カテゴリ:精神保健福祉
「精神病院から地域へ」がこれからの精神保健福祉分野の目指す所であり、精神保健福祉に期待される役割だそうです。これは、高齢者分野でも行われている事でその根底には医療費削減という事もあります。
しかし、精神障害者を地域で見ていくという流れは国際的には当たり前の流れで、医療費削減だけではない利用者にとってのよりよい生き方やメリットが実証されています。
アメリカ、イタリア、オーストラリア、ノルエェーでは1960年1970年代から イギリス、スウェーデン、ルクセンブルク、フィンランドでは1980年代から
「病院から地域へ」のシフトが進み、在宅サービスや、地域密着型施設、医師や医療職で構成されたアウトリーチチームへシフトをされ、精神障害者が地域で暮らしていける仕組みがつくられていっています。
その為、世界各国の精神病院の病床数は、年々減少を続けて行っています。
ところが、日本の精神病床は約33万床と非常に多く、病床数は減少ができずにほぼ横ばいで推移し、平均在院日数も国際的にみてダントツに長くなっています。 国際的な流れから大きく立ち遅れている背景には、地域の受け皿の不十分さと、精神障害者に対する根強い偏見、そして国として非人道的な隔離政策を長らく行ってきた歴史的な問題があります。
「座敷牢」という言葉がありますが、これは都市伝説などではなく日本が長らく国策として行っていた、精神障害者への私宅監禁法によるものです。
精神障害者は保護者の責任で、自宅に閉じ込めておく「精神病者監護法」という法律が、1900年に制定されました。そして、一部改正を経ながらも、なんと戦後の1950年まで続いていたのです。
ほんの一昔前まで、精神障害者は隠され、隔離される扱いだったのです。 精神障害者に対して、社会復帰が盛り込まれたのが1987年、福祉制度が利用できる様になったのが1993年になってやっとの事でした。
国際的な流れに併せて、急ピッチで改革が進められていますが、道のりは険しそうです。
発達障害に対する支援は、当然施設ケアではなく地域ケア、つまり自宅、学校、職場での支援が必要となります。
発達障害者支援については、2012年に障害者基本法の支援対象に盛り込まれ、理解や政策は整備されつつありますが、精神保健福祉分野の地域ケアが十分に整っていない現状からでは、まだまだ後手にまわるのではないかと思います。
しかし、ほんの一昔前の現状がここまで差別的であった事を考えると、精神障害者への認知や対応は間違いなく進歩し、理解されて受入れられる様に、大きく変化していています。
発達障害に関しては、児童分野での理解、就学前診断が浸透する中でもっと身近で理解されるものとして、変化していくと思います。
これらの背景や、現状を踏まえて、引き続き必要な支援を探究して考えていきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.03.31 21:06:39
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