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カテゴリ:エコライフ
![]() ドイツやフライブルクのゴミの量についてよく問い合わせを受けるので、最新のニュースをお知らせします。 今日の新聞に 「全国一のゴミ節約家」という見出しで、フライブルクが属するバーデン・ヴュルテンベルク州が、ドイツの中でももっとも雑ゴミ(焼却など処分されるゴミのこと)が少ない地域の一つだと発表されていました。 記事、そして州の環境省のウエブサイトによると、2007年の一般廃棄物(家庭及び事業所)の内、雑ゴミと大型ゴミを合わせた量は、一人当たり年間143キログラムなのだそうです。これは昨年よりも4%弱、1990年に比べると60%弱。 どうしてこのように減ったかというと、一つには多くの自治体が雑ゴミが減るようなゴミ料金制度、つまり雑ゴミの量や回収頻度(たとえば、フライブルクの場合、毎週一回か二週間に一回かを選ぶ)を減らすと、ゴミ料金が安くなる制度を設けているからです。そうなると市民はせっせと資源別にゴミを分けて、紙・ボール紙、包装容器、生ゴミ(コンポストされる)などリサイクルされるゴミを専用の容器に捨て、リサイクルされない雑ゴミの量を減らすようになります。 実際、当州のリサイクルされたゴミの量は一人当たり年間165キログラムと雑ゴミの量よりも多く、分別回収・コンポスト化されるゴミの量も41キログラムです。 今度はバーデン・ヴュルテンベルク州内の各自治体の内訳を見てみました。するとどうでしょう。当州の首都シュトゥットガルト市では雑ゴミの量が188,8、大型ゴミが41,2キログラムなのに対し、フライブルクではそれぞれ99,8、27,1キログラムと半分に近いのです。一方で、フライブルク市でリサイクル用に出されたゴミの量は92,4キロ、コンポスト用生ゴミは64,9キロでした。つまり、資源化されたゴミ全体の方が処分されたゴミの量よりも多かったのです。 他のさまざまな自治体のゴミの内訳を見ると、自治体ごとに差が大きいのに驚きます。せっせと分別して資源化されるゴミの量を雑ゴミの倍ぐらいまで達成している町、あるいはその逆で資源化されるゴミの量がグーんと少ない町など。 このような差は、町ごとの回収のしかたの違いや料金制度のちがいからもくると推測されます。フライブルクでは各戸から紙類や包装容器、生ゴミといった資源ゴミを直接に回収してくれるので(リサイクル用ビンだけは町のあちこちにある色別収集コンテナに捨てに行く)、わざわざ資源ゴミ用のコンテナまでもって行く必要がありません。これだけでも、資源ゴミを分別して捨てるインセンティブが働くのです。 考えて見れば、雑ゴミとして出すべきゴミはそれほどないはずです。生理用品・紙おむつ、タバコの吸殻ぐらいのものしか思い浮かびません。ちり紙は生ゴミとしてコンポスト用に出せます(セルロースは生分解できる)し。ですから、プラスチック・缶・スパゲッティの袋などは包装容器用のゴミ袋に、新聞・ダンボール・ダイレクトメール・手紙の類は紙用の容器に、生ゴミは生ゴミ用容器かベランダの植物に直接(!)捨てれば、ほとんどゴミはないも同然なのです。 ま、こんなドイツのゴミ事情をお話しても、日本のほとんどの方にはお役に立ちませんが、まあ、よく聞かれるので、先回りをして紹介しました。ゴミ減らしで大切なのは、市民が資源別分別をしやすい回収システム、そしてゴミを減らすと経済的にトクをするゴミ料金システムというのが結論です。 そうそう、ゴミ料金(一年に一度徴収される)ですが、四人世帯で100ユーロ(15000円くらい)以下から300ユーロ近くまで、自治体ごとにピンからキリまで。フライブルクは100大都市の中で7番目に高いそうで、謎だと言われています。市の人も納得のいく説明ができていません。せっかくゴミ減らしているのに、ゴミ料金が高くてはやる気がなくなります。それとも、ゴミ料金が高いから、市民がせっせと雑ゴミを減らしているのかも。 下の写真は私が住む四階建ての家で、四世帯(全部合わせると八人)が共同で使っているゴミ容器と包装容器用袋(これは各世帯がそれぞれ独自に使用、市役所から無料配布)です。手前の雑ゴミ用コンテナは「上げ底」がしてあって、捨てられるゴミの量をわざと少なくしてあります(ゴミ料金が安くなる!)。 ![]() ![]() ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/08/12 10:54:51 PM
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