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伊東良徳のとき・どき★かるちゃ~

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2012年11月03日
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カテゴリ:絵画
 東京駅付近の三菱一号館美術館で開催中の「シャルダン展 静寂の巨匠」に行ってきました。
 シャルダンが無名と言ってよい存在であること、三菱一号館美術館もあまり著名でないこと(私は初めて行きました)、それにしては油彩38点の展示で1500円とお得感がないこと、そして私が平日に行ったことの条件が重なっているためでしょうけど、すいてました。平日に行っても人だかりの美術展ばかりで辟易していましたので、それだけでうれしくなりました。
 三菱一号館美術館は初めて行きましたが、小部屋に区切られ、全体の展示数が38点と少ないこともあってでしょう、一部屋に2点とか3点とかずつのゆったりした展示。それにもかかわらずというか、主催者側では絵を守るために当然ではありますが、一部屋に一人は監視員がいますが、観客が少ないので手持ちぶさたにしていました。絵の前には多くの場合柵かここから入るなというラインが引かれていますが、他の美術館のように1メートルも離されることはなく50センチくらいの感じで、脚は入らなくても上体を寄せるとかなり間近でまじまじと見ることができます。まぁそうすると監視員が観客が触らないか見えるような位置に移動するのがちょっとプレッシャーになりますが、注意されることは一度もありませんでした。立ち止まることさえ許されないマウリッツハイス美術館展とかとは大きな違いです。
 一部屋ごとに自動ドアで仕切られているのは、空調(湿度?)を維持して絵を保護する目的なんでしょうか。福島原発震災後の感覚としては、ちょっと電気の無駄遣い感がありますが。

 シャルダンの静物画は、かなり写実的ですが、しかし写真のような緻密さを売りにする静物画とはちょっと違う感じがします。私には、銅や銀、鉄などの金属系の食器(鍋やゴブレット)の描写や陶器の描写に味わいのある画家だなと思えました。
 静物画のモチーフが似たようなものが並べられ、ちょっと見飽きる感じもありましたが、今回の展覧会の目玉になっている「木イチゴの籠」と隣の部屋に展示された「水差しときゅうりとさくらんぼ」で、同じ人が同じ時期に描いたさくらんぼの透明感が全然違うのはなぜとか、桃の色やぼかしぶりの微妙な違いとか、同じ素材を描いた絵が並ぶ故の楽しみ方もありました。

 風俗画では、人気作品の「食前の祈り」のまなざしや肌の描写に魅せられます。事前には知らなかった作品ですが、「病後の食事」(別名「思いやりのある看護人」)のすっきりとしたたたずまいもちょっと拾いもの感がありました。

 絵の性質からも、画家の知名度からも、その結果としての空き具合からも、地味な展覧会ですが、絵自体の趣味のよさとゆったりじっくり見れる気持ちよさで割とよかったかなと思います。






最終更新日  2012年11月04日 01時46分00秒
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2012年08月21日
カテゴリ:絵画
 久しぶりに映画以外で書きたくなったので、こちらに書きます。

 東京都美術館リニューアルオープン記念のフェルメール「真珠の耳飾りの少女」が売りの「マウリッツハイス美術館展」に行ってきました。平日の夕方を狙って行きましたから、待ち時間はゼロでしたが、「真珠の耳飾りの少女」の前だけは行列と人だかりが絶えませんでした。

