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2021/05/01(土)14:54

三千鴉の恋歌 #18 あらすじ

三千鴉の恋歌 全30話(30)

三千鸦杀 Love of Thousand Years 第18話「失敗」 万花楼(バンカロウ)で始まった花創(カソウ)大会。 天原(テンゲン)国太子・靂渊(レキエン)は玄珠(ゲンシュ)を侍らせ、美女たちの舞をながめていた。 「どうだ?良い女子はいるか?」 すると玄珠は人によって容貌の評価は異なるが、舞なら驪(リ)国の女子には及ばないという。 「胆力はそなたに及ばぬな…ふっ」 靂渊は玄珠の腰を抱き寄せると、両側の席にいた左紫辰(サシシン)と第二皇子・亭渊(テイエン)は見て見ぬふりをした。 一方、公子斉(コウシセイ)こと傅九雲(フキュウウン)は三児(サンジ)に化けた眉山(ビザン)君をお供に花創大会を楽しんでいた。 すると九雲は不機嫌そうな紫辰に気づき、暇つぶしに昔の憂さを晴らすことにする。 九雲は酒を持って紫辰の隣に腰を下ろし、馴れ馴れしく肩を組んだ。 「ところで左大人(ダーレン)は天才的な詩人として有名だ〜それに楽曲の改編もお得意だとか〜?  私の″東風桃花曲(トウフウトウカキョク)″をどう書き換えたのです?教えてくださ〜い」 しかし紫辰は酔っ払いにからまれたと思ったのか、公子斉を早々に追い返した。 九雲が席に戻ると、眉山は呆れた。 「余計なことを~」 「恋敵をやっつけてやろうと…」 「恋敵など い な い」 しかし九雲は紫辰を眺めながら、確かにあの物腰の柔らかさ、覃川(タンセン)が好きになるのも無理はないという。 すると眉山は書童に化けていることも忘れ、思わず九雲の背中を叩いた。 その時、ついに西域の胡姫(コキ)に成り済ました覃川が登場する。 覃川の美しい舞に皇太子は目が釘付け、その時、紫辰と玄珠は胡姫の正体に気づいて思わず顔を見合わせた。 美女たちのお披露目が終わり、覃川はその見事な舞で花創大会の勝者となった。 観客たちは面紗(メンシャ)を外して顔を見せろの大合唱、しかし皇太子が自ら胡姫の顔を見たいと希望し、大会はそのままお開きとなる。 すると店を出た亭渊は馬車の前でちょうど1人で皇太子を待っている玄珠を見つけた。 そこでお互いのために香取山のことは秘密にしようと耳打ちする。 しかし運悪く靂渊に見られた。 「何を話している?!」 亭渊は咄嗟に兄の好みはふくよかな人だと助言しただけだと取り繕ったが、靂渊は納得しない。 「それで?」 「それと~私も胡姫の顔が見たいです」 「だめだ」 皇宮に戻った靂渊は胡姫と祝杯を挙げ、寝殿へ連れて行った。 そこで早速、胡姫を抱き上げて面紗を外そうとしたが、覃川はその手からするりと抜け出す。 「私が酒に仕込んだ薬が効き出す頃です…」 覃川は軽やかに飛び上がると、振り向きざまに仙弓を引いて靂渊の心臓を射抜いた。 ついに2人目を仕留め、霊灯を掲げる覃川、しかし靂渊が目を覚ましてしまう。 「…霊灯か、左相国(サショウコク)を殺したのはお前だな?」 靂渊が掌を放つと、覃川はあっけなく吹き飛ばされた。 「私は強いぞ?」 すると突然、殿内に無数の白い鳥が舞い込み、靂渊に襲いかかる。 駆けつけた紫辰が鳥を追い払ったが、その間に胡姫は逃げ出していた。 覃川は九雲が放った鳥のお陰で難を逃れ、月明かりのもと林の中を走っていた。 そこへ突然、紫辰が現れ、剣を突きつける。 「覃川、2度と現れるな」 すると紫辰は引き返し、覃川を見逃してくれる。 一方、書童の姿から解放された眉山はようやく酒にありつき、九雲が何だかんだ言いながら結局、覃川を助けたと揶揄していた。 翌朝、街では皇太子を襲撃した刺客の手配書が張り出された。 覃川は似顔絵を確認してみたが、異国の娘の絵姿は自分とは似ても似つかない。 