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カテゴリ:月に咲く花の如く 全74話
那年花开月正圆 Nothing Gold Can Stay 第55話「栄華の回復」 呉家の船が浸水、茶葉は全て水に浸かったが以外にも美味しいと分かった。 周瑩はこれを新しい茶葉として販売すると決め、東院の侍女たちに裕隆全(ユウリュウゼン)の店頭で売り込みさせようと思いつく。 そこで早速、妓楼にいた千紅(センコウ)から客のもてなし方や化粧を学ばせ、皆でお揃いの華やかな衣装も新調した。 趙白石(チョウハクセキ)に嫁いだ呉漪(ゴイ)は愛する夫によく尽くしていた。 しかしそんな呉漪の想いはなかなか趙白石に届かない。 そんなある日、呉漪は居眠りしている趙白石の袖口から小さなは布切れを発見した。 一方、呉漪の兄・呉沢(ゴタク)は沈星移(シンセイイ)が住み込みで働く味経(ミケイ)書院にいた。 上京を前に先生たちに熱く豊富を語る呉沢、星移は面が割れないようにうつむき加減で茶をつぎ足し、足早に部屋を出る。 しかし呉沢の話は興味深かった。 「役人の不正が横行し、秩序や道徳が崩壊寸前、かくも悪しき時世は前代未聞ですよ! だから今の伝統的な体制は改革すべきだと思うのです!」 思わず廊下で立ち聞きしていた沈星移だったが、厨房を手伝うよう呼び戻されてしまう。 するとその後ろ姿を見た呉沢は、どこか見覚えのある男だと分かった。 蒙古の茶商・布和(プハ)たちは結局、割高でも沈家茶葉店で仕入れることにした。 しかしこれまで下手に出ていた番頭の謝上徳(シャジョウトク)は急に横柄になり、列に並べと指示する。 仕方なく布和たちは店の外に出て最後尾に並んだが、謝番頭がいきなり昼休みだと言って店を閉めさせた。 茶商たちは沈家の横暴さに不満を漏らすが、茶を仕入れるには我慢するしかない。 するとそこへ呉家の裕隆全で新茶が出たと知らせが来た。 沈家の外で並んでいた茶商たちは慌てて裕隆全へ駆けつけた。 布和は店の前で新茶を入れている周瑩に気づき、早速、試飲させてもらうことにする。 「金花茯茶(フーチャ)です、以前の茯茶とは別物ですが…」 すると試飲した茶商たちはその美味しさに驚き、以前より品質が良くなったと絶賛した。 茶葉にはカビが生えていたが、周瑩はそれが金花だと嘘をつく、 「(クンクン…)どことなく花の香りがするな~」←思い込み怖いwww 布和たちは値段も以前と同じだと知り、5千箱ほど買うと決めた。 念のため周瑩は品質が変わったので売る時に説明が必要になると警告したが、布和はこの味なら心配ないと快諾する。 その頃、昼食を食べて悠々と店に戻って来た謝番頭は、もう少し客を待たせることにした。 どうせ泣きついて来たのは呉家を贔屓にしていた客ばかり、屈辱を味わわせてやることにしよう。 しかし奉公人はもう誰も並んでいないと報告した。 (*^ꇴ^)<またまた~そんなわけ… グビグビ… ( ゚д゚)<って、ほんまや! 店の外にいたのは犬1匹だけだった。 呉家の新茶は評判を呼び、沈家に流れた茶商たちが戻って来た。 謝番頭は慌てて裕隆全の様子を見に行ったが、その時、ちょうど顔(ガン)番頭が布和たちの見送りに出てくる。 布和は謝番頭の姿に気づき、聞こえよがしに5年契約ではなく10年契約すると言った。 「帰ったら他部族の商人にも宣伝しておくよ!茶を買うなら隆裕全だとな!」 沈四海(シンシカイ)は謝番頭から報告を聞いて唖然とした。 例え湖北(コホク)で買い付けたとしても運搬には数日かかるはず、しかも呉家の金花茯茶は沈家の茯茶よりまろやかで渋みが少ないという。 追い詰められた沈四海は杜明礼(トメイレイ)を頼ったが、杜明礼は貝勒(ベイレ)の命で銭荘を開業するよう指示した。 