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2020.08.10
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白发 Princess Silver
第42話「旧師への忠告」

傅筹(フチュウ)は母の皇太后冊封を重臣に反対され、自分に忠心を抱く者などいないと実感していた。
すると符鴛(フエン)は押さえつけが足りないと指摘、一国の君主として弱腰過ぎるという。
しかし傅筹は暴君になるのは嫌だと訴えた。
「母后、ご安心ください、必ず民の心を掌握してみせます
 朝廷の文武百官らも心から従わせてみせましょう」

傅筹は母と御書房を出て庭園を散策した。
道すがら符鴛はもうすぐ皇太子の命日だと話し、朝臣たちの歓心を買うためにも供養してやりたいという。
その時、東宮から急に奇声が聞こえてきた。
傅筹は母を侍女に任せて様子を見に行ってみたが、屋敷の一室で天仇門(テンキュウモン)の配下が誰かを鞭で打っている。
聞けば林申(リンシン)が半年前に姿を消す際、折檻を命じていったとか。
ともかく傅筹は衛兵にその男をつまみ出すよう命じ、折檻されているのが何者なのか確認に向かった。
車椅子にはぼさぼさの髪でうなだれている哀れな男が座っている。
何とそれは死んだはずの北臨(ホクリン)帝・宗政允赫(ソウセイインカク)だった。

そこへ様子を見に来た符鴛が現れ、北臨帝の姿を見るなり恐怖におののく。
「私を裏切って父の国を滅ぼした男よ!雲児(ウンジ)のために私を西啓(サイケイ)帝に差し出したわ!」
「西啓帝?…何の話ですか?!」
傅筹は意味が分からず尋ねたが、符鴛は悲鳴をあげて錯乱してしまう。

傅筹は事情が漏れないよう北臨帝を東宮に監禁したままにした。
母も急に興奮して頭に血が上っただけで、病の再発ではないと診断され安堵する。
しかし符鴛は北臨帝を一目見ただけで過去に味わった屈辱と、あの男の悪行がすべて呼び起こされたと憎しみを募らせた。
さらに天仇門には10年間も苦しめられてきたと訴える。 ←(* ゚ェ゚)何の話?
傅筹はすでに天仇門を皆殺しにするよう命じたと教え、林申のみが逃亡中だと嘘をついた。
「必ず連れ戻し、母后の意に添う処罰を…」
すると符鴛は森閻(シンエン)宮に住み続けているのは傅筹に復讐を忘れさせないためでもあると釘を刺し、今すぐ宗政無憂(ソウセイムユウ)を殺すために南境へ出兵するよう迫る。
「あの男の息子が生きている限り、復讐が終わることはないのよ?!」
傅筹は時機を見ているだけだとのらりくらりかわしてきたが、母はもう待てないと泣き崩れた。
その時、傅筹はふと思い出し、東宮で母が口走った西啓帝について聞いてみる。
符鴛は都合が悪くなったのか急に具合が悪くなり、傅筹はそれ以上、追求しなかった。

一方、南境では無憂が孫継周(ソンケイシュウ)を子供たちの学堂である博古(ハッコ)堂に呼び出していた。
「″道は離れるべからず、離れれば道にあらざるなり″」
無憂は幼少の頃に孫継周から教えてもらった書の一節を持ち出し、牽制する。
「今も″先生″と呼ぶのは正道に導いてくださった恩ゆえ
 もしあなたが私とは別の道を選び、自身と孫家、そして北臨に背くならば…」
そこで無憂は孫継周に隠居するよう勧めた。
「今ならまだ間に合います」
しかし孫継周は老いても志は捨てないと断言、隠居など臆病者がすることだと言い放つ。
「いたずらに在野で生きるより、朝堂での死を選びます」
無憂は話を聞きながら一筆したため、こんなにも長い間、自分たちはお互いを知らなかったのだと感慨深げに言った。
すると席を立って孫継周に拝礼する。
「師弟の縁はこれまでに、今後、私たちは君と臣です
 最後にひと言、忠告を…あと一歩進めば退路はありませんよ?」
そう言って無憂は帰って行った。
無憂が座っていた机の上には中庸(チュウヨウ)と″退″と書かれた紙がある。
孫継周は硯をつかむと、思わず中庸と″退″の文字に墨汁をかけた。

