月に咲く花の如く#10 あらすじ
那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay第10話「夫婦の形」呉聘(ゴヘイ)が倒れた。こんな時に限って呉蔚文(ゴイブン)は外出中、梁(リョウ)大夫は趙白石(チョウハクセキ)と災民の集落へ行ってしまったという。他の医者もつかまらず母の鄭(テイ)氏は苛立ち、春杏(シュンキョウ)も前回は1刻で意識が戻ったが、今回は半時たっても反応がないと不安になった。しかし周瑩(シュウエイ)だけは冷静に判断し、家職・楊之渙(ヨウシカン)に的確な指示を出す。「涇陽(ケイヨウ)の災民の集落すべてに遣いを出し、大夫の家にも待機させて 見つけ次第、ここへお連れするのよ」すると鄭氏が前に董(トウ)先生が処方した薬をとりあえず飲ませてみると言い出した。そこで周瑩に呉聘のそばにいるよう命じ、侍女たちを連れて出て行ってしまう。周瑩はジョゼフ神父の言葉を思い出していた。…患者が長く意識を失うと脳が損傷することもある、早く目覚めさせなさい…賭けてみるしかない、そう思った周瑩は宝来(ホウライ)と福来(フクライ)に呉聘の身体を起こすよう指示し、ジョゼフの薬(ブドウ糖)を飲ませた。 すると驚いたことに呉聘が意識を取り戻す。そこへようやく梁大夫が現れた。鄭氏が梁大夫を門まで見送りに出た。そこへ知らせを聞いて引き返して来た呉蔚文が到着する。呉聘の無事を知って胸をなでおろす呉蔚文だったが、鄭氏は周瑩に激怒した後に倒れたと報告した。「仕置部屋を?」呉聘が目覚めたものの、わだかまりが残る周瑩…。しかしジョゼフからもらった薬を飲ませたと告白し、自分から欲しいと頼んだのだと教えた。ようやく呉聘は周瑩が自分の薬をもらうために教会までついて行ったと気づき、誤解して責めてしまったと謝る。周瑩も感情的になり過ぎたと反省したが、胡咏梅(コエイバイ)の件は話せなかった。そこへ呉蔚文と鄭氏がやって来る。すると呉蔚文はここ十数年、使うことがなかった仕置き部屋を用意するよう命じた。「周瑩は自分を改めるどころか、ひどくなる一方だ、仕置きに値する」驚いた呉聘は周瑩なら何も悪いことはしていないと言ったが、鄭氏が周瑩と争ったあとに気を失ったと聞いたと言った。呉聘は不注意で戸に頭をぶつけて倒れただけだと取り繕い、咄嗟に頭が痛いふりをする。「周瑩、いつもと同じようにもんでくれ…」周瑩は意味が分からないまま呉聘のこめかみを揉んでやると、呉聘は次第に気分が良くなったという。「これは周瑩にしかできません、周瑩のおかげで目覚めたのに責めるなど酷すぎる 周瑩が仕置き部屋へ連れて行かれたら頭をもんでくれる者がいません」呉蔚文と鄭氏は呉聘が周瑩を守ったと気づいていたが、仕方なく周瑩に世話を任せて帰ることにする。すると呉聘は春杏に別院の人間を全て集めるよう命じた。使用人たちが中庭に集まった。呉聘は自分が周瑩のせいで倒れたと密告した者がいると話し、今回は追求しないが、今後は夫婦の居所である別院で周瑩の自由にさせると公言する。「何をしようが一切、口出しするな!陰口はもちろん、父と母への密告も許さない! もし破れば…即刻、追い出す!解散!」呉聘は父に三原(サンゲン)質店の動向について報告した。辰時3刻から午時までの間に9組の客が店に来て、5組は質入れを4組は質請けをしたという。棚にも品が並び、決して景気は悪くはなさそうだった。「そう言えば10日前に安物の玉佩(ギョクハイ)を300文で質入れした者がいます 三原質店の帳簿の記載にも10日前に質入れされた玉佩がありましたが、 その質入れ額は3両です」呉聘は二虎(ニコ)が泣きながら周瑩に話していたのを覚えていた。あの時、二虎は周瑩からもらった偽物の玉佩を10日前に質屋に入れたが300文しかならなかったと話している。ただ実物を見ていないので、同じ玉佩なのかどうか断定はできなかった。呉蔚文は呉蔚双(ゴイソウ)と仲が良いことから、三弟が自分を騙すとは到底、信じられないという。すると呉聘が三叔は滅多に店に来ないと聞いたことを思い出し、孫(ソン)番頭がすべて管理しているようだと言った。しかし孫番頭は呉蔚双の妻の従兄、呉蔚文はくれぐれも自分たち兄弟に溝ができぬよう慎重に調べて欲しいと頼んだ。胡咏梅は呉聘を取り戻すべく、自分を可愛がってくれていた鄭氏を頼った。実は咏梅は父に婚儀を反対され、自ら頭を打ちつけて自害しようとしたという。