安堵して店に戻ることにした覃川、すると玄珠が現れた。 玄珠はその身なりなら確かに胡姫とはほど遠いと呆れた。 「約束でしょう?紫辰に近づかないで」 「別の用事で来たの」 「そのようね、でも失敗した、あなたは役立たずだわ」 玄珠は紫辰が詹事(センジ)を引き受けたのは覃川のためだと言った。 しかし覃川はあくまで紫辰自身が選択したに過ぎず、誰の助けもいらないという。 「玄珠、いい加減、私に執着するのはやめて、もう大人でしょう?  過去を引きずって生きてはだめよ」 覃川は一方的に話を終わらせ帰って行った。 覃川は玄珠に強がって見せたものの、復讐の失敗は大きな痛手となった。 とぼとぼ燕燕(エンエン)飯店に帰って来た覃川、すると老板娘が慌てて出迎える。 「小川!昨夜はどこに行っていたの?!ずっと探していたのよ!」 「ぁ…郊外に用があって…」 「とにかく早く来て!」 老板娘は覃川を店の中へ引っ張って行くと、公子斉が待っていた。 公子斉は差し入れの料理が気に入り、娘を譲って欲しいと頼んだ。 「無論、ただとは言わぬ、この黄金の花と交換しよう」 覃川は拒んだが、老板娘は覃川が見初められたと勘違い、郭(カク)大婶も黄金に目が眩んで覃川を引き渡してしまう。 覃川は九雲に無理やり引っ張られて行った。 何とか九雲から逃れようと腕に噛みつく覃川、その時、官兵たちがかたっぱしから年頃の娘を捕らえている様子を目の当たりにする。 「胡姫が着ていた衣装なら私の部屋にあるぞ?その中でも特に偽物の瞳が好きだな~」 覃川はこのままでは捕まると焦り、仕方なく太尉府について行った。 覃川は九雲の寝殿に到着するなり、そのまま寝床へ入った。 驚いた九雲は勝手に寝るなと叱り、料理を作れという。 「ハイハイ、本当は困っていないくせに~」 「何だと?!」 しかし昨夜から一睡もしていない覃川はあっという間に眠ってしまう。 覃川が目を覚ますと、すでに外は暗かった。 寝床から出た覃川は殿内を見回しながら歩いていると、文机の上に広げられた絵に気づく。 それは燕燕が幸せな公主だった頃の正殿の様子だった。 覃川はふとあの頃に戻ったような錯覚に陥ったが、そこへ九雲が現れる。 すると九雲は早く厨房へ行けと言った。 九雲は最高級の肉を準備し、涼亭で焼くことにした。 相変わらず素直になれず、口では覃川のためではないと言いながら、自ら肉を焼いてご馳走する。 「そうだ、本物の胡姫は逃した、今頃は帰路についている」 覃川は九雲の心遣いに感謝したが、肉には手をつけなかった。 「あなたには関係ないことよ、止めないで」 「止めるまでもないだろう?今回の失敗で思い知ったはずだ、奴に傷すら負わせられなかった」 「挑み続けるわ、何度でもね…だから霊灯はあきらめて  絵なんかで私を説得することはできない、それどころかあの絵を見て自分の使命に確信が持てた」 そこで九雲は仕えてくれたよしみで1つ助言すると切り出した。 「靂渊の敵はもう1人いる…  おとなしく私の料理長を努めればいい、そのうち″誰か″が靂渊を殺してくれるさ」 しかし覃川は急に立ち上がり、行ってしまう。 「小川!なぜ香取山の時のように忍耐強く待てないんだっ!(はあ~)困らせるな…」 九雲は思わず箸を投げた。 その夜、鯪(リョウ)州王府に覃川が現れた。 「待っていたぞ」 亭渊はそろそろ覃川が現れる頃だと気づいていた。 そこで覃川は乾坤(ケンコン)袋から霊灯を取り出し、本物の証として左相国の魂を見せる。 「疑うならあなたも入ってみる?驪国人にとってはあなたも宿敵よ?…なんてね~ふふふ」 覃川は冗談だと笑って霊灯をしまうと、率直に靂渊を殺したいと言った。 「あなたの代わりに靂渊を殺してあげる」 つづく (; ゚ェ゚)胡姫は逃げられたろうけど、無駄に捕まった娘たちの立場は…

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