 公式サイトでの説明では、「マウリッツハイス美術館では、本展を開催する2012年から大規模な増改築工事がスタートします」とあり、「マウリッツハイス美術館から、名品約50点を選りすぐって紹介します」とされています。こう書かれると、改修工事中だからマウリッツハイスの代表作がそろって来るかのように読めます(公式サイトでは、そういう苦情に対応できるようにか、そう明言はしていませんけど)。例によって「主な作品」(12点)だけしか紹介してなくて、出品目録もネット上公開されていませんしね。
 実際の出品目録を見るときには既に入場してますが、マウリッツハイスのフェルメール作品で「真珠の耳飾りの少女」と並んで有名な「デルフト眺望」は来ていません。まぁ、これはもし来るなら思い切り宣伝するでしょうから、「真珠の耳飾りの少女」しか宣伝しない以上、来ないとわかりますが。レンブラントも6点も来ると誇らしげに書いていますが、マウリッツハイス所蔵で一番有名な「テュルプ博士の解剖学講義」は来ていません。アーフェルカンプの「氷上の遊び」も来ていませんし。
 マウリッツハイスからフェルメール2点借りてくるならどう考えたって「真珠の耳飾りの少女」と「デルフト眺望」でしょう。「ディアナとニンフたち」なんて真作か贋作かずっと議論されている代物ですし、2008年に東京都美術館が第一生命・朝日新聞社という今回と同じ組み合わせでやった「フェルメール展」でも展示されてたものじゃないですか。前回に味を占めてフェルメールと名のつく物さえ並べれば客が来ると踏んでのことでしょうか。実際、前回同様に自ら主催の朝日新聞が記事か広告か判別しがたい広告を大量に掲載して煽り倒して既に(2012年8月16日で)入場者40万人超えですからもくろみ通りになっていますが。

 展示は、全部で48点のうち美術館の紹介用の作品が6点、風景画が8点、物語画が6点、肖像画が13点、静物画が6点、風俗画が8点という17世紀オランダ絵画の盛り合わせ。いろんな分野をちょっとずつアリバイ的に並べた感じで、私には全部中途半端でポリシーが感じられませんでした。私の感覚では、17世紀オランダ絵画を紹介するということなら静物画と風俗画に集中した方が見応えがあると思いますし、どうしてもフェルメールとレンブラント(の今回出品作)で売りたいなら肖像画に特化した方がいいと思います。

 そして、「真珠の耳飾りの少女」。宣伝では、これが間近に見られるかのようにいわれていますが、全面ガラスの向こう、柵の1m以上先上方にある絵を、行列したあげくに「立ち止まらないでください」と係員に急かされながら通り過ぎるだけ。こういうパンダでも見せるような感覚(パンダはそれでも写真が撮れるけど、美術展では撮影厳禁でその場で目に焼き付けるしかないのに)で美術作品を見せる人々に美術展なんか主催して欲しくない。目があまりよくない私には、まじまじと見る余地なく歩きながら見るだけでは実物を見たという感覚は持てません。こういう見方なら、映像なり写真集で見る方がいい。実物を見て感じたのは、映像に比べて色があせている(17世紀の絵であることを考えると色あせしてない方と評価すべきでしょうけど)なというくらい。もっともそれも全面ガラスと照明の仕方の関係かもしれませんが。

 主催者の美術展ビジネスの道具のフェルメールはおいて、17世紀オランダ絵画の小規模作品展としてみると、いつもながらに17世紀オランダの画家たちの緻密な描写と繊細で柔らかいタッチ、草木や毛の筆遣いや布などの質感に心を奪われます。私が知らなかった画家ですがヴィレム・ヘーダの「ワイングラスと懐中時計のある静物」など、よくぞここまでという感じです。その前後の静物画も素晴らしいのですが、じっと見ていると壺・食器類の形が歪んでいるのは、当時の食器等の製作技術の問題でリアリティの追求なのか、それともデッサン力の限界なのか。風俗画ではピーテル・デ・ホーホの「デルフトの中庭」ですね。前回(2008年)の「フェルメール展」の中ではデ・ホーホは迫力不足に思えたのですが、今回の展示では光って見えました。
 ルーベンスの「聖母被昇天」の下絵(完成品はアントワープ大聖堂所蔵)が展示されていて、「フランダースの犬」でネロがどうしても見たかった絵がこれなのかとわかったのが一番の収穫だったかも。






