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フライブルク日記

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2009/12/10
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母方の祖父は、昔、製麺機を製造する工場をやっていたそうです。
その関係か、実家には手回しの製麺機がありました。

いえいえ、今あるような小型のパスタメーカーではなくて、もっとデカくてごつくて、ちょっと「本格的」に見える機械。

でも、これでお蕎麦屋がお蕎麦を作ったとは思えず、当時としては家庭用の蕎麦マシーンだったのかもしれません。
子供の頃でしたから、そんなに深く追求しないまま、このマシーンはその後、いつの日か処分されてしまいました。

ある冬の日、食べ物に好奇心の強く、蕎麦が人一倍好きな父が、
「このマシーンで蕎麦を作ろう」と言い出しました。

もちろん、母はいやーな顔をしました。
製麺機を戸棚の奥から出すのも面倒、これがきっかけで、整頓の悪さを父に見つかって雷を落とされる危険をおかしたくない、というのが動機でしょう。

そもそも、母は、あまり新しい料理に挑戦する意欲に欠け、時々作っていたブイヤベースとかパイといった、当時としては洒落た物も、父にせがまれて、しかたなしに作っていたのかもしれません。

でも、言い出したら聞かない父、すったもんだしながら、このごつい機械を出させ、いよいよ子供たちが見つめる中で、製麺となりました。

そば粉と小麦粉の割合も、作業の手順も覚えていませんが、パスタマシーンと同じように、何回か薄く生地を伸ばし出す作業をしてから、カッターをとりつけて、最終的には細いお蕎麦がニョロニョロと出てきました。

「今夜は地獄蕎麦だ!」ということになって、家族四人が火鉢(我が家の唯一の暖房、父は「環境に悪い」と言って、ガスや石油ストーブは禁止してました)を囲みました。
炭火の上の大鍋に、たっぷりの湯をわかします。

わいたところで、打ちたての生蕎麦を投げ込み、家族みんながじっと見つめます。

茹だったところで、各人が箸で蕎麦をすくい、つけ汁(盛りそば用の濃い味の)にそのまま入れて、盛りそばのように食べるのです。

大根おろしとか刻みネギぐらいは入れましたが、それ以外は何もなかったような記憶がします。

でも、でも、これはほーんとにおいしかったです。
蕎麦自体の味がしっかりしていると、子供心にも思いましたから(まだ小学生の頃)。
ああいう、お蕎麦はなかなか食べられないですねえ。

そして最後に、そば粉でトロトロになった鍋の湯を飲みました。
これもまた、とってもおいしいスープでした。
乾麺を茹でたのとは、格段に違う味。

そんな記憶を蘇らせたくて、一度、今手元にある、スパゲッティ用のパスタメーカーで蕎麦と小麦粉まぜて作ろうとしたんです。

でも、蕎麦はエコショップで蕎麦の実を挽いたので、荒挽きすぎて、ボロボロになり、できませんでした。
日本で売っているような、ごく微細に挽いたそば粉でないと、無理かも。つなぎの山芋もないし。それで、「地獄蕎麦」は思い出に頼るほかありません。

そば粉が手に入るみなさーん。
寒い日にはぜひぜひ、「地獄蕎麦」を作ってみてね。

それともう一つ、思い出の中で食べるほかないのは、我が家流の「牡蠣のベーコン鍋」。知ってますか?

「鍋」といっても、牡蠣の土手鍋のように、汁や味噌の入ったものではなくて、
すき焼き鍋のような平たい鍋でベーコンをまず炒め、そこに玉ねぎと下茹でしたほうれん草をたっぷり入れます。そして、最後に牡蠣を入れただけの「鍋」。いため鍋ですね。

各自はこれを皿に取って、レモンと塩だけをかけて食べました。

ほうれん草と牡蠣とベーコンの香りの組み合わせが、独特な味になって、これも大好きな冬の鍋料理でした。

ドイツには殻付きの生牡蠣用の牡蠣は売っています。でも高いし、海から離れたこの地で食べたいとは思わないので、ごくたまーにしか食べません。
むき身の調理用牡蠣に出会ったことは、まだ一度もありません。
ドイツ人たちに、「カキフライ」とか「牡蠣鍋」の話をしても、まったく通じないの。
想像もつかないみたいです。
牡蠣は生牡蠣だけ、と思っているようで、まあ牡蠣経験に乏しすぎるんですね。

そもそも牡蠣の体の大部分は「内蔵」だから、この点でもビビるみたいです。「ウンP食べるようなもんだ」とか言って。

牡蠣のおいしさを分かち合える人がいなくて、孤独に牡蠣鍋を思い出しているところです。

牡蠣の手に入るみなさん、私の代わりにやって、食べてみて!
レモンかライムは絶対に忘れないでね!





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Last updated  2009/12/11 01:40:03 AM
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