2024/04/30(火)22:23
虚顔~偽れる顔と真実の愛~#2あらすじ
虚颜 A Familiar Stranger(日本語字幕編集版)
第2話
沈沁(シェンチン)の兄・沈沅(シェンユェン)は侍女・小倩(シャオチァン)に妹の殺害を指示したが失敗。
そこで今度は刺客たちを送り込んだ。
しかし待ち伏せしていた蕭寒声(シァオハンシォン)たちにあっさり見つかってしまう。
一方、寝所にいた沈沁は中庭から聞こえる剣戟に驚き、窓紗越しに外の様子を見ようとした。
その時、刺客の1人が寝殿の鍵を壊し、剣を振りかぶって飛び込んで来る。
沈沁は死を覚悟して目を閉じたが、間一髪のところで蕭寒声の放った弓矢が刺客を射抜いた。
「驚かせたな、今夜はもう休め、明朝、出て行きなさい…案ずるな、相国には私が説明する」
寧王(ニンワン)・子衡(ズーホン)は沈沅が妹の暗殺を企てたと知り激怒した。
実は沈沅は寧王が蕭家の失落を望んでいると誤解、代わりに手を下そうとしたという。
「初夜に新婦が亡くなれば夫である蕭寒声が罪に問われると…」
「浅はかな真似を!もし沈沁に何かあれば棺を2つ用意するのだな!」
蕭寒声は亡き皇太子が残した玉佩を眺めていた。
それにしても父はなぜ自分に沈沁を娶らせたのだろうか。
皇太子が喘息で急逝、蕭寒声は国の一大事に婚儀など考えられなかったが、父から皇太子の一件には関わらず、帰京して急ぎ婚儀を行えと命じられてしまう。
蕭家は代々、辺境の警備を任されていた。
『戦に向かう将士の心情を理解できたら戻って来い』
蕭寒声の軍師・雲諾(ユンヌオ)は相国の娘である沈沁こそ皇太子の死を探る糸口になると考えた。
「なぜ追い出すのだ?」
「ここにいては沈沁が危ない、腕には拉致されたような傷痕が残っていた
それに…直感だが悪人とは思えぬ」
「直感など当てになるか?!」
雲諾は皇帝から賜った妻を追い出せば厳罰を受けると呆れたが、どちらにせよ襲撃が苦肉の策なら沈沁は去らず、妻を演じ続けるだろう。
しかし翌朝、沈沁は将軍が用意してくれた衣に着替え、書き置きを残して出て行ってしまう。
蕭寒声はやはり沈沁が無関係だと安心したが、急に宮中の内監(ナイカン)が訪ねて来た。
撫遠(ブエン)将軍と夫人に聖旨を届けに来たという。
蕭府を出た十七(シーチー)は芊影(センエイ)山荘を訪ねた。
すると自分の顔をした沈沁が現れる。
「こうしてみると私は美人ね…でもこの可愛い泣きぼくろを奪うの忘れたわ」
激高した十七はかんざしを抜いて沈沁に突きつけ、顔を返さねば殺すと脅した。
しかし沈沁は自分を殺せば二度と顔が取り戻せなくなるという。
「あなたの姐姐なら向こうにいるわ」
十七の姉は中庭の湯船に浸かっていた。
その肩には確かに梅の花の刺青がある。
しかし姉は毒を使って解毒中のため湯から出られず、十七も近寄ることができなかった。
「姐姐を助けたければ私に手を貸して」
「でも梅の刺青だけでは姐姐とは限らない」
すると沈沁は十七が幼い頃、姉に贈った思い出の品を見せた。
「あなたは将軍夫人を演じる、私は子を産んだら顔を返す…
姐姐の命はあなたにかかっているのよ?」
雲諾は内監の相手をしながら時間を稼いでいたが、いよいよごまかせなくなった。
仕方なく蕭寒声は厳罰を覚悟で部屋を出たが、その時、思いがけず沈沁が戻ってくる。
お陰で蕭寒声は無事に皇帝の聖旨を受け、十七も沈沁として誥命(コクメイ)夫人に封じられた。
…今日から私は沈沁になるのよ、うまく演じてみせる…
十七が覚悟を決めたその夜、まだ5月というのに蛍が中庭を美しく輝かせた。
すると蕭寒声がやって来る。
「ここで何を?」
「蛍を見ると希望が湧きます、漆黒の道を歩いていても、小さな光があれば希望が持てますから」
蕭寒声は沈沁の言葉に驚いた。
あの時、自分を助けてくれた娘も同じことを言っている。
「なぜここに戻った?」
「陛下から賜った婚姻だと思い出したのです、恩を忘れてあなたを見捨てられません」
恩人もあの時、深手を負って動けなくなった蕭寒声を見捨てることはできないと言ってくれた。
なぜか沈沁に親しみを感じる蕭寒声、すると沈沁にも恩人と同じように右目の下に泣きぼくろがあると気づく。
そこへ侍女の茯苓(フーリン)が現れた。
「夫人、脇殿を片付けました」
雲諾は夫婦が別々の寝室だと知り、沈沁にかつて将軍には想い人がいたと明かした。
「あなたを嫌いなわけではない、ただ愛せないだけです」
実は蕭寒声の想い人とは十七のことだった。
蕭寒声は賊の根城で壮絶な戦いを繰り広げたが、そこで人質になった十七を救う。
賊は十七が描いた人相書きのせいで山へ追われたと恨んでいた。
しかしすでに負傷していた蕭寒声は十七を助けるとばったり倒れてしまう。
すると狼の遠吠えが聞こえて来た。
『山を降りろ…早く…』
『恩を忘れて見捨てられない、助けます』
蕭寒声は今も十七の壊れた耳飾りを大事に持っていた。
翌朝、沈沁は門前の植木に縛り付けられた赤い布を見つけた。
…この赤い布を見つけたらすぐ私に会いに来て…
そこで侍女に買い物へ行くと嘘をついて急いで山荘に駆けつけた。
「蕭寒声が持っている太子の遺品を調べて欲しいの」
「将軍夫人を演じるだけの約束よ?!」
「見返りが欲しい」
すると十七は血まみれになって死んでいる小倩を見せた。
実は小倩は婚礼の夜、沈沁を殺そうとしたという。
恐ろしくなった沈沁は手助けできないと拒否したが、十七の薬がなければ姉は生きられないと脅されてしまう。
一方、子衡は撫遠将軍を懐柔するため、自ら蕭府に祝儀を届けにやって来た。
しかし蕭寒声は金品ではなびかず、あからさまに敬遠されてしまう。
子衡は仕方なく引き上げることにしたが、回廊でばったり沈沁と出くわした。
喜んだ子衡は思わず沈沁の腕を引っ張って部屋に連れ込んだが…。
つづく
※中国版3~4話