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カテゴリ:如懿伝〜紫禁城に散る宿命の王妃〜全87話
如懿传 Ruyi's Royal Love in the Palace 第85話「口封じ」 烏拉那拉(ウラナラ)如懿(ニョイ)は永琪(エイキ)の百日忌で安華殿へ出かける許可をもらった。 そこでこれを機に皇太后と接触、無念の思いを伝える。 実は皇太后を呼び出すために渡した密書の言葉、″心毒(心を殺す毒)″とは叔母の臨終の言葉だった。 「宮中の毒は″身体でなく心を殺す″と… 私にも分からぬゆえ何もできず、叔母と同じ窮地に落ちました」 如懿は自分の無能さを嘆き、我が子を守れなかったと後悔する。 まさか永琪まで逝ってしまい、残ったのは第12皇子・永璂(エイキ)だけ…。 しかし如懿は禁足となり、金冊(キンサク)と印璽(インジ)も没収され、もはや息子を守る術がなかった。 そこで皇太后に永琪を守って欲しいと懇願する。 「守る?どう言う意味だ?」 実はその頃、如懿の侍女・容珮(ヨウハイ)と愉妃(ユヒ)の侍女・葉心(ヨウシン)は、回廊を歩いていた皇貴妃の侍女·春嬋(シュンセン)をいきなり連行していた。 如懿は皇太后を見送ると、最後に丁重に平伏した。 果たして如懿は皇太后に何を頼んだのか…。 一方、永寿(エイジュ)宮では太監・王蟾(オウセン)が容珮と葉心が春嬋を連れ去ったと報告していた。 衛嬿婉(エイエンエン)は信じられなかったが目撃者がいると知り、秘密裏に捜索するよう命じる。 その頃、春嬋は安華殿の柱に縛りつけられ、如懿のもとで詰問されていた。 容珮は皇貴妃の秘密を知る瀾翠(ランスイ)、進忠(シンチュウ)、胡蕓角(コウンカク)が亡くなり、次に消させるのは春嬋だと脅す。 しかし春嬋は何を聞かれても口を割らず、そのまま夜まで拘束されることになった。 乾隆帝(ケンリュウテイ)・弘暦(コウレキ)は偶然、安華殿帰りの如懿が門を曲がる姿を見かけた。 思わず輿を止めて如懿の背中を見ていたが、如懿が振り返ることはない。 実は容珮が皇帝がいると気づいて声をかけたが、如懿は無視して歩いて行った。 その夜、葉心に解放された春嬋がようやく永寿宮に帰って来た。 春嬋は正直に安華殿で拘束されていたと話し、数々の件が皇貴妃の仕業ではないかと如懿の前で詰問されたという。 「私は何も話していません!話せば命に関わりますから!」 嬿婉は春嬋を信じていると言って休ませたが、疑心は拭えなかった。 一方、如懿は夜が更けてもなお経幡(キョウバン)を作り続けていた。 容珮は休むよう勧めるが、如懿が手を休める様子はない。 「今日、翊坤(ヨクコン)宮に戻る途中、後ろに皇上がいらっしゃいました」 「……」 「それなのに振り向こうともなさらない」 「…会えばつらいだけよ」 主人の胸の内を知った容珮はそれ以上、何も言えなくなり、黙って経幡作りを手伝った。 翌日、春嬋は皇太后が第12皇子の養育をすることになったと報告した。 衛嬿婉は皇太后が何か勘づいて第12皇子を慈寧(ジネイ)宮に引き取ったのではないかと不安に駆られるが、春嬋はただ哀れんだだけだと安心させる。 ただこれから食事は慈寧宮の厨房になるため、御膳房の料理が皇子に出せなくなった。 「苦労して仕掛けたのに、こんな形で頓挫とは…努力が水の泡ね」 嬿婉は落胆したが、春嬋は皇太后が高齢のため、しばらくの辛抱だとなだめた。 皇太后は慈寧宮の食事が合わない永璂を心配し、今日は養心殿で皇帝と3人で食卓を囲んだ。 しかし尚書房と同じ御膳房が作った養心殿の食事でも合わないという。 そこで皇太后は永璂の好物を作らせようと、侍女・福珈(フクカ)に尚書房の料理人を調べてくるよう命じた。 衛嬿婉は皇太后が料理人を調べていると知って焦った。 春嬋の話では第12皇子が尚書房で食べた料理にこだわり、皇太后が何やら怪しんだという。 