ある蕎麦屋の庭物語

雨が降ったり止んだり。日照時間は今日もゼロ。最高気温は３０℃届かず２９℃。
なかなかすっきりしない天気が恨めしい。
週間予報ではやっと太陽の数が三つになった。雨と引き換えに気温も３３℃が並び始め。
やっと梅雨明けかなぁ。してほしいなぁ。
こんなに雨が多いと自分が根腐れしそうだ。

母の物の整理が進まない。
衣類は自分が着られそうなものはとっておく。その他はどうしよう。
生前好んで着ていたものや、恐らく祖母が母のために編んだセーター。
母自身はあまり着ていなかったように思うが、大事にタンスにしまわれていたもの。着物。
ちゃんとそれぞれ由来のようなものを聞いておけばよかった。
これでも結構処分した。
本人が亡くなった途端存在意義が無くなるものは早い段階で捨てた。
まだ気配が宿っている気がして、とっておきたかったけどつらすぎてとっておけなかった。
酷な矛盾。
着ていた姿が想像できてしまう服はさわると母の一端に触れた気がして胸が苦しくなる。
だめだ。こういうことは、雨の日にはやってはいけない。
気分が晴れているときに今度またやろう。


あなたは赤がよく似合う、と昔母に言ってもらったことがある。
意識してみたこともあったけど、なかなか赤い服を着こなすのは難しい。