テーマ:最近観た映画。(39363)
カテゴリ:映画 #cinema
[DVD] イノセンス 数年ぶりに見させていただきましたが、こちらの感想はあまり変わりませんでした。 バトウさんが寂しいだけの映画ですね(笑)。 そして、私はまだバトウさんの寂しさを十分に理解できるほど年をとっていないのだ、という ことがわかりました。 バトウさんの孤独に共感しきれないまだ若い者としましては、お話の本筋は前作の「攻殻機動隊」のほうが面白いと感じます。 本作のほうが音楽、映像も素晴らしいし、凝ってはいるけれども。 ☆空虚感 一因としては、ロクスソルスという会社に、殆ど生きている人が見当たらない、ことがあげられるのではないでしょうか。 (竹中直人演じる)キムという男も、工場内ででてくるガードマン?の皆さまも、外部から雇われているに過ぎない。 唯一、工場の出荷検品主任と言う人(名前も忘れた)が本社の正規雇用者だったのでしょうけど、死んでから発見されますし。 誰が何のためにやっているのかわからないまま話が終わるので、空虚感が残ります。 それが狙いなのかもしれませんが。 やはり、人間の脳というものは、生きて動いているものを認知しやすいらしく。ずっと人形に入って死んだふりをしているキムという男よりも、ちょっとだけしか出てこない、”鑑識のおやっさん”とか、地元警察のハラウェイさんとかのほうが印象に残ります。 竹中直人は結構はまり役だったと思うのですが、そんなこんなであまり印象に残らなかったのは残念といわざるをえません。 ☆仏教 要所で仏典からの引用がでてくるのですが、今のところではどうもあまり仏教とはあまり関係ない内容のように思えます。 ただ、人形祭りのシーンで、群衆の中で中年の眼鏡をかけた僧侶が一人意味ありげに描写されています。この人のことがちょっと気になります。 ☆黄泉路 ユーチューブの動画を貼りましたが、この曲を聞く限りでは、どうもこの映画を撮った人は 「他のだれかと融合して精神だけの存在となり、ネットの世界に浮遊する」ことは イコール 「黄泉路をたどる」ことと同義である、 と示唆しているように思われます。 私個人としては、ネットの中も娑婆も、同じ人間がやっていることですから、大して変わらないと思っています。だから別に積極的に「精神だけの存在になってネットの世界に浮遊する」ことに魅力を感じないのですが。 身体を失った精神だけの存在は、そのうちよりどころを失って消えていくものかもしれませんね。CDからリッピングされた音楽が、容易にパソコンや音楽デバイスから削除されていきがちなように。 ☆ワーカホリック まあでもああやっていちいちバトウさんを見守って、適宜助け船をだす素子ちゃんは、ちょっとワーカホリックだなあとも思いました。せっかく激務から解放されたんだから、仕事のことは忘れればいいのに(笑)。 断片的になりましたが、今回はこのくらいで終わりにしときます。 追記; CDこうてもた(笑)。 イノセンス サントラ あんまり歌詞の内容が縁起がよくないので(笑)、購入をためらってて、聞きたくなったらユーチューブで聞いて我慢してたんです。でもなんとなくこの世界にひたりたくなったのか、買うてしまいました。 自分が書いたこの記事も、久しぶりに読み返しましたが、なかなかちゃんと分析しとるやん、と思いました(笑)。 この作品の特徴は、緻密なパーツを集積して、巨大な「空虚」を構築しているところにありそうです。CDの音楽を聞いても、そのように思います。 なぜそのような作業を、なんのためにやっているのか、わからないですけど。たぶん、確実になんらかの意図があってやっているようです。 「攻殻機動隊」シリーズの一貫したテーマである 「進化したコンピューターと人間の精神との違いはどこなのか」 「肉体を捨ててインターネットのなかで、精神のみの存在として生きること」 については、ほぼ新しい回答らしきものはしめされていないように思われ、それが私にとっては不満なんだと思います。 代わりにバトウさんの孤独だけがどさっとおいていかれる。 いつも愛情を与える相手を探している優しいバトウさん。私はバトウさんのファンだからこの作品わりと好きですが、そうではない人には辛い作品かもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2015.12.04 08:45:54
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