「あれは大量に食べると幻覚を見て、少量なら徐々に内臓を蝕む食材のはず… なぜ12阿哥がこだわるの?」 「とりこになると無性に食べたくなるのやも…」 「愚か者!私を陥れるつもり?!」 主人を怒らせた春嬋は調べても茸が原因と分からないはずだとなだめたが、嬿婉は春嬋が安華殿で何か話したせいだと疑った。 慌てた春嬋は指を立て、天に誓って何も話さなかったと訴える。 そこへちょうど王蟾が第15皇子が戻る時間だと知らせにやって来た。 冷静になった衛嬿婉はそれ以上、追求はしなかったが、御膳房の例の料理人を見張るよう命じる。 「しばらくしたら追い出して始末して」 衛嬿婉は永琰(エイエン)と寝宮へ戻る道すがら、何を学んだのか聞いていた。 すると永琰は皇帝の命で師傅から″孝経(コウキョウ)″を教わったと話し、皇家の子は子である前に臣下だと告げる。 しかし嬿婉は確かに皇帝は正しいが、常に父の命令に従う必要はないと言った。 「私たち母子は血が繋がっている、まずは額娘を大切にね この先、何があっても額娘を守るのよ?」 皇貴妃を見張っていた小徳子(ショウトクシ)は早速、不用意な発言を和敬(ワケイ)公主・璟瑟(ケイシツ)に報告した。 どうやら穎(エイ)妃・巴林(バリン)湄若(ビジャク)の懸念は本当だったらしい@84話。 そこですぐ皇帝に報告し、皇貴妃のそばにいては永琰に悪い影響がでると危惧した。 驚いた弘暦は永琪が逝去した今、皇太子候補が永璂か永琰しかおらず、事態を重く見る。 実は永璂は年が上だが性格が屈折し、今さら皇太后が養育しても性格が直るとは思えなかった。 一方、賢い子だが永琰はまだ幼く、このまま母親が誤って導けば取り返しがつかなくなる。 そこで皇帝は永寿宮にいる永璘(エイリン)は穎妃に、第9公主・璟妘(ケイウン)は恪嬪(カクヒン)・拝爾果斯(バイルガス)氏に、永琰は寿康(ジュコウ)宮で太妃たちに養育させると決めた。 すると弘暦は政務の疲れか、立ちくらみを起こしてしまう。 永寿宮に突然、皇帝の侍女・毓瑚(イクコ)が現れた。 すると衛嬿婉はいきなり手元で育てていた我が子を連れ去られ、自分の発言が原因だったと知る。 なぜ烏拉那拉氏の子供は皇太后に守られ、自分は子供と引き離されてしまうのか…。 これが如懿の策略だと思い込んだ嬿婉は、禁足となった身でもまだ自分の邪魔をすると泣き叫んだ。 春嬋は髪を切って金冊も没収された人間では何もできないとなぐさめたが、その瞬間、嬿婉に引っ叩かれてしまう。 「お前ね!やはり私を裏切ったのよ!」 逆上した嬿婉は春嬋の首をつかんで締め上げたが、春嬋は涙ながらに信じて欲しいと訴えた。 嬿婉は結局、手を離したが、急に過呼吸になって倒れてしまう。 衛嬿婉は薬を飲んで眠ったものの、数時間で目が覚めた。 春嬋は主人の髪をすいていたが、嬿婉は急に春嬋の手を握りしめ、昨夜のことを謝る。 「あなたを叩いたのなんて初めてね…唇が青ざめているわ、紅を差してあげる」 嬿婉は春嬋の唇に赤い口紅を塗ってやると、春嬋は主人の誤解が解けたのだと安堵の涙を流した。 「そうだ、長いこと母の墓参りをしていない、私の代わりに墓の掃除をして来てくれる?」 春嬋がガニ股で宮中を出る姿を珂里葉特(ケリエテ)海蘭(ハイラン)が見ていた。 そこで葉心に江与彬(コウヨヒン)に後をつけさせるよう命じる。 すると春嬋は墓地へ向かう山道で急に具合が悪くなり、立てなくなった。 その時、皇貴妃が塗ってくれた紅に毒が入っていたことに気づく。 「容珮は正しかった…私も消される…」 その時、江与彬が現れ、春嬋に薬を飲ませて連れて帰った。 海蘭は偶然を装って王蟾の前に現れた。 「知らせがあるの、春嬋が死んだわ…」 「まさか!″遺体を見るまで訃報は信じるな″と言います、何かの間違いでは?」 「ふっ…下手人は王公公の身近にいるわ 春嬋がどうして死ぬことになったのか、私より詳しいはずよ? 