2024/01/08(月)15:20
マリアージュ・ブラン ~嘘つき弁護士の愛の法則~ #40(終)
爱的二八定律 She and Her Perfect Husband
第40話「本当に大切な物」
事務所を追われたものの、セクハラ集団訴訟の準備で忙しい毎日を送る秦施(チンシー)。
そんなある日、情報屋・剛子(ガンズー)の読み通り、天航(ティエンハン)ホテルの社長・尹志強(インジーチアン)が移動になった。
経営監察室に飛ばされたと聞いた姚遥(ヤオヤオ)は失笑、そこは定年を迎えた役員の隠居部屋で、事実上の左遷だという。
秦施は天航が尹を見限ったと気づき、無防備になったところで一気に攻めると決めた。
「今日、訴状を提出するわ」
その夜、秦施は李黛(リーダイ)、姚遥、剛子の4人で祝杯をあげた。
剛子は着信に気づいて席を離れたが、突然、秦施が現れ、携帯を奪われてしまう。
「陽華でしょう?…何か言ったら?私と姚遥を何だと思っているの?」
陽華は黙ったまま何も答えず、剛子も他の依頼人だと否定した。
仕方なく剛子に携帯を返した秦施、一方、姚遥は李黛に明日、息子を連れて豪州に発つと報告していた。
「もう戻らないわ、後のことはよろしく、実は陽華も一緒なの」
「🍺_(´゚ω゚).:;*.’:;..ブハッ!ちょっと、陽華を梱包して持って行くとでも?」
「陽華は離婚したわ」
そこへちょうど秦施と剛子が戻って来た。
「秦施?離婚したって本当?!なぜ黙っていたの?!」
李黛は姚遥のために尽力してくれた秦施への仕打ちに憤慨した。
しかし秦施は陽華が姚遥と豪州へ移住するとはにわかに信じられない。
「彼は行かないわ」
「明日11時半の便よ、自信があるなら引き留めに来たら?」
その時、陽華が店の外まで姚遥を迎えに来た。
李黛は陽華を引き止めるよう急かしたが、秦施は身体が動かなかった。
一方、陽華のために一肌脱いだ姚遥は秦律師には確かに劇薬が必要だと納得する。
「でも相思相愛なのになぜ意地を張るの?
とにかくあなたが彼女を好きなのことは良く分かったわ」
「初めてここまで人を好きになったよ…」
「私の前でそれを言うか?w
ともかく99歩まであなたが歩み寄っても、最後の1歩は秦律師が踏み出す必要があるわ」
陽華は追いかけて来ない秦施に落胆し、姚遥と車に乗り込んだ。
その時、秦施が息急き切って駆けつけたが、陽華が気づかないまま車は走り去ってしまう。
秦施は陽華を引き止めることも叶わず、雨の中をあてもなく歩いた。
すると秦施を探し回っていた2人の兄が現れる。
秦施は思わず秦文斌(チンウェンビン)に抱きつき号泣、気がつくと自宅のベッドで眠っていた。
秦施は物音に気づいて目を覚ました。
もしや陽華が戻って来たのかも?
秦施は慌てて寝室を出たが、そこにいたのは2人の兄だった。
2人は昨夜、泥酔した秦施を連れてマンションまで送ったが、深夜だったため泊まったという。
すると秦文宇(チンウェンユー)は出社する時間だと気づいて仕事へ出かけた。
秦施はどういう風の吹き回しかと驚いたが、長兄の話では文宇は本当に変わったという。
「きちんと出社して真面目に働いているよ
梅梅(メイメイ)が戻って来た時、だらしない姿を見せたくないからだと…」
実は秦施も最近、ようやく梅梅と連絡が取れたところだった。
「…私はもう幸せになれないような気がする」
「陽華と何があったのか知らないが、これだけは言える
人の幸せを決めるのは安心感だ、心の安らぐ場所がお前の居場所だよ」
秦施は気を取り直し、自宅で裁判の準備を始めた。
すると母が食材を持って訪ねてくる。
「あら家にいたの?…しばらく来ないともうこんなに散らかして…」
「数日前に来たでしょう?冷蔵庫にはまだ食料がいっぱいよ?」
胡小妹(フーシャオメイ)は冷蔵庫に整然と積まれた料理を見て呆然、これは自分ではないという。
実は秦施の留守に掃除をして料理を作ったのは陽華だった。
「…小施、あなたと陽華のことだけど、ママもパパも全て知ってるの」
陽華は離婚した日、秦家を訪ねて事情を明かしていた。
離婚証を見た秦軍(チンジュン)は当然、憤慨したが、陽華は秦施が自分の心から目を背けたり、本来の幸せを避ける姿を見たくなかったという。
『僕が彼女にあげられるものは自由でした、どうか彼女を責めないでください
僕にとって大事なのは結婚より彼女と共にいることなんです
彼女が望むなら一生、結婚しなくてもいい、でもどうか生涯、彼女を支えさせてください』
母の話を聞いた秦施は慌ててマンションを飛び出した。
秦施は空港に来なかった。
姚遥はさすがにやり過ぎたと反省し、陽華にカードを返す。
「あなたのお金でしょ?一銭も手をつけてないわ…別れのハグする?」
「いや、彼女がいるからダメだ」
