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2021/04/24(土)11:49

三千鴉の恋歌 #9 あらすじ

三千鴉の恋歌 全30話(30)

三千鸦杀 Love of Thousand Years 第9話「思い出の絵」 傅九雲(フキュウウン)は覃川(タンセン)を左紫辰(サシシン)の元に送り、その間に内通者の件に手を打った。 そこで九雲は覃川を無事に連れ戻したが、覃川から青青(セイセイ)の死に関わっているのかと追及されてしまう。 「私を守るために青青に罪を着せたの?彼女は無実よ!」 「だがそなたは無実ではない」 「傅九雲、同門を見殺しにして平気なの?」 「…ならばそなたを突き出せば良かったのか?」 そう言われると覃川はぐうの音も出なかった。 その頃、本当の密通者である玄珠(ゲンシュ)は追い詰められていた。 実は白河(ハクガ)龍王の密偵から丸薬を渡され、霊灯の中に隠すよう指示されている。 『務めを果たせば望み通り母君と再会できるぞ』 『必ずやり遂げるわ…』 そしていよいよ香取山に白河龍王がやって来た。 山主は白河龍王のため、凝碧(ギョウヘキ)殿に自慢の宝物を準備していた。 しかし白河龍王は興味を示さず、公子斉(コウシセイ)が描いた自分の扇子には遠く及ばないと自慢する。 すると山主は失笑し、公子斉の絵なら何枚もあるが、そのうち一枚を持って来たと言った。 そこで早速、巻物を広げると、桃花の花びらが殿内に舞う。 覃川は自分がもらった絵だと気づいて懐かしそうに微笑んだが、すぐ現実に引き戻された。 白河龍王は山主の絵に嫉妬し、公子斉の絵はその中に身を置いて楽しむものだと言い出した。 そこで真贋(シンガン)を確かめるため、自ら絵に入ってしまう。 すると山主に目配せされた九雲がすぐ後を追った。 「師匠殺しの九雲か」 「…これは山主の絵のため、念のため私がお供します」 白河龍王は挑発するように桃の木のそばにある琵琶を仙術で引き寄せようとしたが、九雲が邪魔した。 「これは山主の物です、手を触れずに目だけでお楽しみください」 九雲は燕燕の思い出の琵琶を渡すものかと食い下がり、何とか取り返したものの深傷を負ってしまう。 絵から戻った白河龍王は確かに公子斉の絵だったと認めた。 しかし自分に挑んだ九雲を分別がないと非難し、激しく糾弾する。 山主は白河龍王の手前、無礼を働いた九雲を叱責して下がれと命じた。 覃川は傷を負った九雲を心配した。 「急に優しくなったな?私は青青を見殺しにした悪人だろう?」 「…あなたじゃないわ」 覃川は本当の黒幕を知っていたが、口を閉ざした。 すると九雲は以前にも言ったように最愛の人を守りたいと訴え、背負わされた重責を忘れて幸せになって欲しいと説得する。 「とぼけても構わぬ、だが私の気持ちは知っておいて欲しい」 「何度も言わせないで、私は何があっても霊灯を手に入れるわ」 そこで九雲は見せたいものがあると告げ、覃川を万宝(バンホウ)閣へ連れて行った。 万宝閣に公子斉の桃花の絵が戻っていた。 しかし覃川は絵に目もくれず、霊灯がないと落胆する。 すると九雲はいきなり覃川の背中を押し、絵の中へ放り込んだ。 覃川は絵の中で自分の琵琶を見つけた。 早速、琵琶を持ってみると、母の誕生日の宴で踊ったあの日が昨日の事のように思い出される。 「この絵を返そう」 その声は後を追って来た九雲だった。 「そなたの絵だろう?万宝閣は私に一任されている、私が返すと言ったら返す」 「謝謝…でもこの絵は以前と何かが違う気がするわ」 「絵は昔のままだ、そなたも昔に戻ればいい」 九雲はあの時の幸せそうに舞った燕燕のように覃川に笑顔を取り戻して欲しかった。 白河龍王の歓迎の宴が始まった。 そこで龍王の美しい女弟子たちが見事な舞を披露、宴に花を添える。 覃川は給仕のため控えていたが、仲睦まじい紫辰と玄珠の様子に胸が痛んだ。 