皇貴妃に仕えた者は皆、同じ道をたどる 瀾翠も春嬋も死んだ、そして進忠も…今や残ったのは王公公だけ だからこれは忠告よ、命を大切にね(ニッコリ)」 王蟾は恐れおののき、その場でへたり込んでしまう。 その夜、毓瑚は体調がすぐれない皇帝のため、進保(シンホウ)と一緒に人参汁を差し入れに来た。 すると皇帝は机にうつぶしたまま意識がない。 驚いた進保は咄嗟に侍医を呼ぶよう叫んだが、毓瑚が慌てて止めた。 「お黙りっ!騒がずに、まずは江侍医を…」 衛嬿婉は皇帝が倒れたと聞いてすぐ養心殿に駆けつけた。 江侍医の話では永純(エイジュン)親王の逝去の時と同じ発作だが、今回の病状は深刻で気血が頭に集中し危険だという。 そこで嬿婉はその夜、養心殿で皇帝に付き添うことにした。 翌朝、衛嬿婉はひとまず永寿宮に戻ることにした。 するとちょうど侍医たちが集まって治療方針の相談をしている。 嬿婉は主治医の方(ホウ)侍医に目配せし、養心殿の外で待つことにした。 方侍医は皇帝が決して楽観できない状況だと報告した。 皇帝の病は脳の内部で生じているため、なす術ないという。 衛嬿婉は怪しまれぬよう方侍医をすぐ下げ、突然の状況に頭を悩ませた。 すると王蟾が先帝もまさに働き盛りで突然、崩御したと心配する。 「こうなった以上、万一に備えるべきでは?事が起きてからでは遅すぎます 先帝の崩御の時、景仁(ケイジン)宮の娘娘は廃后ではなく、母后皇太后の尊号でもめたのです 景仁宮にお子がいたら、今の皇太后の座もどうなっていたか… でも翊坤宮の娘娘には12阿哥がいます、しかも15阿哥より年上です、手を打つ必要があります」 「そうね、分かったわ…」 今日の王蟾は饒舌で、まるで切れ者のようだった。 江与彬が皇帝の寝所へ戻ると、進保が煎じ薬を持っていた。 進保はただ手伝いたいだけだったが、江与彬は慌てて取り戻し、皇帝の薬に間違いは許されないと注意する。 「もし何かあれば斬首では済まぬかも…お手伝い願えるなら炭の補充を頼みます」 そこで進保はすぐ取りに向かったが、その間に江与彬は隠し持っていた薬を加えておいた。 如懿の薬の量は次第に増えていた。 診察に来た江与彬は時間通りに薬を欠かさず飲むよう念を押し、皇帝なら自分が常に側にいると安心させる。 皇貴妃も予想通り方侍医から皇帝の病状を聞き出していたが、実は方侍医にだけ嘘の見立てを教えていた。 「皇上の件、自信はあるの?」 「私の医術はご存知のはず、全て私の監視下です、間違いは起きません」 「お願いね…」 衛嬿婉が養心殿に戻ると、ちょうど皇太后が見舞いに来ていた。 するとちょうど皇太后と毓瑚が皇太子の話をしている。 「かくも深刻な状況なら皇太子を決めねば帝位争いが起きる…」 「太后がおわすのに争いなど…」 「永琪が逝去した後、皇太子はどうなったのか… ″扁額の裏″と″養心殿の箱の中″に誰の名を納めたのか分からぬ…」 立ち聞きしていた嬿婉は先日、毓瑚が片付けていた箱のことだと分かった。 すると毓瑚が嫡子で最年長の第12皇子が慈寧宮にいると安心させている。 皇太后は密建書に書かれた名前が永琰でないよう願い、あるいは白紙ならその方が良いと言った。 その夜、如懿はついに全ての経幡を完成させた。 最後の経幡の名前は″胡蕓角″…。 一方、衛嬿婉は今夜の付き添いである婉嬪・陳婉茵(チンエンイン)と交代すると伝え、誰もいない皇帝の寝殿に入った。 すると寝台の側で付き添っていた江侍医が急に視界に入り、嬿婉は驚いて息をのむ。 つづく (๑ŏ _ ŏ)↷そうだった… 確かに辛い山は越えたけど、その先は嬿婉祭りだった…_(┐「ε:)_ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.03.29 22:12:56
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