2021/12/27(月)23:31
長歌行#4あらすじ
长歌行 The Long Ballad
第4話「長安脱出」
李長歌(リチャングァ)は皇太子璽(ジ)を盗んで弘義宮から脱出した。
しかしその夜、追っ手に見つかり、夜の街を逃げ惑う。
そんな長歌を救ったのは品香斎(ヒンコウサイ)で知り合った少年・阿竇(アトウ)だった。
阿竇はすっかり長歌に傾倒し、弘義宮に侵入した刺客が長歌だと察して2日も待っていたという。
そこで侠客の弟子になりたいと懇願したが、長歌は命を落とすことになると警告した。
「人はいつか死ぬ、師父の信念を共に貫けるなら本望だ!
もちろん死ぬのは怖いよ…でも惰性で生きて行く方がもっと怖い」
「ふっ…死んでも恨むなよ?」
阿竇は初めて長歌の笑顔を見た。
一方、阿詩勒隼(アシラシュン)は監禁された少年が弘義宮から逃げたと聞いて驚いた。
「逃げ足が速い、ますます興味が湧くな、もしや李建成(リケンセイ)のゆかりの者か?」
しかし蘇伊舎(スーイーシャー)の話では李建成の息子は皆殺しになり、将領も投降しているという。
「東宮の下っ端ですよ」
「ふっ、どうやら他にも長安を脱出したい者がいるらしい」
杜如晦(トジョカイ)は房玄齢(ボウゲンレイ)が永安(エイアン)郡主をそそのかして長歌を逃したと疑っていた。
白々しく否定する玄齢だったが、確かに皇太子璽を盗むとは想像以上に大胆不敵だと舌を巻く。
皇太子・李世民(リセイミン)は今回の非は楽嫣(ラクエン)にあるとして禁足を命じ、玄齢に助け舟を出した。
長歌については精鋭を平伏に着替えさせ、密かに捜索するよう指示する。
「騒ぎは避けたい、必ず生かして連れ戻せ」
杜如晦は皇太子が幼い頃から可愛がって来た長歌を見捨てられないと分かっていた。
しかし長歌はまるで皇子のように文武の教えを受け、幼少から独断専行、ここで禍根を絶たねば手遅れになる。
全ては天下の安泰のため、如晦は皇太子の命に反して長歌を抹殺すると決めた。
そこで従順な養子の皓都(コウト)に任務を任せる。
「ついでに常何(ジョウカ)に噂の出どころの件を確かめよ…進展がなければ後任を置くまでだ」
如晦は阿詩勒部の工作まで長歌の仕業だと誤解していた。
常何はまだ手がかりを掴んでいなかった。
呆れた皓都は証拠となる文を取り上げたが、紙から魚のような生臭い匂いがする。
実は粛清の噂を広めた文は魚の腹の中に入っていた。
常何は宮中に出入りしている魚屋の男を捕らえて詰問、すると男は見知らぬ男から金をもらって紙を詰めただけだと訴える。
皓都は端正な顔立ちで目元に黒子があったか聞いたが、男は否定した。
「いいえ、背の高い男で口数が少なく、特徴は何も…」
長歌と阿竇は運悪く捜索中の方義(ホウギ)に見つかった。
そこで長歌は合流場所を決め、ひとまず二手に分かれて逃げることにする。
一方、買い出しから戻った亜羅(ヤールォ)は、例の魚売りが晒し刑になっていたと特勤(テギン)に報告した。
もしや蘇伊舎のことをバラしたかもしれない。
しかし阿詩勒隼は慌ててここから離れると命じた。
わざわざ大街で晒し者にしたのは見物人の反応を見て手がかりをつかむため、恐らく亜羅は尾行されているだろう。
「官兵が来るぞ」
その時、客桟へ常何たちが到着した。
阿詩勒隼は亜羅を逃すためおとりになった。
そこで外見が分からないよう外套をすっぽりかぶり、2階から飛び降りて馬を駆けて行く。
すると前からあの少年が現れた。
「長安は広いのにいつも遭遇するな…」
しかし長歌は渡りに船とばかりに青年を引きずり下ろし、馬を奪って逃げて行ってしまう。
「感謝するよ!」
呆気に取られる隼だったが、咄嗟に外套を脱ぎ、何食わぬ顔で常何たちが通り過ぎるのを待った。
長歌は途中で馬を乗り捨て、塀を乗り越えて追っ手をまいた。
しかしうっかり魏叔玉(ギシュクギョク)から奪った魚符を落として行ってしまう。
その頃、常何と方義は同じ馬を追って思いがけず合流していた。