陽華は姚遥たちを見送って空港を出た。
ちょうどその頃、秦施は出発ロビーに駆けつけたが、またしてもすれ違ってしまう。
あれから7ヶ月が経った。
秦施と李黛はセクハラ集団訴訟で多額の賠償金を勝ち取り、今や時の人となる。
尹志強は強制わいせつや何東娜(ホードンナー)の裁判での偽証教唆で逮捕、工事による不正も関係者が全て勾留された。
そんなある日、秦施は誠(チョン)&慧(フイ)からパートナー弁護士として招かれることになった。
唐伊慧(タンイーフイ)は11階の秦施のオフィスを一新して機嫌を取ったが、呼び戻さねばならない案件があると見抜かれてしまう。
実は海外逃亡していた龐定方(パンディンファン)が交通事故で愛人と共に死亡、蘭暁亭(ランシャオティン)が遺産の受け取りを秦施に担当して欲しいと頼んでいた。
また秦施が辞めてから事務所の内規を見直し、今では独身でも育児中でも同等に扱うことになったという。
「陽華の言う通りね、事務所の長期的発展には信念が必要なの
弁護士の職業倫理は公平と正義、それが事務所の良心よ」
「…陽華とまだ連絡しているの?」
「もちろん!」
陽華は今や胡平(フーピン)の右腕、投資部最高責任者として誠&慧豪州支部設立時にも顔を合わせたという。
「離婚したことは聞いていないの?…それでも私を呼び戻す?」
何も知らなかった金誠(ジンチョン)と唐伊慧は顔を見合わせたが、秦施を呼び戻す理由は素晴らしい弁護士だからだと言った。
「君がここへ戻るということは君の勝利を意味する」
しかし秦施は所長夫婦に感謝しながらも断った。
「独りで外の世界にいた数ヶ月、本当に楽しかった…だから独立すると決めました
まずは蘭会長の案件から協力しませんか?その代わり報酬は折半で」
「乗ったわ!」
秦施と唐伊慧は抱き合い、かつての仲の良い姉妹に戻った。
秦施は帰り際、10階へ挨拶に寄ることにした。
その時、偶然、エレベーターホールで西北支所の責任者として栄転になった陶俊輝(タオジュンフイ)と出くわす。
「幸せになってね」
「俺のことより自分の心配をしろ、独身のままおばあさんになったら俺のところへ…」
秦施は相変わらず口が減らない元カレに失笑しながら、エレベーターに乗り込んだ陶俊輝を見送った。
「秦施…幸せになれよ」
「あなたもね」
笑顔で別れた秦施と陶俊輝、すると秦施の携帯が鳴った。
「秦施!…産まれそう!」
陶俊輝が車のトランクに荷物を乗せていると、呉菲(ウーフェイ)が現れた。
「陶俊輝律師、ニーハオ、私は新人補佐弁護士の呉菲です、よろしくお願いします」
すると呉菲は握手を求めて手を伸ばした。
陶俊輝はしばし呆然としていたが、ふと笑顔になる。
「よろしく、頑張って」
陶俊輝と呉菲は初対面の時のように握手を交わし、最初からやり直すことになった。
一方、秦施は秦文宇(チンウェンユー)に子供が産まれると連絡、2人で産気づいた梅梅を病院まで連れて行った。
梅梅は無事に出産し、兄夫婦はまるで何事もなかったかのように幸せに包まれている。
そんな新しい家族を秦施は感慨深そうに眺めていた。
…確かに独りは自由だけれど、結局、2人でも同じ
…陽華は正しかった、私には確かに自分を見つめる空間と時間が必要だったのね
…ようやく気づいたの、でも彼は?
そんなある日のこと…。
秦施がマンションへ帰ると、ちょうど引越し業者が前の部屋にせわしなく出入りしていた。
数ヶ月まえから内装工事が始まっていたが、どうやら誰かが越して来たらしい。
すると秦施の部屋の前に亀がいた。
「どこの子なの?なぜ私の家の前に?…何だか見覚えがあるわ」
その時、前の部屋から陽華が現れた。
「…師哥、この子を探しているの?」
陽華は両手を広げて秦施を待つと、秦施は迷わず陽華の胸の中に飛び込んだ。
秦施はようやく陽華が豪州に行かなかったと知った。
すると陽華は秦施の手を自分の胸に当て、心にいるのは秦施だけだと告白する。
「そうだ、あの数字は何?」
秦施は陽華がカードに残しておいた数字が気になっていた。
陽華の書き残した数字はPCのパスコードだった。
ログインしてみると株価チャートが出て来る。
実は陽華は入籍した日に結婚記念日が証券コードの銘柄を買っていた。
「僕が分析せずに買った唯一の銘柄だ、どんな値でも毎月、買い増ししている
暴落した時も売っていない、たとえ利益が出なくてもね」
「じゃあ…いつ売るの?」
「売らない、長期保有の予定だ、永遠にね
必ず上がると信じている、そしていつか子供たちの財産になる」
おわり
( ;∀;)ァァァァァァァァ~
平日のお楽しみが終わってしまった~
シューカイだけは圧倒的に現代劇派だわ
なぜだろう?顔が小さすぎてカツラが合わないとか?
初シューカイの瓔珞は髪の毛がなかったから良かったのねw