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カテゴリ:政治あるいは自由論
非常事態宣言を出せと東京都やその他の知事が首相に依頼する。
この裏には何があるのでしょうか。 実は、特措法に則り非常事態宣言が出されると、知事に強力な権限が付与されることになるのです。 そうすれば、小池さんは毎日家に閉じ込められた人々にテレビで語りかけることができるわけです。 最高の自己演出ということになるでしょう。 政治家というのは、これくらいに、いろんな危機を利用できるようでないとダメなのでしょう。 ■なぜ非常事態宣言? ここからは小池さんの思惑とは別に、非常事態宣言が要請される理由について考えてみたいと思います。 非常事態宣言が要請される一つの理由は、もちろん医療崩壊を防ぐためでしょう。 医師会からの要請はまさにそれこそが目的です。 少しでも集中治療室に送られる患者を減らし、医療がパンクするのを回避したいということでしょう。 これはもちろんわかります。 医療関係者側であれば、こうした訴えをするのは当然です。 しかし、では、医療関係者は、経済的影響についてどう考えているのでしょう? これについては以下の記事が取材しています。 (というか、内容全体がここで述べたいこととかぶるので、ぜひよく読んでください。) https://www.google.co.jp/amp/s/m.huffingtonpost.jp/amp/entry/satoru-ishido_jp_5e830d49c5b6d38d98a45c95/ 医療関係者は経済の影響には疎いわけです。 もちろん、それを見識が狭いと言っているわけではありません。 無論、医療関係者が医療の危機を訴えるのは当然のことです。 問題は、経済の観点からすれば、副作用が大きすぎることにあります。 薬事に関したことなら、副作用が正作用のメリットを覆すような選択は、医療関係者はしないはずです。 まあとにかく、医療関係者が非常事態宣言を求める理由は、医療崩壊を避けるためであるという目的が共有できれば、ここでは良いでしょう。 ■もう一つの理由? 経済の観点からは多大な疑義がありますが、医療関係者が非常事態宣言を求めるのには合理的な理由があることは認めます。 しかしながら、どう考えても、そうした合理性を持たない、いわば破れかぶれの、あるいは、破滅指向型の欲求もあるように思えます。 (その他に、大都市圏の知事や、新しい経済団体のプレゼンスを高めたいビジネスパーソンなど、いわば自己利益型の人たちがいますが、ここの議論では触れません。) どうも不安からか、非理性的に極端な策を求める声です。 簡単に言えば、よく考えもせずに(あるいは、考えるのが怖くて)、感情をコントロールできずに、どうなるか後先考えずに、なにか強い刺激を求める行動のように思えます。 不安になって理性的でない行動をとる人は殊の外多くいます。 ■これは怖いウイルスか? 最新の情報で、新型コロナウイルスの日本での致死率は2.3%とされています。 まあ、インフルエンザの0.1%と比べれば高い。 ですが、この致死率では若者が死を自分のことと感じることはないでしょう。 しかし、それよりも、この2.3%という数字は相当にあやしいものです。 日本でのPCR検査結果はとても統計の基礎資料とできるものではないからです。 毎日、〇〇人が感染した、という報道がなされていますが、そもそも、事実を伝えていない報道です。 (報道機関には、本当にがっかりします。) その人数が感染したわけではなく、検査した結果、感染者を「発見」しただけなわけです。 そもそも、PCR検査は患者側が希望するだけでは受けられません。行政側がするかどうかの判断をしています。(この前提には、感染者はまだ追えているという建前があります。) つまり、行政側が(適当に)選んで、その中から、何人か(精度のあまり高くない)PCR検査で陽性反応が出ましたよ、ということに過ぎません。 感染が広がっている、というのは確かですが、もはやその前提がおかしくなっているのです。 行政は、見えてない感染者はいないかのような振る舞いをしていますが、そんなはずがないことくらい、誰でもわかるでしょう。 もうすでに罹っていたり、あるいは自然治癒して免疫を獲得していたりしているのに、不安になっている人だっているはずです。 もし仮に、実際の感染者が、発表の10倍いるなら、致死率は0.2%になります。 もし発表の20倍いるなら、致死率は0.1%です。 もし発表の400倍いるなら、致死率は0.005%です。 これについてはさらに検証しますが、とにかく、統計の基礎資料にならないようなもので語っていてもダメだし、それで政治判断するなんてもっての他だと言いたいわけです。 やるべきはサンプル調査です。 東京23区でランダムなサンプル調査でもしてみればいいのです。 そうすれば、実数がわかるでしょう。 ■すごい感染力 このウイルスが強力な感染力を持っている可能性はかなり高いと思います。 早くは屋形船での宴会での広がり、あるいはダイヤモンド・プリンセス号での広まり、最近では、海外の政治家や有名人たちに広まっているのを考えると(また、免疫を持っていないのだから当然ですが)、このウイルスには強力な感染力があると考えられると思います。 だから怖い? いや、逆なのです。 日本は欧米よりも早くから感染が広まり出した国です。 おそらく、無症状のウイルスキャリアを考えれば、政府の発表する程度の人数であるとは思えません。 もはや無数にいると考える方が正しくないでしょうか。 東京の満員電車を知らないのでしょうか? 感染力がもしインフルエンザより強いなら、あっという間に広がったはずだと考える方が、ずっと現実的です。 