最終更新日  2012年08月22日 00時49分39秒
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2011年11月26日
カテゴリ:つぶやき
2011年11月23日に嘆いたように、楽天ブログは不条理な制限が多いので、2011年11月26日にココログに引っ越しました。

伊東良徳の映画な週末
http://weekendmovies.cocolog-nifty.com/blog/

まぁ、こちらでも映画以外の記事を気が向いたら書くかもしれませんけど、映画の感想は今後ココログで書きます。

ココログに引っ越した後の記事は以下の通り。
レ・ミゼラブル(2013年1月5日)
大奥~永遠~(2012年12月30日)
ブレイキング・ドーン Part2(2012年12月29日)
恋のロンドン狂想曲(2012年12月24日)
鍵泥棒のメソッド(2012年12月22日)
ボス その男シヴァージ(2012年12月16日)
砂漠でサーモン・フィッシング(2012年12月15日)
007 スカイフォール(2012年12月9日)
ねらわれた学園(2012年12月8日)
HICK-ルリ13歳の旅(2012年12月2日)
のぼうの城(2012年12月1日)
ふがいない僕は空を見た(2012年11月25日)
人生の特等席(2012年11月24日)
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年11月23日)
ゲットバック(2012年11月18日)
リンカーン/秘密の書(2012年11月11日)
伏 鉄砲娘の捕物帖(2012年11月10日)
アルゴ(2012年11月4日)
声をかくす人(2012年11月1日)
終の信託(2012年10月27日)
あなたへ(2012年10月21日)
毎日がアルツハイマー(2012年10月20日)
天地明察(2012年10月14日)
エージェント・マロリー(2012年10月13日)
ボーン・レガシー(2012年10月8日)
よだかのほし(2012年9月30日)
ライク・サムワン・イン・ラブ(2012年9月29日)
最強のふたり(2012年9月23日)
白雪姫と鏡の女王(2012年9月22日)
夢売るふたり(2012年9月16日)
踊る大捜査線 THE FINAL(2012年9月15日)
アベンジャーズ(2012年9月2日)
プロメテウス(2012年9月1日)
トガニ 幼き瞳の告発(2012年8月26日)
セブン・デイズ・イン・ハバナ(2012年8月25日)
桐島、部活やめるってよ(2012年8月16日)
テイク・ディス・ワルツ(2012年8月14日)
トータル・リコール(2012年8月13日)
あの日あの時愛の記憶(2012年8月12日)
おおかみこどもの雨と雪(2012年8月11日)
The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛(2012年8月5日)
ダークナイト ライジング(2012年8月4日)
ル・アーブルの靴みがき(2012年7月22日)
リンカーン弁護士(2012年7月16日)
崖っぷちの男(2012年7月15日)
BRAVE HEARTS 海猿(2012年7月14日)
それでも、愛してる(2012年7月7日)
臨場(2012年7月1日)
ブラック・ブレッド(2012年6月30日)
ワン・デイ 23年のラブストーリー(2012年6月24日)
アメイジング・スパイダーマン(2012年6月23日)
ホタルノヒカリ(2012年6月16日)
ケイト・レディが完璧な理由(2012年6月10日)
ジェーン・エア(2012年6月9日)
君への誓い(2012年6月3日)
メン・イン・ブラック3(2012年6月2日)
ダーク・シャドウ(2012年5月27日)
ガール(2012年5月26日)
ビターコーヒーライフ(2012年5月20日)
レンタネコ(2012年5月19日)
幸せの教室(2012年5月13日)
孤島の王(2012年5月12日)
宇宙兄弟(2012年5月5日)
テルマエ・ロマエ(2012年5月4日)
裏切りのサーカス(2012年5月3日)
ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン(2012年4月30日)
篤姫ナンバー1(2012年4月29日)
ももへの手紙(2012年4月28日)
名探偵コナン 11人目のストライカー(2012年4月22日)
BLACK & WHITE(2012年4月21日)
ドライヴ(2012年4月15日)
ヘルプ 心がつなぐストーリー(2012年4月8日)
ルート・アイリッシュ(2012年4月7日)
スーパー・チューズデー 正義を売った日(2012年4月1日)
マリリン 7日間の恋(2012年3月31日)
マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(2012年3月20日)
ヤング≒アダルト(2012年3月18日)
シャーロック・ホームズ シャドウゲーム(2012年3月17日)
しあわせのパン(2012年3月11日)
トワイライトサーガ ブレイキング・ドーンPart1(2012年3月10日)
麒麟の翼(2012年3月4日)
51 世界で一番小さく生まれたパンダ(2012年2月25日)
人生はビギナーズ(2012年2月5日)
J・エドガー(2012年2月4日)
ALWAYS 三丁目の夕日’64(2012年1月29日)
ニューイヤーズ・イヴ(2012年1月15日)
ひまわり デジタルリマスター版(2012年1月9日)
サラの鍵(12月24日)
ミッション・インポッシブル ゴースト・プロトコル(12月23日)
クリスマスのその夜に(12月18日)
三銃士 王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船(12月11日)
源氏物語 千年の謎(12月11日)
50/50(12月4日)
モテキ(11月27日)
イチゴ白書 デジタルリマスター版(11月26日)