無憂から最後の警告を突きつけられた孫継周は娘の雅璃に賭けるしかなくなった。
そこで容楽(ヨウラク)に勝ちたいなら大きな賭けに出ろと焚きつける。
「お前は殿下に安神(アンシン)香を届けているな?
 世間では殿下は眠りが深いと噂されている ←(* ゚ェ゚)どんな世間よ?w
 これはお前の安神香の効果ではないか?」
孫継周は雅璃が先手を打てば、立場を逆転させることも不可能ではないと言った。

↓ブラック父娘


蕭可(ショウカ)は容楽のため、血烏(ケツウ)の代用品を血眼になって探していた。
薬房を訪ねた陳(チン)王・宗政無郁(ソウセイムイク)は根を詰める蕭可を心配しながら、七兄に秘密にしても早晩、気づくはずだという。
「あ、黎王と言えば前にある奇薬を頼まれたの」
無郁はどんな薬か聞こうとしたが、その時、泠月が雅璃を連れてやって来た。
公主と話していた雅璃が急に倒れたという。
蕭可はすぐ脈診したが、確かに気血の流れが乱れているものの、倒れるほどではなかった。
しかし雅璃は立つことができず、結局、そのまま薬房に泊めることにする。
すると泠月はまだ仕事があるため、蕭可に看病を任せて帰って行った。

夜も更けた頃、雅璃は密かに無憂の書斎に向かった。
すると窓紗から人影が見え、ろうそくの炎を消して寝台へ移動する様子を確認する。
雅璃は頃合いを見計らい、思い切って書斎へ入ったが、その様子を泠月が物陰から見ていた。

雅璃は熟睡している無憂の床に潜り込み、一夜を明かした。
ふと目が覚めると、衝立の向こうで着替えている無憂の背中が見える。
そこで雅璃はわざと香炉を落とした。
控えていた冷炎(レイエン)は何かあったと思い、いきなり殿内に入ってしまう。
すると冷炎と侍女たちは寝台にいる雅璃に気づき、驚いた。
しかしそこに蕭可が駆けつけ、書斎で衣を脱いで何をしていたのかと聞く。
雅璃は外衣を着て慌てて出て行ったが、蕭可は床に落ちた香炉の灰の匂いでピンと来た。

一方、容楽も朝の身支度を始めていた。
するとこんな時間から孫継周が雅璃を連れて訪ねて来たという。
容楽はまだ支度の途中だと断ったが、孫継周は強引に雅璃を連れて入って来た。
驚いた泠月は会わない方がいいと止めたが、容楽は客間へ出て行ってしまう。

孫継周はいきなり雅璃をひざまずかせると、昨夜、雅璃が黎王の寵愛を受けたと報告した。
呆然とする容楽だったが、泠月の様子がおかしかったのは、すでに知っていたからだと気づく。
泠月はばつが悪そうに蕭可から聞いたと白状した。
「侍女が殿下の朝の支度に行くと、孫小姐が殿下の寝台にいたと…
 公主は昨夜、あまり寝ておられぬので…」
「だから皆が知っているのに私に隠していたの?誰が口止めを?!」
すると孫継周が黎王の意向だろうと口を挟んだ。
そこで雅璃を王府に迎え、王妃と共に子孫繁栄の一端を担わせて欲しいと嘆願する。
しかし容楽ははっきり断った。
「共に殿下に仕えることは許しません!私は無憂しか信じない」
孫継周は面目を潰されたと激怒し、古来より君主は後宮に多くの妻を抱えるものだと声を荒げた。
「孫大人(ダーレン)、王府で私に意見できるのは殿下だけよ!
 真相が明らかになるまでは、殿下が私との約束を決して破らないと信じ続けます!」
「王妃よ、よくぞ言ってくれた」