傷跡を見せられた鄭氏は驚き、咏梅を誤解していたと分かった。周瑩に手を焼いていたこともあり、鄭氏の心は自然と咏梅へ傾く。「もう一度やり直せたらねえ…」2人は再会を約束し、咏梅は安堵して帰ることにした。しかしそこへ偶然、周瑩がやって来る。周瑩は罰として毎日、写している「女誡(ジョカイ)」を見せたが、鄭氏は周瑩の汚い字を見てあからさまに顔をしかめた。初めて山出しの若奥様を見た咏梅は思わず鼻で笑い、これ見よがしに良家の子女らしい振る舞いで別れの挨拶をする。それを見た周瑩は慌てて母に挨拶したが、なんとも惨めな気分だった。周瑩と春杏が別院へ入ろうとした時、先を歩いていた咏梅の侍女・月如(ゲツジョ)が聞こえよがしに嫌味を言った。「あれが窮地につけ込んだ丫頭(ヤートウ)ですよ~」「少奶奶は窮地を救ったのよ!」春杏が思わず言い返すと、咏梅と月如は足を止めて振り返った。「シャォナイナイですって?花籠を横取りしたくせに少奶奶気取り?」しかし周瑩は月如など相手にせず、春杏に行こうと声をかける。すると月如は素性の知れない若奥様では呉家東院と呉聘の名を貶めるだけだと言った。痛いところを突かれた周瑩は思わず足が止まると、春杏はさすがに我慢できなくなる。「少爺と少奶奶は深く愛し合っているのよ?小姐?一生、後悔するでしょうね」これにはおしとやかな咏梅もつい声を荒げた。「言葉遣いに気をつけなさい!」「花籠を追い返した張本人がよくもノコノコ来れたものね?」「口を裂くわよ!」咏梅は春杏に向かって歩き出すと、周瑩が間に立ちはだかった。「私の侍女よ?口を裂けるもんならやってみなさいよ?」「なんですって?!」周瑩は袖をまくり上げ、腕っぷしで勝負とばかりに拳を握った。↓奥が別院、右が門です(←どうでもいい情報w「やるの?」「ふっ、あなたが妻とは呉聘哥哥も不憫ね…」すると咏梅は馬鹿馬鹿しいと呆れて帰ってしまう。その夜、呉聘は書斎に王世均(オウセイキン)を呼んだ。するとまず王世均と三原質店の番頭・孫永泉に面識がないことを確認、呉聘はある仕事を頼む。実はこの硯(スズリ)を三原質店に質入れして欲しいという。「質札は大切に保管し私に渡せ、この件は決して口外してはならぬ」一方、床に入った鄭氏は胡咏梅が訪ねて来たと夫に話した。実は花籠を追い返したのは胡志存(コシソン)の独断で、咏梅は両家の和解を願っているという。しかし呉蔚文は妻の甘さを指摘、咏梅とは会わないよう命じた。「胡家との関係は終わりにする」呉聘は父の代理で県令・趙白石(チョウハクセキ)主催の商人たちの会食に出席した。あの一件以来、初めて顔を合わせた呉聘と胡志存…。2人はどこか気まずいが、商売で呉家に手を引かれた胡志存は誤解を解きたい様子だった。しかしそこへ宿敵の沈星移(シンセイイ)が現れる。沈星移は敵意をむき出しにし、呉聘が兄を殺して侍女を奪ったと因縁をつけた。呉聘は挑発には乗らず、のらりくらりと誤魔化していたが、しびれを切らした沈星移がいきなり怒号を響かせる。「ここでやり合うか?」その時、趙白石がやって来た。趙白石は商人たちに災民が食べるような不味い食事を出した。商人たちは半ば脅されるようにひどい食事を食べさせられ、その後、災民たちの集落へ移動する。すると趙白石は涇陽の災民が4,500人余り、余裕のある者が恩恵を施すよう頼んだ。そこで呉聘はここにいる30人の商人たちで300両づつ出し合ってはどうかと提案、賛同を得る。しかし沈星移は呉聘に対抗し、金など出さないが沈家は炊き出しをすると宣言した。一方、春杏は顔見知りの夫人房の侍女・夏蓮(カレン)から思わぬ話を聞いた。どうやら夫人が再び胡咏梅を受け入れたという。春杏はまさか胡咏梅が側室になるのではと焦り、今日も写本中の周瑩の元へ向かった。「あの日、なぜ胡咏梅が突っかかってきたか分かりますか?」「さあね」「少奶奶の座を狙ってるんですよ~夫人まで胡咏梅に惑わされるなんて…」春杏は少爺が胡咏梅を娶るかもしれないと話し、これから胡咏梅に会っても強気でいこうと言った。しかし周瑩の呆然とした顔に気づき、怒りに任せて口を滑らせてしまったことを反省して仕事に戻って行く。すると1人になった周瑩は急にバカバカしくなり、筆を放り投げた。つづく(  ̄꒳ ̄)b「少爺と少奶奶は深く愛し合っているのよ?小姐?」春杏のセリフでシャオシャオ言ってましたが、ピンインの勉強になりますって…xiaoとshaoの違いが聞き取れないけど(笑