ある蕎麦屋の庭物語

セイタカアワダチソウが風に吹かれて一斉に揺れている。
道路沿いに立ち並ぶ姿は形は違うがガードレールに差し込まれている視線誘導標のようにも見える。
秋の全国安全週間はもう終わったらしいが、改めて気を引き締めて運転する。
確か去年も似たようなことを書いた気がするけれど、思い出せないので今年も書いてみる。
セイタカアワダチソウという名前は侵略的外来種だということを強く連想させる。
それが花まで咲いたということは人の手が入っていない荒れ地ということになる。
そう考えると何だか気分が滅入るので、心の中で勝手に名前をつけて呼んでいる。
ロイヤルイエローキャンドル。
不思議と群生している様子が美しく見えなくもない。
ちなみに英語圏ではゴールデンロッドと呼ばれているらしい。
なるほど。
縦に長い株姿をよく表している名前だ。
学名のソリダゴはアキノキリンソウの園芸種としてカタログなどで見かけることがある。
セイタカアワダチソウも元々は園芸種だったらしいが、繁殖力が強すぎた。
強い割に根から成長を抑制する化学物質を出し、結果的に自分の種子の発芽も阻害してしまうという興味深い特徴を持っている変な植物だ。
おっちょこちょいというか何というか。
全くもって好きな植物ではないが何だか憎めない。
警告色である黄色の花を咲かせるロイヤルイエローキャンドル、もといセイタカアワダチソウ。
今日も安全運転で行こう。