すると沈四海は現状を知らない杜明礼に帳簿を渡し、沈家がもはや傾きかけていると教える。 「沈氏茶葉店は裕隆全に顧客を奪われ、半年も赤字続き、十数万両分もの在庫を抱えています 薬材の市場は呉家に6割も占められ、沈家はたった1割、在庫は数十万両分にも膨らんでいます 毛皮の市場は呉家が5割を占め、沈家は多くても2割、同じく十数万両分の在庫が…」 何も知らなかった杜明礼は愕然としたが、星月(セイゲツ)貿易会社があると思い出した。 しかし沈星移の大口の顧客もすでに周瑩に奪われていたという。 憤慨した杜明礼は寡婦を始末せねばならないと決めた。 そこで沈四海にある指示を出す。 「いくつかの商家と連盟で訴状を書いてください、内容は…」 呉家はかつての栄華を取り戻した。 年末には呉家の屋号の番頭たちが今年の売上と帳簿を持参し、挨拶にやって来る。 その日は盛大な祝宴が開かれたが、周瑩は番頭たちの家族を賓客として招いていた。 すると周瑩は全員が揃ったところで卓に上がり、乾杯の音頭をとる。 「最初の1杯はこの土地の祖先に捧げましょう! 私たちは祖先から苦労に耐えうる精神と向上心を与えられ、この1年で山ほどの銀子を稼ぎました! 来年も祖先に見守られ、大きく稼げることを祈りましょう!」 はお!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<乾杯! 「2杯目は親御様に捧げます!番頭たちは商いのため親孝行もせず各地を飛び回っていました!」 そこで周瑩は自分が実の親に孝行できないため、呉家で働く兄弟たちの親を自分の親と思い、その場で叩頭して父母の無病息災と幸せを祈った。 「3杯目の酒は兄弟に捧げます!兄弟だから甕(カメ)ごと飲むわ… 皆さんは呉家の屋号の番頭であり、呉家の株主、そして私の兄弟です! 番頭に贈る言葉は″人を使うならば疑わず″、株主には″死なばもろとも″、 そして兄弟にはこの一言を!苦楽も禍福も分かち合いましょう!乾杯!」 はお!>ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ<乾杯! 番頭たちは周瑩の心意気に敬服し、誰もが呉家に忠誠を誓った。 宴もたけなわ、すると江福祺(コウフクキ)が若奥様からの贈り物として金子を渡した。 また周瑩は孔子廟の修復にあたり高額の寄付をしたが、その際、名義を番頭たちの名前にしていたという。 番頭たちは廟の碑文を配られ、そこに自分の名前が刻まれていると知った。 「金子はこの1年の労を労う少奶奶からの褒美ですが、 廟の修復は地域への貢献であり、後世に残せる功績です!」 番頭たちは周瑩からの貴重な新春の贈り物に感激し、周瑩のためなら水火も辞さないと声を上げた。 王世均(オウセイキン)はふと会場に周瑩の姿がないことに気づいた。 するとちょうど門から出て行く姿が見える。 周瑩は千鳥足で祖廟へ向かうと、呉聘(ゴヘイ)の霊位を義父・呉蔚文(ゴイブン)の近くに置いてから香を手向けた。 「今年、呉家は400万両もの銀子を稼いだの!東院は栄華を極めているわ あなたも父上も嬉しいでしょう?みんなも大喜びよ? なのに私ったら…グスン 呉聘…あなたを失ってから、どんな喜びも一瞬で過ぎ去るの でも悲しみはずっと私の心から消えてくれない 今だってそうよ、多くの品を売りさばき、山ほど銀子を稼いだ それなのに…心から喜べないの…ウッ…」 祖廟の前では王世均が周瑩の嘆きを聞いていた。 つづく 。゚(∩ω∩`)゚。…呉聘 でも祖廟が火事になるんじゃないかとドキドキしたわw お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.03.25 13:12:04
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