無憂が漫音閣に現れた。
「どうやら孫大人はあらぬ誤解をしているようだ…」
孫継周はその場は引き下がることにしたが、容楽のために再び国を騒がせば民心が揺らぐと忠告する。
しかし無憂は漫夭(マンヨウ)の隣に立って肩を抱いた。
「忠告に感謝を」
孫継周と雅璃は無憂の自信がどこから来るのか分からなかったが、慌てて帰って行った。

無憂は泠月を下げた。
容楽はこれで孫継周が最後の手に出るだろうとため息を漏らす。
しかし無憂は自分に任せてくれと頼み、容楽の手に赤い短冊をつかませた。
「中山(チュウザン)で花灯祭に行った夜を覚えているか?2人で一緒に短冊に願い事を書いた…」
「覚えてるわ!″子孫繁栄″と書いたと言ったけど嘘でしょう?
 水に落として事実は分からずじまいだけど…」
すると無憂は容楽を後ろから抱きしめ、2人で一緒に短冊を開いた。
そこには″ただ1人の心を得て、白頭となりても離れず″とある。
「私の願い事は分かる?″人生に逆境の多くとも、永久に君と見つめ合わん″よ」
互いの深い愛情を確認し合った容楽と無憂、その揺るぎない絆が壊れることはないと確信していた。



漫音閣を後にした無憂はある覚悟を決めていた。
…漫夭、私のために苦しんできたそなたが、今また白髪ゆえに人のそしりを受ける
…そなたに言ったはず、これからは私を頼ってくれればいい
…二度とそなたを辛い目に遭わせぬと
無憂の手には″逆雪(ゲキセツ)″という奇薬があった。

朝廷を去った楊惟(ヨウイ)は物取りに襲われた。
すると物取りは足がつくと困るので楊惟を焼き殺すという。
しかしただの物取りなら殺せば済むこと、わざわざ痛めつけた上に焼き捨てるのは黒幕がいるからだ。
鋭い指摘に物取りは焼き殺せと命じられたと認め、松明で火を放った。
「…火?はっ!符鴛の指示か!」

一方、符鴛は密かに東宮の北臨帝を訪ねていた。
あの日、激しく燃え上がった森閻宮、符鴛は今でも毎晩のように夢に見ると教え、未だにあの時の苦痛を味わわされていると訴える。
「これも全てあなたのせいだわ!
 …でも安心して、私の計画はとても順調に進んでいる
 この1年、私は乱心したふりをして筹児に斬鬼の念を味わわせて来た
 私が言えばすぐ天仇門を滅ぼし、執拗に付きまとう宦官の林申も始末してくれる ←(* ゚ェ゚)え?!
 なぜ生かされていると?息子たちが殺し合うのをその目で見させるためよ」
符鴛は北臨帝に薬を飲ませようとしたが、北臨帝はかろうじて手で払いのけた。
「忘れないで、あなたはあの時、その手で私に毒薬を飲ませ、西啓の暗君に私を売ったわ!
 あの時、すでにこうなることは決まっていたのよ!」
すると符鴛は北臨帝を車椅子から引きずり落とし、高笑いして帰って行った。

傅筹は常堅(ジョウケン)を呼んだ。
「私はしばらく中山を離れる、やるべきだったことを済ませる」
そこで自分の居室に替え玉を用意し、朝議は病で出られないと伝えるよう指示する。
また母にも言わないよう口止めした。
「半月で戻る」

つづく


( ˘ω˘ )うむ…なぜか符鴛が出て来てから急激に視聴意欲が落ちているw





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最終更新日  2020.08.27 11:12:58
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