最終更新日  2013年01月05日 23時25分06秒
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2011年11月23日
カテゴリ:映画
 心を閉ざしてしまった青年が遺品整理業で働きながら再生して行く姿を描いた青春映画「アントキノイノチ」を見てきました。
 封切り5日目祝日、12月25日での閉館が決まりこれが最後の上映作品となる見込みの池袋東急、午前11時の上映は4割くらいの入り。予告編なし(この先上映作品もないし)に魅力を感じる客は少ないでしょうか。

 高校時代、生まれつき吃音がある永島杏平(岡田将生)は、級友の山木(染谷将太)が松井(松坂桃李)のいじめを受けて松井にナイフを向けたのを止めたところ、山木からおまえだけは味方だと思ってたのにと言われ、目の前で山木が飛び降り自殺、その後は松井から陰湿ないじめの標的とされ続け、登山部での登山中のできごとを契機に、学園祭のさなか松井のいじめを知りながら黙っている周囲に激高し、松井に刃を向け、心が壊れた。3年後、父親の紹介で遺品整理業で働き始めた杏平は、先輩の佐相(原田泰造)、久保田ゆき(榮倉奈々)に教えられながら、死者の生前の生活と思い、遺族の思いを感じつつ仕事を覚えていく。そんな中、ゆきから過去のことを打ち明けられ、ラブホの部屋で迫られた杏平は・・・というお話。

 吃音がありスムーズに話ができず、いじめや級友の自殺から心が壊れて立ち直り切れていない青年とレイプ・妊娠・流産の過去から立ち直り切れていないリスカ少女という、かなりヘビーな設定のもどかしくもすれ違う恋愛が1つの軸になっていますが、この不器用さぎこちなさが切ないというところ。
 思わせぶりに紹介したラブホのシーンも、リスカの跡のある人からレイプされてその後男の人から触られるのが怖くてと打ち明けられた直後のシチュエーションで、そりゃないだろうって思う。そういう状況が見えずに迫ってしまうゆきの不器用さがちょっと切ない。
 観覧車の中で、いきなり立ち上がって窓を開けて大声上げる(それもただウォーって)杏平も。そんなことされたら一緒にいる相手はかなりびびると思うんだけど。
 2人の恋の行方の方は、終盤はとにかくアントニオ猪木になってしまうので、私にはちょっと不完全燃焼の思いが残ります。そっちに行くなら「燃える闘魂」で迫れ・・・というわけにも行かないか。

 2人の心の傷が、どちらも高校生活、高校の級友から受けた傷というのも、学校の荒廃というか陰湿ないじめの蔓延を背後的なテーマとしているといえるでしょうか。
 もっとも、杏平は両親が離婚して父親と2人暮らし、「お父さんも浮気していたから、お母さんを責められない」「そんな話聞きたくない」なんてやりとりをしてますし、ゆきもレイプの後母親が理解してくれなかったことにも触れていますから、家庭環境の問題も気にしてるでしょうか。

