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2024/03/13(水)10:58

夢華録#40(最終話)あらすじ

夢華録 全40話(40)

梦华录 A Dream of Splendor 最終話「それぞれの願い」 顧千帆(コチェンファン)は皇后・劉婉(リュウエン)と接触し、忠誠を誓う代わりに趙盼児(チョウパンアール)を見逃して欲しいと訴えた。 しかし皇后から欧陽旭(オウヨウキョク)への訴えを取り下げさせるよう迫られ拒否、交渉は決裂する。 「…悪いけど力にはなれないわ」 顧千帆は咄嗟に皇后に短剣を突きつけ、パンRが助かるなら命も売り渡す覚悟だと脅した。 「私は裁きへの干渉を求めているのではない、同じ女子であるパンRに機会を与えてやって欲しい  その後は勝とうが負けようが恨み言は申しません」 「いいでしょう」 すると顧千帆は去り際、真実を明かした。 「陛下の手元にある夜宴図は真作です、パンRが贋作だと示唆したゆえ、あなたは難を逃れた」 何も知らなかった劉婉は驚愕した。 聞けばパンRは賎民のままならぬ辛さなら自分も良く分かると共感し、皇后を助けたという。 顧千帆はパンRが欧陽旭を訴えたのも、皇后が斉牧(サイボク)からの侮辱に耐えられなくなったことと同じだと話した。 パンRはなかなか意識が戻らず、皆を心配させた。 しかしパンRの気概に感銘を受けた高鵠(コウコク)が太宗から下賜された妙薬を届けてくれる。 顧千帆は高観察を信じ、薬を砕いてからパンRに口移しで飲ませた。 するとついにパンRが目を覚ます。 一方、劉婉は皇帝や顧千帆の話を噛みしめながら、ようやく自分の過ちに気づいていた。 「陛下に謁見したいと伝えて」 皇后はパンRに再び機会を与えた。 そこで皇帝は公平を期すべく長官を交代させ、審理を公開とする。 パンRは重い身体をひきずりながら再び登聞鼓院(トウブンコイン)へ出廷し、早速、杖刑(ジョウケイ)の続きを受けることになった。 しかしそこへ伝令官として崔(サイ)内侍が駆けつけ、聖旨を伝える。 「皇后の誕辰を祝い、本日より女子に対する杖刑以下の罰は銭で免除できるものとする…ちんつー」 顧千帆たちは急いで門で見守っている葛招娣(カツショウテイ)と陳廉(チンレン)に銭を集めろと指示した。 「30貫だ!」 すると集まっていた民衆がパンRのために寄付してくれる。 その中には開封府の前でパンRを蔑んだ男たちもいた。 パンRは30貫と引き換えに残りの杖刑を免れた。 欧陽旭は皇后が助けてくれると信じて出廷し、依然として婚約破棄を否認する。 証書はとうに破棄し、結納品もなく、婚約を証明する物などないはずだ。 パンR側の証人・孫三娘(ソンサンニャン)は身内も同然、また杜長風(トチョウフウ)も今や孫氏の許嫁のため、2人の証言は信頼性に欠ける。 「確かに酒によって婚姻をほのめかしたことがありました、過ちは認めます  なれど男側からの婚約破棄は容赦されるかと…」 欧陽旭は誠意を示してパンRに謝罪したが、パンRは偽りの謝罪など必要ないと冷ややかだった。 「欧陽旭、訴状をしっかり読んだ?婚約破棄は訴えの一部、問題は私を中傷したことよ?」 三娘は婚約祝いに家宝の硯(スズリ)を欧陽旭に贈ったと証言した。 返還を求めたがすげなく追い返され、用心棒に都から追い出されそうになったという。 しかし欧陽旭が離京前にすべての身代を質入れしたため、硯を見つけることができた。 池蟠(チハン)は質札と硯を証拠として提出、硯には確かに三娘が説明した通り表に文言、裏には″孫″と表記があり、質札の契約人は欧陽旭となっている。 パンRは婚約する前から欧陽旭が自分から再三、銭を借りながら返済を拒んだと訴えた。 「だまし取りは窃盗と同罪のはず、5貫以上は斬首となります」 その時、つい立ての裏で審理を聞いていた皇帝は、激怒してうっかり椅子を叩いてしまう。 長官は咳払いして慌てて誤魔化したが、顧千帆は皇帝の存在に薄々、勘付いた。 皇帝は皇后と一緒に審理を見守っていた。 「…皇上、先日は私が悪うございました」 「長年、連れ添った夫婦ではないか、幸いにもまだ取り返しがつく」 「でも斉牧を許すことはできません」 「私が群臣の反対を押し切ってそなたを立后したのは、野心あふれる有能な女子だったからだ (コソッ)知っての通り私は決して知慮に富む賢君ではない…  そなたを好いたのは己にないものを持っていたからだ  よいな?これからは天下の民の噂話に耐え得るような手立てを取れ  この大宋はそなたの家でもあるのだ」 欧陽旭は思わぬ証拠に動揺し、硯の件は失念しただけだと釈明した。 「これは趙盼児の報復行為だ!