テント音楽祭
フライブルクでは毎年7月にZeltmusikfestival(直訳すればテント音楽祭)という名前の野外音楽祭が開かれます。市の周縁部にある草原にサーカス用のテントが並び、テントの中や外でロック、ポップ、ジャズ、クラシックなど様々なジャンルのコンサートが毎日開かれるのです。午後には子ども用の催しもあります。また、会場にはいろいろな飲食店の屋台も出され、大小のテント内や野外に多数のテーブルや椅子、ベンチが並べられます。今年は7月2日から21日までの開催されています。昨日はお天気が良かったので、晩に出かけてみました。晩といっても、夏時間(冬半期よりも時刻を一時間早める、例えば冬なら8時なのにまだ7時)や高緯度(北緯45度)のおかげで、9時ごろまでは明るいのです。8時近くに着いたときには、まだ太陽がギラギラと照っていました。この晩はロックコンサートとカバレット(風刺漫才のようなもの)が開かれたのですが、切符はもってないし、高いしで、これはあきらめ、屋台のフラムクーヘン(ごく薄のピッツァ生地にサワークリームとベーコンをのせて木をくべたかまどで焼いたもの)やインド風てんぷらを食べながら、野外ステージで開かれていた大道芸を楽しみました。ムンデンホーフ(子どもたちが参加できる公営の農場や動物公園も含む草原・森地帯)にある会場は広々としていて、周囲も草原や森ばかり。西側と南側につらなる黒い森の山並みも見渡せます。9時過ぎて夕日が沈むと、ピンクや紫がかった雲が広がり、こういう景色を見るだけでも、気持ちがほっとします。テントからもれ聞こえてくる音楽を草地にすわって楽しむ人もたくさんいます。環境でいえば、訪問客になるべく車を使わなせない工夫がされています。いくつかの市電・バスの停留所にある無料駐車場(パーク・エンド・ライド)からシャトルバスが出ていて、コンサートのチケットを持っている人は無料、そうでない人も往復1ユーロ(160円ぐらい)で乗れるのです。会場わきには広い駐輪場も設けられていました。一方、車で来る人は、会場からかなり離れた駐車場に止め、5ユーロというドイツ人にとっては高い駐車料金を払って、会場まで五分ほど歩かなければなりません。ゴミについてですが、飲料用のカップはほとんどがリユースコップ(ポリカーボネート製のコップで、何回も洗って使う)、リユースビン、瀬戸物のカップで売られています。コップやビン入り飲み物は1ユーロのデポジットを払って買い、飲み終わって空き瓶・コップを返すと1ユーロが戻る仕組み。コーヒー用の瀬戸物カップはなんと2ユーロのデポジットでした。これほど高ければ、みなさんちゃんとコップを返却するわけです。日本のイベントでもリユース容器が広まっていくといいですね。環境はともかく、週末でもないのに、10時すぎてあたりがだんだんに暗くなっても人々がどんどんつめかけて、野外で飲んだりおしゃべりしたり、コンサートを聴いたりと楽しんでいました。こういう気軽なイベントはお金のあるなしにかかわらず、それぞれの状況に応じて楽しめるので、すばらしい。