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らくてんオヤジの世相手帳

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スマイリー・ネット

スマイリー・ネット

2005.12.02
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○●○ スマイリーの読書クラブ・新版 ●○●
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-スマイリーの読書クラブ-
1.ほぼ毎月一回発行です。
2.読書好きの方々に、多彩な書籍の情報をお送りします。
  気に入っていただけたら、オンライン書店で、すぐに購入できます。
3.コンテンツは次のとおり。
 (1)注目のビジネス書
 (2)「今月のおすすめ書」または「新聞・雑誌の読書コーナーから」
 (3)特集
 (4)図書館の蔵書から
 (5)今月の心に残る言葉
 (6)スマイリーの日記
4.登録・解除はこちら
http://www.mag2.com/m/0000131354.htm
*****************************************************
     -第4号(2005年11月28日発行)-

0.始めに
本好きの皆さん、こんにちは!スマイリーです。
元気にお過ごしですか。
半年間も発行できなくてごめんなさい。勤務先で担当の業務が変わり、引き継ぎと、新しい仕事に慣れるのに忙殺されて、手がつきませんでした。深くお詫びします。
今月からまた張り切ってご案内いたします。

(目次)
1.注目のビジネス書
―渡辺仁「企業バカ」(光文社。1000円)―
2.今月のおすすめ
―夢枕獏「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」(徳間書店。1890円)―
3.特集
―ジョンストン「紫禁城の黄昏」完訳版(上、下二巻)(中山理訳。祥伝社。2100円)―
4.図書館の蔵書から
―隆慶一郎「死ぬことと見つけたり」(上下)(新潮文庫。540円)―
5.今月の心に残る言葉 
6.スマイリーの日記-老いも若きも「活字離れ」って本当?-

************************** 本誌 *******************************

1.注目のビジネス書

-渡辺仁「企業バカ」(光文社。1000円)-

●この本は、ひとりの経済ジャーナリストが、自分自身の実際の起業と破綻の経験を軸に、起業というものがいかにリスクの大きなものであるかを、生々しくリポートした貴重な資料です。自身の起業の破綻にともなって、奥さんと離婚の危機に陥ったことまで、包み隠さず述べているのは、さすがプロのジャーナリストです。

●はじめに著者のプロフィールを紹介しておきましょう。以下はアマゾンからの引用です。「渡辺仁[わたなべ・じん]---1951年、長崎県生まれ。経済ジャーナリスト。東洋大学経済学部中退後、専門紙記者などを経てフリーライターとして独立。ビジネス誌、経営誌にベンチャー企業・ニュービジネスの動向を中心に幅広く取材執筆する。2002年4月、ベンチャー支援雑誌『Incubation』を創刊、編集長を務める。」

●次に、著書から、テーマに関わる重要な箇所を少々引用してみましょう。
「私が推計したところでは、実際に起業で成功できたのは、1500人に1人であった。つまり、ほとんどが失敗している。」
「第2のホリエモンになれるなんて、ただの夢物語にすぎないのだ。この現実を思い知らないと、あなたは即座に地獄行きになるだろう。」
「実を言うと、私もその1人だった。だから、その後、私は起業現場を徹底して取材し、起業家 が必ずはまるワナ、失敗する条件を探り続けた。本書は、その総まとめである。」

●こうして著者は「見込み違い/裏切り/貸し渋り/資金繰り地獄/身ぐるみ剥がされる個人保証/連鎖倒産/ベンチャー支援のワナ/バクリ屋の儲け話/フランチャイズ詐欺/大企業のベンチャー潰し/下請けの悲哀……など、起業家の前に立ちふさがるワナ」を徹底的に取材し、具体例を示してゆきます。この事例が実に面白い。そしてこう結論づけます、「世の中は、そんなに甘くないのだ。」と。起業を志す方には一読の価値があるでしょう。

