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カテゴリ:授業と宿題
こまったともだち
G学校のW学級に,Nさんという子がいました。双子の兄弟にKさんがいますが,やさしいKさんとは,全然性格が違います。 Nさんは大変自分勝手な子で,一緒に過ごす友達もあまりいません。本当は淋しいのかもしれませんが,そんなことはほんの少しもいいません。 同じ班のKさんやJさんが,「なかよくしようよ」「いっしょにあそぼ。」と声をかけるのですが,「うるさい」と全然聞く耳を持ちません。心配されていることがわからないようです。 それどころか,「俺に友達がいないんじゃない。俺の友達になれるような人間がいない んだ。」 と,逆に大いばりです。「俺は一番凄くて,選ばれた人間なんだ。」と傲慢でますます嫌われていました。 それでも,KさんやJさんは,Nさんが忘れた物を貸してあげたり,遊びに誘ったり,給食のおかわりをあげたり,気を遣って助けていました。KさんとJさんは,Nさんがみんなにとけ込めるように,協力していました。この二人は,ケンカもしましたが,本当は仲良しなのでしょう。 無愛想なCさんも,「俺の子分になるなら友達になってやるぞ。」と,一見横柄な態度でしたが,決して見捨てたりはしませんでした。 ところが,隣の班のAさんは,Nさんが自分の班員じゃないこともあって冷ややかです。 学級のリーダーを自他共に認めるAさんにすれば,Nさんがゆるせないのも一理あります。が。 「こんなにみんなで気を遣ってやってるのに,その態度は何なんだ。お前なんか,悪いヤツに決 まってる。見てろ,やっつけてやるから。」 とかく,やりすぎがくせのAさんなので,みんなはこちらも心配しています。 「まぁ,まぁ,暴力はよくないよ。なんとか説得するから待ってて。」 CKJの3人は一生懸命にAさんをなだめるのでした。 「ふん。あいつの性格はなおるもんか。U先生に言いつけてやっつけてやる。だめなら,俺がぶ んなぐってやる。おれならあいつに負けたりしない。」 Aさんは強気です。 「U先生はそんなことしないよ。」 「だいたい,何でAさんがそこまでやるのよ。あなたU先生じゃないでしょ。」 「そうだよ。仲間なのに。仲良くしなくちゃ,だめじゃないか。」 3人も負けません。 「あんなやつ,どうして仲間なんだ。人の善意を利用しているだけじゃないか。どっかいっちま えばいんだ。お前ら,人がよすぎるぞ。いいかげんにしろ。」 AさんはKさんをにらみつけました。 そんなある日。 N君は学級の決まりを破って,自分の机を破壊しました。 自分のとはいえ,机も学級の備品です。みんなの怒りは,頂点に達しました。 ほうら見たことかとAさんは怒り,CKJの3人も,さすがにショックでした。他の級友達も,口々にNさんを非難しています。 さてNさんは,どうなってしまうんでしょう? このままAさんのパンチでのされてしまうか,U先生に退学にされてしまうんでしょうか? 真剣に悩む級友たちの横で,Nさんは一人で暴れ続けていました。 「もう一度,備品を破壊する予定だ。それができるのは,おれが優秀な証拠だ。わはは。」 「でもね,みんな仲間なんだよ。学級って席替えはできても,生徒は入れ替えたりできないよ ね。自分が気に入った友達とだけで,学級を編成することはできないんだ。だから,みんなで大げんかして自滅するか,ゆずりあって仲良くしていくことしか,自分たちには方 法がないんだよ。みんなでもう一度考えてごらん。これでよいのかを。」 いつのまにかやってきたU先生が言いました。 みんなは,どうすればよいか,それぞれの意見を出し合っています。 あなたなら,どんな対策をとりますか? 上の文章を読み,自分の考えや意見をまとめなさい。 20字×20行 400字以内20分 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月11日 23時15分10秒
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