方義は永寧郡主を見なかったか聞いたが、常何は知らないという。
一方、阿詩勒隼は無事に配下と合流していた。
すると蘇伊舎が長安を脱出する方法を見つけたという。
常何は怪しい男をみすみす逃したが、思いがけず魚符を拾っていた。
手柄を奪われぬよう方義には教えず、皓都に渡す。
皓都は魏叔玉の魚符だと気づき、叔玉が幼なじみの長歌を逃したと疑った。
そこで魏家に出向き、長歌がこの魚符で弘義宮に潜入して皇太子を襲い、その上、皇太子璽を盗んで逃亡したと教える。
「共謀罪は九族皆殺しだぞ?」
叔玉は皓都に弱みを握られ、長歌の捕縛に協力するよう脅されてしまう。
長歌は阿竇と合流、長安を脱出する手立てを模索した。
すると街を行き交う胡商(コショウ)を見た阿竇が商隊に紛れ込む方法があると思い出す。
阿竇は早速、ある商店に入って店主に暗語(アンゴ)で頼んだが、すでに商隊の空きはなかった。
その時、ちょうど店の前をある商隊が通りかかる。
急いで後を追った長歌は一緒に連れて行って欲しいと声をかけたが、振り返った胡商の男は阿詩勒隼だった。
阿詩勒隼は東宮の残党ならお尋ね者だと指摘、捕らわれれば斬首になると鎌をかけた。
「なぜ知っている?」
「ふっ、読み通りか」
長歌はうっかり口を滑らせ動揺したが、ともかく機嫌を直してもらおうと馬を奪ったことを謝罪した。
すると隼は謝罪より物々交換だと迫り、長歌が持っている短剣が欲しいという。
宝剣を手放したくない長歌、しかし阿竇は脱出が優先だと訴え、取り戻す機会ならあると耳打ちした。
「分かった…ただし城門を出てから渡す」
「いいだろう」
そこで長歌は危険を冒すのは自分だけで良いと、先に阿竇を逃がすことにした。
「城外の十里亭で待て、ただし3日過ぎたら諦めろ」
( °_°)<特勤、東宮の小僧相手だとよく話すんだよな~@亜羅
阿詩勒隼たちの商隊は通化(ツウカ)門で通行証を提示、荷物の検査も終えた。
無事に長安の脱出に成功した長歌、郊外まで来たところで荷台の下から解放されたが、途端に宝剣を奪われてしまう。
「名前を教えて、しばらく預けておくがいつか取り戻す、名前が分からないと…」
すると隼は馬を譲った。
「取引としては十分だろう、つきまとうな」
皓都は長歌がすでに長安を脱出したと考えた。
そこで叔玉を連れて捜索に出たが、ちょうど山道で長歌と出くわす。
「さすがは郡主の盟友だ、ここを通ると予想した…知らせに感謝するよ」
長歌は淑玉の裏切りに深く傷つき、とっさに馬を反転して逃げ出した。
背後から飛んでくる弓矢を何とかかわしながら疾走する長歌、しかしやがて行き止まりになる。
「もう逃げ道はない、観念して我らと戻り罪を認めよ!」
ついに皓都と叔玉が追いついた。
すると長歌は無謀にも腐食した吊り橋に向かって飛び出してしまう。
馬は川に転落し、長歌はかろうじて吊り橋に捕まった。
皓都は矢をつがえ長歌に狙いを定めたが、淑玉が急いで矢をつがえる様子を見て思わずほくそ笑む。
まさか叔玉にそんな勇気があるだろうか。
その時、ついに叔玉が矢を放った。
長歌は耐えきれず手を離したが、叔玉の矢が背中に命中、真っ逆さまに川へ転落してしまう。
「…長歌、すまない」
房玄齢は魏徴(ギチョウ)を復職させるため、皇太子に説得を頼んだ。
しかし李世民の顔を見た魏徴は怒りが爆発する。
実は魏徴は再三、李建成に李世民を長安から追い出すよう進言していた。
「当時、再度、進言しなかったことが悔やまれる…禍根を取り除けなかった!
出ていけ!ここで沙汰を待つっ!」
玄齢は慌てて2人の間に割って入ったが、李世民は憤慨して帰ってしまう。
一方、阿詩勒隼は商隊の身代わりたちと別れ、幽州に向かおうとしていた。
「水を汲みました、他の者は道の下調べに…」
亜羅の話では幽州に着くのは半月後だという。
「遅すぎる、先を急ぐぞ…」
その時、隼は岸に流れ着いた人影を見つけた。
つづく
|ω・`)チャンガ…お尋ね者なのに派手な衣装に着替えるのねw
さてようやくプロローグが終わり本番です!(^ꇴ^)