ある蕎麦屋の庭物語

晴れ、夕方から曇り。最高気温は１０℃。
思いの外、水やりをしていなかったようで、苗がぐったりしていて慌てて水やりをする。
一番ダメージが大きそうなネメシアが心配だ。
もう春なんだから水やりの頻度をあげないといけないのに、自分は一体何をやっているのだろう。
庭を見て回ったら、もうシモツケの新芽が出始めていて焦る。
庭は何もかもが中途半端だ。
注文した種が届いたら、今度は種まきに忙しくなる。
雑草は自分が二の足を踏んでいる間にもぐんぐん成長して、～ノエンドウはつるを伸ばし始めている。
ホトケノザも直に種を飛ばすだろう。タネツケバナも同じく。
自分の都合に合わせて待ってくれるものなど何もない。
こちらが合わせていかなければ、いつまでたっても相見えることはない。
いつまで冬眠するつもりなのか。啓蟄はもう三日も過ぎているというのに。
嬉しいこともあった。
昨年の猛暑で枯れたと思っていた、クリスマスローズ・ニゲル。
今年からはもう花を見ることはないのか・・と、未練がましく植えてあった場所を見ていたら、雑草には見えない何かの葉が展開していた。
ん・・これは？
呼吸を整えてもう一度よく見てみる。
あぁ。ニゲルは生きていた。
上部が枯れて根が地表に現れてしまっているが、小さいながら葉が出ている。
よかった。本当に良かった。
枯れていくのを成す術もなくぼーっと見ているしかできなかったのに、生きていてくれた。
生命力に感謝する。
これはどうやって養生すればいいのだろう。
掘り上げて、元気になってから改めて違う場所に植えなおすか。
そっとしておいた方がいいのか。
株周りをほぐして新しい土を施すのがいいのか。
考えてみよう。