[本]マイクロソフトでは出会えなかった天職 僕はこうして社会起業家になった
マイクロソフトでは出会えなかった天職この本を読んで凹んだ。著者であり、"Road to Read"のCEOのジョン・ウッドとは私は同い年である。同じように本が好きで、旅行が好きで、本の重要性を感じている。図書館というものは、著書のとおりアンドリューカネーギーが全米に2000もの公立図書館を作ったことからはじまる。それがアメリカを底から支えているにちがいないと思う。日本も世界では図書館は充実している方だし、どんな田舎にいってもそれなりに本がある。しかし世界ではそれは稀な方で、文盲も多い。妻と結婚する直前の話であるが、自力で国際結婚にこぎつけた。インターネットがはやる前の時だったので、パソコン通信などの情報はかろうじてあったが、外務省や法務省の入国管理局へ足を運んだ。フィリピンでも、地元の市役所へ行ったりした。そしてフィリピンの法律を調べてみようと思って、ボホール州の図書館へ妻と行った。そこで、フィリピンの家族法という法律書が英語で書かれていて読んだ。国際結婚に関する部分は小さな文字で1,2ページぐらいだった。直接関係はないのだが、船の上で結婚することも認められていると書いてあった。そのときは船長がすべてを取り仕切り、後で役所に届け出ると書いてある。通常は、カトリック・プロテスタント・イスラム教のそれぞれの神父らの責任に基づいて行うか、裁判長が結婚を許可する。話がそれたが、そのボホール州の図書館というのが貧弱だった。たぶん日本の小学校の図書館よりも狭く、古い本とジャンルが偏っているものしかない。新聞が少し置いてある程度。新聞か雑誌を読んでいる人が、1人か2人しかいない。ボホール州の本屋も情けない。フィリピンは本屋はナショナルブックストアというチェーン店があり、ショッピングモールにたいていある。アメリカからの輸入している、ペーパーバックスが1列分と雑誌が少しある。他に英語の本がばらばとあり、タガログ語のハーレクインロマンス本があるぐらい。量と種類は駅前の小さな本屋と同じ程度。これが人口100万人を超える州の中心都市に1件か2件ある程度。フィリピンはネパールやカンボジアよりも進んだ国だし文盲はほとんどいない。けれど、発展の途中でも乗り越えなければいけない壁がたくさんあると感じた。私もジョン・ウッドのように、いえ私だけでなくバックパッカーの多くが、発展途上国を旅して「ぜひ助けてください」とかいろいろ希望の声をかけられたと思う。優秀な若者が英語で話しかけてきて「もっと日本や世界のことを教えてくれ」と言われてきたと思う。最初は気安く答えていたが、そのうち簡単には引き受けることができないとわかり、そんな自分が嫌になったこともあると思う。とりあえず、なけなしの財産をはたいて最初の一回は助けることができても、そのあとにもっと期待されて果たせなかったと思う。私はフィリピンの女性と結婚して、援助するべき立場からいつの間にか取り込まれてしまった。私が稼いだ分だけ、妻の家族は期待する。お金を渡さないよと言っていても、「ほら病気になった」「ほら子どもが学校にいく試験費用がない」「ほら仕事のための投資としてお金を貸してほしい」とか期待されて、何万円づつが消えていく。それが返ってきたためしがない。まずは家族からというのも際限がなく、まったく客観的に支援するという余裕すらない。たとえ、ボホールの図書館を作りたいなと思っても、その前に第一に妻の家族、第二に妻の親戚、第三に妻の家族の地域、、、、、と助ける順位は決まっているだろう。図書館を作るのは、優先順位では何番目だろうか。図書館をつくりたいというのは、ジョンウッドがネパールへ行く前から公言していました。彼がそれを実際に口ではなく行動で示していることは大きな敬意を持っています。いえ、それどころでない私自身が情けなくなります。彼が本でやっていることはカーネギーが言った通りで、それで一番いいと思います。・お金だけの援助はダメなこと・半分は援助するけれど、半分は自分たちでやってね・経費は全体の資金の10%に抑えること。(国連職員は所得税なしで1000万円以上の高給取りのようです。発展途上国でのNGO,NPOの現地職員にとって、外資系の職場であり高給取りでもあります。)そして実業家である彼だからことできることが他のNGO,NPOと違うかもしれません。・経営力があること・ハードワークにいとわないこと・お金を稼ぐ(寄付金をあつめる)ことを厭わないこと彼は本当に偉いなと思います。そして長続きしているのは彼自身楽しんでいることではないかと思います。「ありがとう」と満身の笑みで言われたら、心の底から熱いものがこみ上げてきますものね。あーあ、それに引き替え俺は何をしているんだろう。