●成功者の代表例として、ライブドアの堀江貴文氏の名前があげられていますが、想えば、ニッポン放送株の買占めで彼の名が全国津々浦々に知れ渡る1年ほど前、雑誌で、堀江氏について、友人がこう評していたのが思い出されます。「彼は、上に『超』の字がつくほどの、非常に用心深い、慎重な男だ。」。なるほど。「想定の範囲内です。」が口癖なのは、むべなるかな、です。

●命がけでことを起こすほどの大胆さと、「超」の字がつくほどの用心深さを兼ね備えた青年。誰でも真似のできることではありません。本書が紹介する幾多のリスクを、彼はすべて乗り越えてきました。堀江氏は一種の天才というべきでしょう。
起業バカ(2)

2.今月のおすすめ

―夢枕獏「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」(徳間書店。1890円)―

●とうとう読み終わってしまいました。もっとゆっくり楽しみたかったのに、土日に読んだせいか、後半の三巻は各巻一日で読了。あんなに分厚いのに。読むのを途中でやめられなかったのです。これぞノンストップノベル。さすが完成までに17年もかけただけのことはあります。

●主人公空海のほか、書で有名な橘逸勢(たちばなのはやなり)、同じく唐に渡って、なんと科挙に合格し唐の高官となった阿倍仲麻呂といった日本人に加え、有名な玄宗皇帝や楊貴妃、空海の師匠の恵果、恵果の師匠の不空、詩人李白や白楽天等々の多数の「有名人」が登場する華麗な絵巻物です。

●また、登場人物の人種・国籍も、日本人と中国人の他に、アラビア人やインド人、チベット人と国際色豊かです。

●物語の設定もすごい!玄宗皇帝の若き日の気まぐれから、妻を死に至らせたアラビア人の道士が玄宗皇帝を深く恨んで、なんと百年かけて唐を密かに滅ぼそうと画策する、というのですから。この陰謀を空海は見事な智謀で終結させ、唐王朝を救います。

●このストーリーを縦糸に、物語の最後では、あの楊貴妃が、実は安禄山の乱の後もひそかに生き延びていた、という隠し玉が炸裂します。

●一方、空海について多少の予備知識がある方には、作者がこの作品を書くにあたって最初に考えた(と思われる)「戦略」が見えてくるかもしれません。

●というのは、空海は、自身が書き残した文章によれば、密教の聖地、長安の青龍寺を訪れると、師匠となる恵果和尚が最初から大歓迎し、他の大勢の弟子を差し置いて、わずか一年で空海に密教の奥義を伝えた、というのです。そのお陰で空海は20年の中国滞在予定を、わずか2~3年で切り上げて帰国しました。

●このエピソードがその後の日本における「空海大天才伝説」に繋がります。しかしながら、かなり不自然な、奇怪なエピソードではあります。

●獏さんは、空海のこの謎めいたエピソードに説得力を持たせるためには、空海が唐についてから青龍寺を訪れるまでの間に、彼の天才振りを唐の人々に見せつける必要がある、と考えたようですナ。

●どうもそのヘンから、前述のような壮大なスケールの物語を構想し、しかもわずか数ヶ月の間の出来事の中に凝縮する、という力技をやらかしたようです。大変な力量です。

●作者自身も、後記で「ど傑作」と自画自賛しておられることですし、ぜひ一度お読みになってみてください。楽しいこと請け合いです。(以上)
沙門空海唐の国にて鬼と宴す(巻ノ1)

●(蛇足1)空海について手っ取り早く知るなら司馬遼太郎さんの傑作「空海の風景」がおすすめです。小説とエッセーの中間のような滋味深い作品です。
空海の風景(上巻)改版

●(蛇足2)また、辻原 登「翔べ麒麟」は、中国での阿倍仲麻呂の活躍を正面から扱った、多分始めての小説ではないかと思います。新聞連載時は評判になったようです。もっとも、スマイリーの感想では、小説としての完成度がイマイチで、あまりおすすめできません。人物描写が、登場人物に血が通うところまでいってないような気がします。
翔べ麒麟(上)
(続く)





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Last updated  2005.12.02 23:10:56
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