評価される学校
イギリスには政府が運営しているという機関がある。これは定期的に学校を細かくまた総合的に評価し、その情報を公開するというものでイギリスでは子供の学校選びに非常に重要と考えられている。特にプライマリースクールではその評価は絶大で一喜一憂と言っても過言ではないくらいだ。評価によっても違うけれどGood以上の学校に関しては数年に1回調査人が学校に訪問し、丸1日かけて学校をチェック。 生徒や保護者からも聞き取り調査をする。その結果としてリポートが作成されるわけだが 総合評価は以下のようになっているGrade 1 OutstandingGrade 2 GoodGrade 3 SatisfactoryGrade 4 InadequateGrade 1が一番良くてそれから段々と下になっていく。Grade 1は全体の約14%しかないのでこれを獲得するとその学校は一気に大人気校になるのは必定だ。イブちゃんの通う学校も,ラッキーな事に連続Grade 1なので最近非常に人気が高くキャッチメントエリアと呼ばれる学校に入れる範囲は狭まる一方。またうちのカウンシルでもシビリングズつまり学校にすでに兄弟が入っている場合は優先的に入学できるというシステムがあり、酷い年は30人のクラスの半分以上が、すでにシビリングズで埋まっているという事もある。そんな調子だから、現在うちの学校では驚く事に公立なのに、全校生徒よりもウェイティングしている子供の方が多いという状況だ。 うちの校長先生がしつこいほどにそして事あるごとに「我が校はOutstandingだ。凄いんだ素晴らしいんだ。」と言うので「はいはい、それはあなたの評価も上がるしね」と少々皮肉も含めて食傷気味だった。が、最近になって少し見方が変わってきた。確かに校長先生の評価にも直結しているだろうがそれよりも、子供達や両親への自尊心への働きかけが大きい。言われ続ける事によって、もっと良い学校にしたいという機運がどんどん高まるのだ。自分の学校とその一員である事に誇りがあると言うのか。このポジティブ連鎖で地域の評判も更に上がり、意識のある親御さんに生徒も寄ってくるしちょっと駄目だった生徒も頑張るようになってくるのだ。 そしてどんどん学校の質も生徒の質も良くなっていく。 そんなこんなで、校長先生のしつこさも(笑)結構意味あるなと思うようになってきたそれに、生徒だけが評価されるのではなくて、学校も評価されるというのは健全だし、親にとっても学校選びに大切な判断材料となるのは確かだ。 しかしまた一方で悪評価を付けられる学校もあるわけで、この場合、反対の連鎖となる。現に同じカウンシルに悪循環スパイラルの学校もある。学校の前で親がタバコを吸いながら携帯でしゃべっているような学校。その学校のお便りには「校庭で親同士で喧嘩をしないで下さい」と書かれる事が度々あるそうだ建設は死闘破壊は一瞬と言うが 学校運営も楽じゃない。