 遺品整理業とその中で描かれる孤独死と死者の生活と思い、遺族の思いというあたりは、考えさせられますが、同時に映画としては、「送り人」の2番煎じ的な印象を持ってしまいます。
 杏平らが遺品を整理する孤独死した人の部屋の様子を見ていると、私の場合は、自宅はまだしも、事務所の散らかりようからして、私が死んだらこういう業者さんにお願いすることになるだろうなと、そちらに思いをはせてしまいました。






最終更新日  2011年11月23日 22時50分08秒
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カテゴリ:つぶやき
「90年代、日本で騒然となったエリート女性の昼と夜の二重生活。渋谷区円山町ラブホテル街で実際に起きた殺人事件から、インスパイアされた未知なる禁断の世界」(公式サイトのイントロダクション)だとかいう「恋の罪」を見てきました。
 封切り2週目日曜日、全国19館東京で4館の上映館の1つテアトル新宿の午前10時30分の上映は9割くらいの入り。18禁映画に日曜日朝から長蛇の列ができているのにはビックリ。観客層は中高年男性が多数派でしたが、若い女性客もわりといた感じ。

 本来、この後に作品紹介と論評を書いているのですが、文章が何度も書き直しても、楽天ブログから「 わいせつ、もしくは公序良俗に反すると判断された表現が含まれています」というクレームが付いて「入力エラー」とされて公開できません。楽天ブログはどの部分がそうなのかの表示もしてくれないので、書き直しているうちにばかばかしくなりました。文脈と関係なく言葉狩り的な制限をして、どこがそれに該当するかも教えてくれない不親切さにはあきれます。

 もう何度目かの思いですが、楽天ブログなんてやめて別のブログに移そうかなぁ。






最終更新日  2011年11月23日 22時30分31秒
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カテゴリ:映画
 野球界の常識を打ち破る理論でアスレチックスを常勝球団に変えたGMの物語「マネーボール」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、1064席の新宿ミラノ1、午前10時30分の上映は1割未満の入り。私がいつも人が少ない午前中を選んで見に行く(人が少ない方が見やすいし、午前に見るなら午後仕事できますし。土日が夜までずっと仕事だったから今ごろ書いてます。とほほ)ためか、このスクリーンが満席はもちろん、5割入ってるのも見た覚えがないんですが(同じ新宿でもピカデリーのNo.1スクリーン(580席)は土曜の午前中でもけっこう埋まってることが多いから、営業努力のせいかも)、それにしてもブラッド・ピット主演の娯楽映画でこれは悲惨。

 かつて高校生時代5拍子そろった才能とスカウトに評価され多額の契約金に目がくらんで大学進学を諦めてニューヨーク・メッツ入りしたが自信が持てずに芽が出ないまま引退した野球選手ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)は、引退後フロント入りし、現在はオークランド・アスレチックスのゼネラル・マネージャーとなっている。アスレチックスは貧乏球団で、ポストシーズンではヤンキースに勝てず、シーズン後には主力選手を次々と引き抜かれてしまう。翌年の補強計画もままならないビリーは、トレード交渉に行った相手方球団でイェール大学経済学部卒のピーター(ジョナ・ヒル)に目をつけて引き抜き、徹底的なデータ分析により、出塁率を重視してそのデータのわりに価格の安い選手をかき集めて新チームを編成する。野球の経験のないピーターの意見を重視し、キャッチャーの経験しかないハッテバーグ(ケリス・ブラッド)を1塁に転向させるなどして、周囲のスカウトらの猛反発を受けたビリーは、反対するスカウトを首にし、ビリーが入れた選手を起用しない監督(フィリップ・シーモア・ホフマン)に対しては監督が使っている選手を次々トレードで放出するという強硬策を用いて、突き進んでいくが・・・というお話。

