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テーマ:今日聴いた音楽(75396)
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ほとんどを人間の声で構成されたアルバム「メダラ」。ちょっと前に流行ったアカペラやコーラスなんかとは一線を画す唯一無比な作品である。
最近のビョークはアルバムに明確なコンセプトがあって荘厳さを感じる。初期の生への悦びをフロア最前線のアーティスト達と組んで表現するという形はもう見られず、内向的な表現(矛盾してるな)というか、going my wayな活動をしている彼女のコンセプトにあった人達を世界中から探し出して参加してもらっている。そのチョイスは的確で作品自体にも隙がなく緻密である。よって私は彼女の作品を軽はずみには聴けなくなってしまった。しかし、これは彼女が背負った「宿命」に関係しているように思われる。 以前、雑誌でREMのマイケル・スタイプがインタビューで言ってて感動のあまり忘れられないことがある。彼曰く、ある種の声を持ったシンガーは無責任な歌を歌ってはいけないという。その種というのが具体的にどういう声かということは言えないけど、ビョークや彼やモリッシーのような声。どんな歌詞でもひとたび歌えば意味のあるものになってしまうというのだ。彼はそれを自覚していてそれ故に慎重な製作活動をしてると言っていた。そして、それは使命なんだと覚悟しているのである。 ビョークはその声だけで人を感動させることができる。おそらく自覚している。しかし、だからこそ毎回革新的な表現方法を発明し提供してくれる。彼女にしかできないことを聴く私達はそれに心を揺さぶられるのだ。 プリミティブな方法なのに最新系という素晴らしい作品である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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