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フライブルク日記

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2008/12/17
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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:フライブルク
フライブルク、ヴィーレ地区の町並み1
フライブルク、ヴィーレ地区の町並み1 posted by (C)solar08

自分が住んでいる場所を「名所」に挙げるのも、おこがましいのですが、これはあくまで私家版「フライブルク名所案内」ですから、お許しくださいね。

私、このヴィーレ(Wiehre)という地区が大好きなんです。
ヴィーレは、フライブルクの旧市街地(市の中心街、歩行者ゾーン)の南隣、市の東西を流れるドライザーム川向こうにあります。
町のメインストリート(Kaiser-Joseph St.)を南下して橋をわたると、メインストリートの名前が「Guenterstalstrasse」に変わります。ここがヴィーレ地区の中心。住宅地ですが、この通り沿いには商店がならんでいます。
この通りの東側の地区が「上部ヴィーレ」、西側が「中・下部ヴィーレ」です。

市の中心部は戦争でかなり破壊されましたが、川向こうのこの地区は爆撃に合わず、戦前からの建物がほとんど残りました。
この地区の家のほとんどは、1900年前後に建てられました。当時はこの辺りが建築ブームで、商人などブルジョワが、四、五建てぐらいで、ユーゲント・シュティール(アール・ヌーボー)様式があちこちに見られる豪華な「邸宅」を建てさせたそうです。
こうした築後100年以上もたつ美しい家が、いまでもまるで野外ミュージアムのように並んでいるので、散歩をしながら家々を眺めるだけでも楽しくて、いまでも飽きません。この地区の町並みは写真集にもなったほどです。

100年前の頃は、こういう大きな家の一と二階に一家族が住み、三階や四階に使用人が住んだということですが、今ではそんなぜいたくなことをする人は少なくて、たいていは各階に「フラット」(アパルトマン、住まいの一単位)が一つ、大きな建物ですと各階にニ、三つあって、それぞれに一世帯が住んでいます。
フライブルク、ヴィーレ地区の町並み2
フライブルク、ヴィーレ地区の町並み2 posted by (C)solar08

私のフラットは、築後105年たった家(↑の写真の右)の三階ワンフロア。
この家も、ヴィーレのたいていの家と同じく、文化財保護の指定下にあります。
ですから、建て替えや解体はおろか、外観(屋根、外壁、窓の形など)を変えることも許されません。本当は外断熱にしたいのだけれど、それもむずかしそう。文化財課の人に「お願い」と頼んで、やっと小さなベランダをつくらせてもらっただけです。
一階の住人の意志とお金で、屋根の上には太陽光発電装置も(文化財保護課の意見を聞かずに)とりつけられています。
一方、屋内の改装は自由なので、内側はセントラルヒーティング(地下室のガスボイラーでつくられた湯がパネルヒーターを熱くして部屋を暖房し、シャワーなどの温水になる)などふつうの現代的な設備が整っています。

私の夢は、窓の下にせりだし、家をぐるりと囲むひさし(写真の中央上にちらりと見えています)(屋根職人が歩けるほどがんじょうです)の上に太陽熱温水装置を「ひそかに」取り付けること。夏はお湯がわかせるほどひさしのトタンが熱くなるので、このエネルギーがもったいないのです。

ところで、ヴィーレ地区の特徴はなんといっても便利なこと。
私が住む「中部ヴィーレ」はとくに便利で、中央駅からも町の中心街からも歩いて10から15分で、自転車(乗れない)も自動車(乗れない)もいらないので、とても助かっています。
それに、家から徒歩一分のところには老舗のエコショップがあるし、大通りにはスーパーが数軒、市の住民課も郵便局も歩いて三分、レストランやカフェもところどころ散らばっていて、便利すぎて申し訳ないほど。
その一方で、ヴィーレは緑がいっぱいです。それぞれのお宅の庭に菩提樹やモミなどの大木が多いほか、カエデやニセアカシアなどの街路樹の並木も豊かで、野鳥にすみかを提供しています。
私のベランダからは、周囲に40種の野鳥が訪れることを確認できました。日本では山中でしか出会えないミソサザイの声も、近くの小川から聞こえてきます。アカゲラ(の仲間)が目の前の木をつつき、隣の木にはアオサギ(の仲間)が日向ぼっこをします。
遠くのモミの木のてっぺんにはチョウゲンボウの姿が見え、夜にはフクロウの声も聞こえてきます。居ながらにして野鳥観察が楽しめるというわけ。

もう一つ、ヴィーレの特徴は、ここの住民の政治意識です。
なんと「緑の党」の支持率がこの地区ではときには40%近くに昇るのです。
緑の党の市長をもつフライブルクですが、それでもこの数字は例外的ですし、ドイツ全体を見渡せば、まったくのまれな存在です。
その理由は、この地区に住む人の多くが、弁護士(やたら多いです)、医者や歯医者、心理セラピスト、大学教授、教師、芸術家などといったいわゆるアカデミックな人々で占められているからのようです。ドイツ全体でも、こういう層が「緑の党」の中心的な支持者なのです。
こういう方たちは、車はもっていてもふだんは自転車や徒歩で買い物に行き、生活も質素。パーティーなどでもぜんぜんおしゃれをせず、着古したセーターシやジーンズで平気でやってきます。「金はもっていても、それをことさら目立たせない」というセンスでしょうか。

実はもう一つ、フライブルクの中心街の北側に「ヘルデルンHerdern」というやはり100年以上前に建てられた邸宅が並ぶ地区があります。
こちらに並ぶ家々はもっと豪華です。
したがって、住人の層もアカデミックというよりも、いわゆる「お金持ち」、企業関係の方が中心といわれています。そこから、政治家の支持傾向も微妙にちがうのがおもしろいです。


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Last updated  2008/12/18 12:03:55 AM
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