 貧乏球団がそれなりの工夫で金持ち球団を打倒するというパターンは、日本の映画ならまず間違いなく猛練習とか精神論がメインに据えられると思いますが、この映画ではそういう描き方は一切していません。ビリーはGMで権限としてはチーム編成で、練習や試合での選手起用は権限外ということもありますが、ただひたすら少ない予算でいかにして選手を獲得するかの理論と交渉が描かれています。そういう意味では、スポーツものというよりはビジネスものという印象を持ちます。
 なんせビリーは試合は見ないという方針ですから、試合のシーンも多くはなく、見ていても、結局なぜビリーが編成したチームでアスレチックスが急に勝てるようになったのかは、わかりません。抽象的にデータ野球の勝利というだけで、具体的にそのデータがどう生きたのかもあまりわかりませんでした。まぁ、実話ベースで、現実にアスレチックスが勝ったから、因果関係が具体的に描かれなくても説得力はあるということなんでしょうけど。

 離婚して、母親の下にいる娘のケイシー(ケリス・ドーシー)との面会が数少ない楽しみというビリーの私生活と、過去の高額の契約金のために人生を誤ったという後悔を持つビリーの貧乏球団で働く意地というあたりが、中年男には、ノスタルジーというか共感を抱かせます。その娘が歌う「バカなパパ」の歌を聴きながらドライブするビリーの表情が、ちょっといいかも。






最終更新日  2011年11月23日 18時18分13秒
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2011年11月12日
カテゴリ:カテゴリ未分類
 穏やかで幸せな生活を送る初老の夫婦とその家庭を訪れる人々の明暗を描いた映画「家族の庭」を見てきました。
 封切り2週目土曜日、全国で唯一の上映館銀座テアトルシネマの午前10時10分の上映は5割くらいの入り。

 心理カウンセラーのジェリー(ルース・シーン)と、地質学者のトム(ジム・ブロードベント)は、ともに仕事をしながら、家庭では料理やワインを楽しみ、休日には家庭菜園で野菜作りにいそしむ、仲むつまじい初老の夫婦。ジェリーの20年来の同僚メアリー(レスリー・マンヴィル)は男性関係で失敗しては落ち込んでジェリーを訪ね、トムとジェリーは温かく迎えてきた。友人が集まったパーティーでは、トムの友人で肥満した独り者のケン(ピーター・ワイト)がメアリーにモーションをかけるが、メアリーは一回りは年下のジェリーの息子のジョー(オリヴァー・モルトマン)に猛アタックをかける。ジョーはメアリーを適当にあしらい、その後知り合った恋人ケイティ(カリーナ・フェルナンデス)を連れてトムとジェリーの家を訪れるが、その日にもメアリーはやってきた。トムの兄ロニーの妻リンダが亡くなり、2年も音沙汰がないまま突然やってきてロニーを罵る息子のカール(マーティン・サヴェッジ)の様子を見てトムはロニーをしばらく家に逗留させるが、トムとジェリーが家庭菜園に行き、ジョーがケイティを連れてくる日にまたメアリーがやってきて・・・というお話。