君はなぜこんな下劣なことを…」 「あの日の発言に感謝するわ」 開封府で訴えを差し戻された後、パンRは帰り際、自分の訴えを受け止める勇気もないのかと欧陽旭を非難した。 すると欧陽旭は勝ち誇ったように刑法と慣習は全く別物だと言ったという。 「それを聞いて悟ったわ、婚約破棄では断罪できないとね…  欧陽旭、私はあなたを地獄へ送る、あなたが私の首を締めたようにね」 「何の話だ?…首など締めていないぞ!そんな証拠はあるはずない!」 焦った欧陽旭は従者に助けを求めようとしたが、すでに従者は姿を消していた。 その時、証拠集めに奔走していた宋引章(ソウインショウ)が駆けつける。 「証拠ならありまーす!」 欧陽旭の侍従・淑徳(シュクトク)と書生・子明(シメイ)は賊に殺されたことになっていた。 実は子明の屍(シカバネ)から″歩虚韵(ホキョイン)″という楽譜が見つかっていたが、確認した引章は楽譜の奇妙な点に気づいたという。 「これは道家の祭事で演奏される音曲で、書生は道教の修行者でした  しかし歩虚詞と工尺譜(コウシャクフ)が一致していないのです  そこで奇妙な箇所だけを横に読んでみると、ある文章が現れました、″欧陽旭が私を殺した″と…」 驚いた皇帝はまた椅子を叩きそうになったが、すんでのところでこらえた。 楽譜の裏には″紫陽観(シヨウカン)″という文字もあった。 そこで引章は欧陽宅の近くに建つ紫陽観を捜索、すると座蒲(ザフ)の下から書生の遺書を発見する。 「欧陽旭は侍従を死に至らしめ、大金で刺客を雇い、趙氏を殺そうとしたと…  それを目の当たりにした書生は口封じに殺されると思い、楽譜に暗号を記したのです  欧陽旭は音律を知らぬため、気づかれません」 酒楼組合へ向かっていたパンRたちを襲った黒幕は欧陽旭だった。 欧陽旭は激しく取り乱し、捕らわれまいと暴れ出した。 するとついに皇帝と皇后が姿を現す。 欧陽旭は全て聞かれていたと知り呆然、その場にへたり込んだ。 「欧陽旭の官職を全て剥奪し、詔獄(ショウゴク)へ…いいや、皇城司の獄へ収監せよ!  顧千帆、朕に代わりしっかり取り調べてくれ」 皇帝は趙氏、孫氏、宋氏の功績を認め、何でも望みを叶えることにした。 「孫氏、言ってみよ」 「わっ!私ですか?!…私は永安楼の新作料理を召し上がって頂ければ十分です  願わくば誥命(コウメイ)夫人の衣を賜りたく、栄に浴することができましたら、この上ない幸せです」 「許そう」 今や立派に自立した引章は、これを機に登聞鼓院が常に開かれ、杖刑が減ることを望むと嘆願した。 皇帝はさすが″風骨″の文字を授かっただけのことはあると感心し、許可するという。 皇帝は最後にパンRの望みを聞くことにした。 するとパンRはいきなり3度ほど叩頭し、政に口を出す無礼を謝罪する。 「私は父の罪により楽妓となりました…父は民を救ったがゆえに死んだのです  宋氏は官妓の家の出ですが、世塵(セジン)にまみれることなく、琵琶に邁進しています  そんな私たちは欧陽旭より卑しいでしょうか?」 パンRは賎民が決して卑しくないと証明するため欧陽旭を訴えたと説明した。 男女を問わず一度、賎民になれば容易に抜け出すことはできず、一生、世間から見下されてしまう。 パンRは楽師や職人、奴婢の家に生まれた者を賎民である苦しみから解き放って欲しいと涙ながらに嘆願した。 良賎制は秦漢(シンカン)期に始まった。 皇帝も改めたいと思っていたが、天下の大業ゆえ、代々の帝王が徐々に進める必要があるという。 「では今日はまず1つだけ定めるとしよう…  今後、教坊司の優秀な楽師や職人に内侍省翰林院の職を授けるものとする  つまり官吏だ、当然ながら賎民ではなくなる  また国に貢献し、善行を積んできた官奴婢と私奴婢に対しては上奏を許可する  朝廷が適切に取り計らおう」 そして皇帝もこの日をきっかけに堂々と劉婉を伴って朝議に向かった。 永安楼では宋引章の琵琶を聞こうと多くの客が集まった。 その様子を池蟠は上階から幸せそうに眺めている。 一方、三娘は夢を叶え、杜長風との婚儀で鳳凰冠をかぶり、礼服を着た。 傅子方(フシホウ)は母の新たな門出を喜び、仲睦まじい陳廉と招娣も2人を祝福する。 こうして紆余曲折を経て幸せをつかんだパンR。 顧千帆は愛するパンRが嫁いでくれる日を待ちながら、今日もパンRに付き添っていた。 終わり 無事に完走しました! 中国ドラマにハマるきっかけがパンR演じるリウイーフェイが出演した武侠ドラマ 金庸の女神と言われたイーフェイが久しぶりにドラマ復帰した作品でしたが、期待が大きすぎたせいか、ちょっとこれじゃない感が… ともあれ私の愚痴を聞きながら最後までお付き合いくださった皆様、ありがとうございましたw

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