ある蕎麦屋の庭物語

風がとても強い。そして気温も高い。今現在１８℃もある。
午前中は天気も良かったし、風も穏やかだった。
段々雲が増えてきて、風も台風並みに強くなってきた。
カメラも持たずに庭を見て回る。
雑草が気になる。早く刈り取らねば。
日暮れが近くなると、続々とトラクターが戻ってくる。
田植えはもう終わったのだろうか。
一日の終わり。
他の家の畑にはもう夏野菜の苗が植えてある。
うちも早く植えないと。まずは苗を買いに行くところから。
今夏は何を育てようか。
つい最近、看護学校の先生として生徒たちに教えている夢を見たと思ったら。
昨晩の夢は、新人看護師として病院で働き始めるという夢だった。
何度も自己紹介をしながら広い病院を案内してもらう。
挨拶した相手の顔と名前が一気にたくさん頭の中に入ってきて、まだ何もしていないのにもうパンクしかけている。
夢なのに知らない人ばかり。
まずは掃除などから。
合間に授業もある。
突然、先輩の看護師さんたちが慌て始めたと思っていたら、救命病棟の先生が倒れたと知らされる。
先生本人が運ばれてきて、皆血圧を測ったり様々な処置を手際よく施していくが、若干動揺しているようにも見える。
指導係の人にあなたもやってみなさい、と自分も心臓マッサージをすることに。
新人の自分が？と不安に思いつつ、見よう見まねでやってみる。
自分も何かできる事はないかとやきもきしているところだった。
先生が倒れるのはこれで三回目らしい。
除細動！と指示が飛ぶ。
時間がだいぶかかったように思うが、何とか蘇生できたらしい。
各々持ち場に戻って元していた作業を続けた。
終業時刻になり、先生たちに挨拶に行くと、さっき蘇生したばかりの先生がもう歩いていた。
お元気そう。よかった。
重い教科書を何冊もカバンに詰めて、とぼとぼと帰り道を行く。
自宅まで二キロもある。
中学校の時の通学路と同じ道だった。
やっと家に辿り着き、見上げるとちょうど玄関の鍵を開けて仕事帰りの母がドアを開けて入るところだった。
声を掛けたが聞こえなかったらしい。
目の前でドアが閉まる。
取り残されて寂しい、という気持ちを持ったまま目が覚めた。
変な夢。