 トムとジェリーの夫婦は、打ち込める仕事を持ち、しかしワーカホリックではなく家庭生活も楽しみ、鷹揚でユーモアに富み、寄り添い慈しむ様子がほのぼのとして、こういうふうに老いていきたいなぁとしみじみ思わせるモデルになっています。
 他方において、メアリーは典型的な困ったちゃん。20代で結婚して失敗し、30代で幸せな結婚をしたもののやはり離婚にいたり(500ポンド払わせられたっていっていますが)、64歳の既婚者と不倫しては捨てられ、貯金をはたいて車を買って一時は満足していたけど盗難や事故で廃車、病院に20年も勤めているのに同僚の医師タニヤの赤ちゃんの前で煙草を吸い始めてみんなが避難してしまう(このあたりはケンと同じ)、一回りは年下の男それも同僚の息子に言い寄る(あぁここでもセカンド・ヴァージン症候群?)といった具合。
 エンディングは、ジェリーを完全なパーソナリティと描きたくなかったためでしょうけど、これだと幸せになりたければいつまでも友人の好意に甘えずに自分で努力しなさいといっているみたい。それはそれで私もよくわかりますけど、ただ同時にそれほど努力しなくてもうまくいく人も、努力してもうまくいかない人もいることも事実。メアリーにしても、本人が心機一転して努力すればうまく行くとは限らないし、本人がどんなに努力しても襲ってくる不幸もあります(まぁその不幸を弱めて乗り越えていく、その対応に人柄や努力がまた現れてくるわけですが)。このエンディングは、ちょっと救われない思いが残りました。
 原題は“Another Year”で、春、夏、秋、冬と、それらしい心象風景を伴う場面展開ですが、また来る春につなげずに冬で終わらせたところが特徴的でもありエンディングの寂しさにつながっている感じがします。
 ストーリー展開は地味目で、全体に静かに進んでいき、トムとジェリーの生き方に穏やかに共感するという映画ですから、素直に共感できる観客にはしみじみと広がる感動とかいえるでしょうけど、そう思えない観客には起伏に乏しい退屈な映画と感じられるでしょう。エンドロールに入った瞬間にバタバタと立ち上がって帰る客が目に付きました。

 冒頭、タニヤとジュリーの質問にろくに答えず、不眠だから睡眠薬をくれという患者がわりと長時間登場します。最初は、この患者が何か重要な役割を果たすのかと思いましたが、その後登場しませんでした。エンディングからすると、メアリーの末路を暗示しているのかもしれませんが。
 専門家側からするとこういう人は、困りもので、具体的な状況を話してくれないときちんと対応できないというか問題を解決できません。弁護士のところにも、さすがにお金を払って相談するのにこういう態度は稀ですが、こういう相談者がたまにやってきます。法律相談の場合は、メディアでやっている誌上法律相談とかの、実際には法律相談ではなくて法律の一般論のお勉強レベルのものが法律相談の名前でメディアに載っているために、抽象的に質問をすればいいと思っている人が出てくるためでしょうけど(そのレベルのものは、それこそメディアで、インターネットでいえばYahoo知恵袋とかでやってて欲しい)。専門家からの質問にきちんと答えないことで、問題を解決できないのは、自業自得でまぁしかたないとは思いますが、それでまた不愉快な思いをするのもばかばかしいと思います。

 「トムとジェリー」という主役の名前は、やっぱりそのアニメをリアルタイムで見た世代をターゲットにしているのでしょうか。イギリス映画だからそれは意識していないか・・・。息子のジョーは30歳だからトムとジェリーは50代半ばから後半といったところでしょうか。でも、ビートルズの話題も出てくるし・・・






最終更新日  2011年11月12日 22時19分39秒
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2011年11月03日
カテゴリ:映画
 サンダンス映画祭グランプリ・アカデミー賞作品賞ノミネートのインディペンデント映画「ウィンターズ・ボーン」を見てきました。
 封切り6日目祝日、全国9館、東京2館の上映館の1つ新宿武蔵野館の午前10時50分の上映は7割くらいの入り。観客層は中高年一人客が多数派でした。

 コカイン(字幕は「覚醒剤」ですが)密売で生きる一族の父親は製造役で長らく家に寄りつかず、母親は心を病んで引きこもり、17歳のリー(ジェニファー・ローレンス)は、弟のソニー、幼い妹のアシュリーを守りながら、一家の支えとなり、ミズーリ州の山の中で暮らしていた。ある日、保安官(ギャレット・ディラハント)が訪ねてきて、逮捕されて保釈中の父親が失踪している、この家と森が保釈保証金の担保になっていて、1週間後の裁判に父親が現れなければ家を出て行かなければならなくなると、伝えた。リーは父親を捜し出そうと、父の兄のティアドロップ(ジョン・ホークス)を訪ねるが、ティアドロップは、探すのはやめた方がいい、家に帰れと反対する。リーはさらに一族を訪ね歩くが、従兄は明白な嘘を言い、一族の長は会おうともせず追い返す。保釈保証業者から、父親が裁判に現れなかったことを伝えられ、1週間後に明け渡すことを求められたリーは、一族の長を追いかけるが、一族の者に囲まれて納屋に連れ込まれ・・・というお話。

