今日は我が身
コロナに罹り、しばらく自宅療養を余儀なくされていた。これまで何とか感染せずにきたのに(単に無症状だっただけなのかもしれないが)、第七波の荒波に抗うことはできなかったようだ。PCR検査を受けた病院から陽性だったと連絡を受けたとき、正直、なぜ自分がという思いでいっぱいだった。どうやって感染したのかを知るために、感染が分かった日の前の行動を二週間振り返ってみてもやっぱりよく分からなかった。友人知人と会ったりすることもなく、もちろん会食外食もなし。スーパーに買い物に行く、公共施設に行くのみ。マスクを外すことは一切なかった。店はちょうど臨時休業していた時期だったので尚更。何より、始めに症状が出たのは父ではなく自分だった。陽性判定が出た日の二日前。朝、起きると喉が乾燥しているような感じがした。前の晩、暑くてエアコンをつけたまま寝てしまったせいだと思っていた。本当に些細な症状だったので、後で風邪の症状が出るまで忘れていた程。陽性になる前の晩は喉の違和感が増した気がした。そして当日、朝起きたら前の晩の症状に加えて鼻詰まり、咳、体のだるさ、微熱等の症状が出て、慌てて発熱外来のある病院に電話をし、検査に至った。夜には体温は38度まで上がった。市販の痛み止めを飲めばいいと電話で教えてもらっていたので、その通りにしたら次の日には熱は下がった。父に伝染さないように基本的に自分の部屋で療養し、極力同じ空間にいないようにした。食欲がなくなることはなかったけれど、鼻詰まりのせいで味や匂いはほとんど分からなかった。療養一日目にSMSが送られてきて、自宅療養制度に登録。その日のうちに保健所から電話があり、問診を受けた。自分の場合、服用している薬があったので、このときに分からないことをいろいろ聞くことができてありがたかった。そうこうするうちに、父にも症状が出始めて自宅での隔離の難しさを痛感。パルスオキシメーターも四日目位には届き、どちらかというと自分のためというよりは父のためにありがたく使わせてもらった。朝晩の検温と現在出ている症状を毎日フォームに入力し、送信しなければならなかった。初日にあまりシステムの仕組みが分かっておらず、入力しなかったときには電話が掛かってきて、恐縮しつつも心強かった。時期が時期だけに遊んだ挙げ句の感染だと思われているかもしれないなと思いつつ、みな優しく対応してくれた。自分の感覚では今回罹ったコロナは風邪以上、季節性インフルエンザ未満。でも感染した人の体験談を読むと、人それぞれ全然違うことに驚く。療養期間を終えても中々味覚嗅覚は治らなかった。鼻は通るのになぜかずっと鼻声だった。最近やっとそれらも戻ってきて安堵している。マスクをしているからと過信せず、二度と感染することがないように気をつけたい。療養期間を終えて外に出たら、シュウメイギクが咲いていた。休んでいる間に季節がまた一歩進んでいて、時の移ろいを感じた。