばちゃんがよけていると餅入りきんちゃくが見えてくる。

「あ、餅入りも２コ。」（←私は食べられないが、ひとまず押さえで買う）

「あ、がんも忘れてた。３コください。」

毎回つぶ貝と牛すじを悩んで結局買わない。

たまごは大抵売り切れだ。

おばちゃんはポリエチレンの袋におでんを入れながら、大きめのそろばんをパチパチさせて計算している。

毎回ふらっと食べたくなり、毎回１５００円分位買ってしまう。

つゆも含め、かなりの量が入った袋に気をつけながら家に帰る。

アツアツなので、取り出すのに一苦労だ。

よそのおばちゃんの様に鍋を持参すると良いんだろうな、とも思うが。

さすがに商店街を鍋をかかえて突っ切る域までには達していない。