だとすれば、このウイルスの致死率はかなり低い。 たしかに、それでも基礎疾患をお持ちの方や、高齢者はお亡くなりになる場合がある。 しかし、インフルエンザを恐れる程度に恐れておけば良いのではないでしょうか。 ■どのように医療リソースを守るか 破れかぶれで破滅指向型の不安には答えたつもひですが、もちろん医療関係者による合理的な不安にはまだ答えていないことは承知しています。 医療リソース(特に集中治療室)がパンクするのを防ぐにはどうしたらよいか。 これには、このウイルスを指定感染症から外すのが一番だと思います。 いまは、感染者ということになると(こういう言い方をするのは、PCR検査では偽陰性に加え、偽陽性の可能性もあるからですが)、基本的に入院措置となります。 これが医療リソースを奪っているわけです。 大したウイルスではないと考え、重症者だけを受け入れる体制にするべきです。 (最近の政府の方針はこの方向になりつつあります。) データが揃ってきたわけです。 回復者もいっぱいいる。 わが国ではそれほど恐ろしいウイルスではないのです。 意味もわからず怖がる人を安心させることができれば、重症者に医療リソースを回すことは可能でしょう。 ■なぜ日本はまだ蔓延していないのか? 日本での死者数や感染者数については、諸外国は信じていません。 先ほども述べましたが、とても統計資料と呼べるようなデータではないからです。 では実態は隠されているのか? たしかに、オリンピックパラリンピック延期発表以後に感染者の「発見」数が急上昇したことは先日お伝えした通りです。 しかし、それでも全般によく抑えているように見えます。 それは日本の行政や医療が優秀だからですか? もちろんそれもあるでしょう。 しかし、本当のところは、無症状者、軽症者が多いということなのではないでしょうか。 だから、蔓延していないのではなく、むしろ見えない感染者が都市圏では蔓延しているのだと見る方が正しいように思います。 ではなぜ日本の重症化率は低そうなのか。 これにはいくつかエビデンスの揃っていない「説」がありました。 一つは、以前に紹介したBCG接種との相関関係です。 もう一つは、文化の違いです。欧米と違い、わが国は靴を脱ぎます。 欧米諸国は靴のまま家に上がる。 衛生観念の違いが文化としてあるように思います。 これらは仮説に過ぎませんが、兎にも角にも、海外の状況から勝手に脅えて過激な施策を望むくらいなら、しっかりこの国でサンプルデータをとって、政治判断をするべきだと言いたいのです。 ■ロックダウンしてもウイルスはなくならない ロックダウンのような過激な策が出てくると、一番強力なものを考えずに欲しがる、不安に駆られた大衆が現れることは知っています。 そして、それを利用して権限を強めようとする政治家が現れることも知っています。 どちらも政治学の教科書的な知識です。 大切なことは、このロックダウンの落とし所でしょう。 何を求めてやるのか? ロックダウンすれば、経済がひどいことになります。 あなたも失業するかもしれない。 これは諸外国の事例を見ればわかるでしょう。 そして、ロックダウンしたところで、ウイルスは死に絶えたりしないのです。 かならず第二波、第三波とやってくる。 これまでの人類とウイルスの関係のように、結局、いろんなことをやっても、結果は集団免疫しかないのかもしれない。 あるいは、もちろんワクチン開発には期待したい。 しかし、それまでどれくらいかかるでしょうか。 現在、一番早い時期を期待する報道でも、一年はかかります。 それだけロックダウンすることを想定しますか。 東京の経済が冷えれば、他の県の経済が持つなんてことはありえません。 かならず、日本国民のほとんどが大きな損失を与えられることになり、そこから残念ながら首を括る人も現れるでしょう。これは単純に統計の話です。 ■似ている話(蛇足) このウイルスを全滅させることは相当難しいでしょう。 今後人類はこれと共存していかなくてはならないだろうと思います。 福岡伸一さんは、ウイルスは進化を促進するものだと、正の側面を捉えています。 ウイルスは高度で複雑な生命体が出現してから現れたもので、かつ、もともとはその体内にあったものが出て行ったものだという。 これはどういうことか? 高度で複雑な生命体は、遺伝子を親から垂直的に受け取ります。 そうすると、進化のチャンスが減ってしまう。 この時、ウイルスはわれわれの遺伝子を水平につないでくれるものだと言うのです。 つまり、ウイルスはわれわれが進化していく上で大切なものだというわけです。 ちょっと横道にそれましたが、つまり、われわれはウイルスと共存していかなければならないし、そういうものなんだと言いたいのです。 そんなウイルスを絶滅させたい人たちがいる。 ちょっと考えれば無理でも、とにかくウイルスに勝ちたい人たちがいる。 これって、10〜20年前くらいの北朝鮮に対して強硬な態度をとる人たちに似ています。 北朝鮮を潰すなんてちょっと考えれば無理だとわかります。 でも、彼らはちょっとも考えない。 その時の感情に振り回されて、一番過激な策を主張する。 嫌な隣人とうまく共存していくというのが、多かれ少なかれ政治なわけですが、そういう理性を使ってじっくり考えるという発想が持てない人たちなわけです。 このウイルス狂想曲も、結局は、そういう人たちが騒いでいるんだろうな、と思う今日この頃です。 蛇足。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.04.06 00:35:05
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