すると山主が次に自分の愛弟子である玄珠を紹介し、舞で龍王をもてなすよう命じる。 そこで玄珠は琵琶を片手に登場、驚いたことに燕燕と紫辰との思い出の曲・東風桃花曲(トウフウトウカキョク)の舞を披露した。 覃川は唖然としながら紫辰の表情をうかがったが、記憶を消された紫辰は懐かしい曲だと感じながらも思い出すことができない。 そうしているうちに玄珠の舞が終わり、山主は下がるよう命じた。 覃川は急に腹痛を訴え、翠丫(スイア)に任せて玄珠の後を追った。 すると玄珠は裏山にある洞窟の結界を破り、中へ入って行く。 実はその洞窟こそ霊灯の隠し場所だった。 「…いるのね?あなたが来ることくらい分かっていたわ」 玄珠が振り返ると、覃川が現れた。 「もう私たちに関わらないで」 「あなたに用はないの、霊灯が欲しいだけ」 「妖魔を倒しても家族は生き返らないのよ?!」 そこで覃川は驪(リ)国の民のために霊灯で妖魔を倒したいと説得した。 玄珠も民を救いたいのはやまやまだったが、母を見捨てることはできない。 「帝女のあなたと違って私にそんな高尚な志はないわ!  …それより紫辰を逃がしてあげて、彼は無関係よ?  分かっていないのね?龍王が香取山を掌握したら、全員が餌食になる  紫辰だけは巻き込みたくないの、あなただって彼への罪を償いたいでしょう?」 玄珠は霊灯を奪おうとしたが、覃川が立ちはだかった。 玄珠は仕方なく隠し持っていた暗器を覃川めがけて放った。 しかし突然、覃川の前に結界が現れ、跳ね返った暗器が玄珠の腹をかすめる。 「玄珠大人(ダーレン)の人を陥れる手腕は見事だったわ…」 その声は死んだはずの青青だった。 玄珠は驚愕したが、青青の仙力では自分の暗器を止められないはずだと驚く。 その時、九雲が現れた。 「まさか…そんな…」 玄珠はようやく自分が罠にはめられたと気づいた。 実は山主も九雲も最初から密通者が玄珠だと知っていたという。 そこで九雲は仙鎖で玄珠を捕縛し、青青に覃川を連れて行くよう命じた。 覃川は後ろ髪を引かれる思いだったが、その時、玄珠が覃川に紫辰だけは助けて欲しいと懇願する。 すると覃川は九雲に玄珠を殺さないよう頼んだ。 「いいだろう、彼女の無事を約束する」 青青は覃川を連れて裏山を出た。 「山には戻らないで…あとは私たちに任せて、全て終わったら九雲大人が会いに行くわ」 そこで覃川は急いで紫辰を迎えに行った。 紫辰は玄珠がいないことを訝しんだが、覃川はすでに山を出て紫辰を待っていると嘘をつく。 一方、凝碧殿では山主が白河龍王に手合わせを申し出ていた。 こうして師匠と師匠の力比べという仙界でもめったにない対決が始まったが、九雲は龍王の弟子たちが内殿になだれ込んできたことを察知し、凝碧殿を飛び出す。 やがて白河龍王はどこかおかしいと気づいた。 すると玄珠に化けて座っていた青青が正体を現わす。 「龍王よ、負けを認めろ、これからも友として修行に励もうではないか」 山主は白河龍王の鼻を明かした気分だった。 覃川は紫辰を連れて川まで逃げた。 そこで白紙仙術で白虎を招喚する。 「この子に乗って逃げてください!早く!…玄珠大人の指示なんです」 紫辰は一緒に逃げようと言ったが、覃川は未練を断ち切るように山に残ると伝えた。 「猫猫(マオマオ)!行って!」 白河龍王がついに倒れた。 山主は今、負けを認めれば龍王が忍ばせた弟子の何人かは救えるだろうと笑う。 すでに九雲たちが片付けているはずだ。 しかし白河龍王が急に高笑いした。 「山主も考えが甘いな、私が何も備えていないと?」 …いざとなったらこれを飲め、山主と傅九雲を滅ぼして香取山を手に入れろ …霊灯は私に渡せ、お前の苦労も報われるぞ? すると白河龍王は黒い外套を被った男からもらった丸薬を取り出し、飲み込んだ。 つづく |ω・`)白河龍王…もうちょっと何とかならなかったのか…

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