2024/05/05(日)23:40
今宵、若様は恋におちる#24 あらすじ
春闺梦里人 Romance of a Twin Flower
第24話「不意打ちの口づけ」
寧鈺軒(ネイギョクケン)が記憶を取り戻した季曼(キマン)から聶桑楡(ニェサンユー)と入れ替わった経緯を聞いていた頃、都では聶向遠(ニェコウエン)と季銘(キメイ)が再会を果たしていた。
しかし季曼の双子の姉・聶桑楡が他界したと知って季銘は愕然、さらに季曼が聶桑楡に成り代わって寧鈺軒の妻になっていたという。
「桑楡は寧鈺軒と争った末、崖から落ちたらしい、季曼と入れ替わった経緯までは分からぬ」
18年前、万策尽きた季曼は聶向遠を頼って双子の片方を託した。
当時は門兵だった聶向遠も今や将軍、双子の再会も難しいと思っていたが、思わぬ運命の渦に巻き込まれてしまう。
「まさか1人は命を失い、1人は記憶を失うとは…なんとむごいことか
まるで前世代の者たちが呪いでもかけたようだ
今もなお寧家との因縁が断ち切れていないのか」
すると季銘は聶向遠に全て明かすことにした。
季銘の正体は茶幇(チャホウ)の三番手・雷虎(ライコ)だった。
当時、朝廷が寧忠天(ネイチュウテン)に茶幇討伐を命じ茶幇は壊滅。
その時、かろうじて難を逃れた季銘は蔡聞正(サイブンセイ)幇主の双子の赤子を救ったという。
聶向遠はてっきり季銘の娘だと思って預かっていたが、まさか蔡聞正の血族を守る片棒を担がされていたとは知る由もなかった。
「朝廷はまだ茶幇を徹底的に追っているんだぞ?」
「我らの友情と娘たちへの情に免じて季曼を見逃してくれ!季曼が安全なら私が罰を受ける!」
しかし季曼は今や二品誥命(コクメイ)夫人、君主を欺いたと知れたら族滅は免れない。
聶向遠は今のまま寧鈺軒のそばにおくべきだと助言したが、季銘は反対した。
「寧鈺軒だけはならぬ!」
実は寧鈺軒の父こそ姉妹の父を殺し、茶幇を潰した張本人だった。
そこで聶向遠は季曼が寧鈺軒と離縁を考えていると言ったことを思い出し、静観しながら自然と離縁するまで見守ろうとなだめる。
季銘は不満が残るものの娘の安全を考えるとやむを得ず、ともかく急いで海坊へ帰ることにした。
寧鈺軒は季曼の想い人が自分だったと知り、独りになると嬉しくて小躍りした。
しかし翌朝には寧夫人が侯爺に関する品をこっそり集めていたと噂が広まり、季曼は女主人としての威厳を失ってしまう。
するとその夜、屋敷から季曼の姿が消えた。
季曼はあまりの恥ずかしさで中庭の大木の影に隠れていた。
するとふいに寧鈺軒が現れ、この木の下にも自分の物を隠したのかとからかう。
「ずっと前から私を好きだったと認めたな?」
「もう帰る!」
季曼は気恥ずかしくなって立ち上がったが、寧鈺軒が止めた。
「待った!もし私がそなたの尊厳を取り戻すと言ったら?
私の夫人への想いの方が強いと分からせれば良い」
季曼は何をするのか分からなかったが、寧鈺軒が不意打ちで口づけした。
季曼はすっかり機嫌を直して母屋に戻った。
しかしちょうど苜蓿(ムーシュ)と言い争っていた桑葚(ソウシン)の言葉を聞いて再び意気消沈してしまう。
「小姐じゃない、れっきとした夫人よ!」
「小姐は婚礼を行なっていないから″夫人″じゃない!″小姐″よ!」
翌朝、寧鈺軒は季曼が朝餉に来るのを待ちきれず、母屋へ迎えに行った。
しかし寧鈺軒を見た季曼は逃げるように出かけてしまう。
( ゚ェ゚)<え?何で無視?
千怜雪(センレイセキ)は秦奕閑(シンエキカン)の助けで弟の借金を工面したものの、千炳言(センヘイゲン)は姉の突き放したよう文に不満を募らせた。
そんなある日、海坊を訪ねた千炳言の前に温婉(オンエン)の侍女・檀香(ダンコウ)が現れる。
「主からいかなる要望にも応えるよう仰せつかっています」
一方、寧鈺軒は自分を避けている季曼を心配し、劉家村へ慰問に行こうと誘った。
実は王錦堯(オウキンギョウ)の件に決着がついたという。
劉家村を気にかけていた季曼は迷わずついて行ったが、村では夫や息子たちの死を悼む村人たちが悲しみに暮れていた。
そこで寧鈺軒は村の安全を守ると約束し、しばらくは官府が配給を送ると安心させて引き上げる。
帰路の途中、季曼と寧鈺軒は河原で一休みした。
「本当のそなたはどんな風だったのだろう?
そなたはがめつくて食いしん坊、普段は怒りっぽい
夫婦の情を勘定すると言ったり、些細なことにも対価を求めてくる
だが生死がかかると迷うことなく私を救ってくれる、自分の命さえ顧みずに…
私にとってそなたが最も大切だ」
「…私もあなたが大事よ?でもいつまで聶桑楡として生きればいいの?
季曼に戻れるのはいつ?いつ季曼としてあなたと正々堂々と一緒にいられるのかしら?」
すると寧鈺軒は季曼の手を握りしめ、必ず納得できる答えを出すと約束した。
その頃、千炳言は檀香にそそのかされ、大好きな賭け事に熱中していた。
しかし運も尽きて負けが続き、そろそろ引き上げることにする。
するといつの間にか借金が1000両にも膨らんでいた。
てっきり檀香が工面していると思っていた千炳言は銭など持っていないと訴え、県衙にいる姉を呼ぶよう頼む。
実は賭場の店主と檀香はぐるだった。
千怜雪は弟からの文を受け取った。
東山賭場で捕まり、銭を返さねば手を切り落とされるという。
「東山賭場?…海坊にいるの?!」
驚いた千怜雪が賭場に駆けつけると、弟はすでに痛めつけられ傷だらけだった。
そこで銭を集めるまで猶予が欲しいと頼んだが、3日しかもらえない。
つづく
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