終了、引っ越し、
このブログを始めて10年経ってしまった。ブログの存在など知らなかった10年前、ぴかママさんに教えていただいて、本の宣伝もかねて始めた。最初は結構、何もかも書いていたけれど、今は書きたい、他人に何かを知らせたい、という意欲も薄れ、ほとんど書くこともなくなった。そう言えば、写真を撮る、という行為ももうずっとしていない。写真というのは、撮った本人や撮られた人には意味があるし、思い出の手がかりになるけれど、それ以外の人にはあまり意味がないように思う。私が死んだ後には、ただのデータゴミでしかない。だから、もう残したくない。死んだ後に残されるもの、つまりは遺品は、遺された者には重荷となる場合もある。父方の祖母の死後、まだ一度も使っていない晒しの「腰巻」が見つかった。祖母は下着は最期まで和式だった。昔なら、この真っ白な晒しでオムツが作れたけれど、その必要もなくなった当時、これは無駄に捨てられた。それ以外にも、山ほどの「遺品」がむざむざと捨てられることになり、その処理だけでも大変だった。両親の死後も、同じ作業があった。けれども、母が遺してくれた洋服や食器で、今だに私が着ている物、使っている食器も多い。質の良い洋服は、時代や年月がたっても、魅力を失わない。それどころか、私の娘も、母が遺したセーターをいまでも着ている。ヴィレロイ&ボッホ社の皿やカップは、さらに同じ製品を買い足して使っている。このように、遺品にも意味がある場合もあるけれど、今の住まいに溜まった物はできるだけ整理して、去りたいものだ。20年前ぐらいまでは、写真もプリントしていたから、これらだけでも大きな引き出しにいっぱいだ。これらの写真はこの20年間、見られることもなく、引き出しに眠っているだけ。無駄な存在だったわけだ。スライドもいくつものケースに収まっている。マダガスカル、インド、アルゼンチン、ベトナム、などなど、旅行先の写真には思い出がいっぱいなはずだけれど、何年も経った今、眺めることもない。無駄だなあ。というわけで、身辺整理を思い立ち、その手始めとして、このブログも終了いたします。とは言え、別のところに引っ越して、ぼちぼち別のスタイルで、小さく書くことも考えています。長いこと、拙文を読んでくださった方、深くお礼を申し上げます。また、どこかでお会いしましょう。お元気で