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想像力が未来を切り拓く

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2006/01/24
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上げ相場だって悩ましい ~ リスクと期待感のコントロール


相場が低調で下落続きの時はとりわけ投資家は考え悩むものですが、逆に強いときもこのままで良いのか迷うことがあります。

資産運用などの相談に応じる投資アドバイザーの仕事は、最近は楽で良いのだろうと思いがちですが、相場が強ければ強いでまた考え悩むことがあるようです。
2000年のITバブルの崩壊途中から投資アドバイザーを始めた人の話を紹介しながら、過去との対比を行い、今後の投資スタンスを考えたいと思います。


    *********************

(因みにこの話はライブドア・ショックが起こる前のことです。)

年初に知り合いのファイナンシャル・アドバイザーから久しぶりに連絡がありました。昨年の好調な相場に評価益が大きく膨れた顧客が少し浮かれてきており、もっとリスクを取りたいと云って来ているのでどうしたものかという相談でした。
彼は短期売買を推奨するタイプではなく、顧客のライフ・プランをベースにしながら、投信ポートフォリオの提案を基本に長期分散投資を勧めているアドバイザーです。

彼が云うには、リスクの高い商品を売った方が販売員でもある自分にとり実入りが良いので経営上の算盤も考えると、正直な話、迷いが出たそうです。

今までの投資プロセスを変えるのは自分自身の哲学の問題として、そして投資を始めて間もない顧客のためにも良くないと彼は考えているのですが、リターンの勢いに眼がくらむ周囲の人々の雑音が増幅され、従来のやり方で良いのか頻繁に疑問を投げかけてくるようです。

彼とは6年来の付き合いとなります。全くの投資経験ゼロの顧客にイロハのイから教え、老後のために着実な資産形成方法として投信ポートフォリオを勧めてきましたが、今でこそ株式投資に理解が得られたものの、当初は相当毛嫌いされて困ったと云います。特に2002~03年頃は株投資に対し相当な抵抗があったらしく、今と全く逆にリスクは取りたくないの大合唱でした。

とりわけ日本株に関しては当時、「日が沈んでしまった日本はもうダメでしょう」とか「国家破綻するのではないでしょうか」とか悲観論で一杯でした。

彼は、自分が住み、自分の子供たちが生活する社会が健全であることを期待するように、それらを映す鏡である株式市場のメカニズムと活力を信じたいとあたかも伝道師のように顧客に訴えていました。

それがこの2年の間に正反対になった訳です。彼が戸惑うのもわかる気がします。

彼のコメントは以下のようなものです。

*********

市場が強気なると、どうしてもリターンの大小に目が向きリスクの話はお留守になりがちです。周囲が同じ論調だと余計安心してしまい、より高いリターンを追い求めることになります。振り返れば、よくご存知のように常にバブル相場はこの繰返しでした。

まだ慎重論を云う人がありますので完全にバブル的な領域ではないと考えますが、恐ろしいのは、こうした慎重論を唱える人が臆病者と云われ始めるときでしょうか。

例えば、仮に今年も去年に負けないくらい上昇したりすると一段と強気が増すでしょう。
今の時点なら今年4割上げたら絶対売却するという人も、いざ本当に上げた場合冷静に売却して相場から去ることができるかどうか、甚だ疑問です。何だかんだ理屈をつけて、逆にさらに上値を買ってしまうのが普通でしょう。

2002年~03年の下落局面のときもそうですが、相場は上げであろうが、下げであろうが、問われるのはその人の哲学という気がします。一貫したスタンスで相場に臨めば大儲けはないかもしれませんが大怪我をすることはないと思います。
それでいて、この6年間自分と顧客が実践してきたように相応のリターンは出るものです。相応どころか、預金よりはマシなリターンをと思って入った人にとり実際は目も眩むような高いものでした。

ですが、大きく下げる、大きく上げる、しかもそれが少し長い期間一方向で続くと一度決めた自分の哲学・投資スタンスがズレてしまうというのが往々にして陥る失敗の原因です。

今リスクを大きく取れば一時的には成功するかも知れません。今以上に顧客から信頼を集められるかもしれません。しかしその成功体験が次の下落局面のときに仇なすことになるかもしれないことを肝に銘ずるべきだと考えています。

30年近くなる自分の投資経験から云えば、それほど器用に波を乗り切れるタイプではないので、ある意味では「愚直に」基本を貫くことにしています。自分自身の投資も含め、アドバイザーとしての職業も長期分散と心中するつもりでいます。

今の環境下では、リスクを高め成功している隣の人のパフォーマンスを見てもぐらつかないくらいの信念がないと相場で長く生き続けることはできないと思います。


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この数年間であれば記憶も確かでしょう、相場の浮き沈みの過程で、自分がどうだったかを心静かにふり返ってみてはどうでしょうか。ひょっとしたら、損したこと、間違ったことなどは忘れ、儲かったこと、予想が当たったことなど自分に都合の良いことしか覚えていないかもしれません。

しかし、ゆっくり丹念に自分の心理を追いかければ盲点が見えてくると思います。自分の内なる「欲」と「恐怖」に気づき、真に自分に敵するものは市場変動ではなく自分自身であることを知るのではないでしょうか。

ダメな人? そうですね、リスクの把握と期待感のコントロールが苦手という方は賭け事はもちろん相場には向かないタイプです。そういう方は自分でやるのは諦めて、上記のような信頼できる投資アドバイザーに相談することが近道ですね。





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最終更新日  2006/01/25 01:06:01 AM
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