 17歳にして一家を支えなければならないリーのりりしさというか、生きる意志の強さ、次々と訪れる試練にも折れない心のたくましさが、涙ぐましくも感動的な映画です。
 単純な正義ではなく、一族がコカイン密売で生きていることを受け止めつつ、自分も「ドリー家」の一員と認識し、保安官には協力せず、自らはコカインはやらず煙草も吸わず、母や弟、妹の世話をしながら、けなげに生きるというリーの生き様が、地に足が付いた感じです。
 ひもじさに隣の人にお裾分けをせがみたいという弟に、プライドを持てとたしなめたり、弟や妹にライフルの撃ち方を教えて自立の術を伝えていこうとする姿も(リスを撃って皮を剥ぎ内臓を取ってシチューにするあたり、ちょっとつらいかもしれませんが)、共感しました。
 スタートやラストで弟と幼い妹(アシュリー、かわいい!)が無邪気に遊ぶ姿が効果的に使われ、本当は自分もそういう側であってもいい17歳のリーが大人にならざるを得ない境遇にさらに涙してしまいます。

 ど派手なシーンはなく、見てすっきりするという映画でもないですが、こんな子ががんばってるんだから自分もしっかりしなきゃねと素直に思える映画です。
 いかにもお金がかかってないよねって映画でアカデミー賞作品賞・主演女優賞・助演男優賞ノミネートっていうのも快感だし。でも、そういうの日本では興行的には厳しいでしょうけどね。

 ラストで、リーがソニーから聞かれて、字幕で見る限りでは弟と妹を荷物と言って荷物がないと気が抜けちゃうという台詞がありますが、my bag は「荷物」なんでしょうか。文脈はいいんでしょうけどちょっとニュアンスが気になりました。

 保釈保証業者が、実質は高利貸しで担保の丸取りを図るというあたり、日本でも金貸しが不動産を仮登記担保と代物弁済予約で丸取りして暴利をむさぼり庶民をいじめていた時代を彷彿とさせます。
 コカインの製造で逮捕された父親が、「10年の懲役」が怖くて一族を裏切ったという設定。日本では覚醒剤はたいてい外国製で密輸ですから(本来の意味での)製造事犯はあまり聞きませんが、もし摘発されたら、どれだけの量を製造したということかにもよるでしょうけど、今どきの日本の刑事裁判の情勢では懲役10年では済まないでしょうね。アメリカは刑事裁判の量刑が厳しいという感覚でしたが、日本の方が厳しいかも。






最終更新日  2011年11月03日 17時10分07秒
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2011年10月29日
カテゴリ:映画
 失敗続きのダメダメ弁護士が落ち武者の幽霊をアリバイ証人に呼ぶ法廷コメディ「ステキな金縛り」を見てきました。
 封切り初日土曜日、キネカ大森の午前10時15分の上映は3~4割の入り。観客層は圧倒的に中高年でした。新宿や渋谷だとだいぶ違うかもしれませんが(新宿ピカデリーなんか、一番大きな1番スクリーンが予約でかなり埋まってますし)。

 失敗続きのダメダメ弁護士宝生エミ(深津絵理)は、ボス(阿部寛)から、「最後の事件」として妻殺しの容疑で逮捕された矢部五郎(KAN)の弁護を任される。面会に行ったエミに五郎は事件当日は奥多摩山中の旅館「しかばね荘」で落ち武者の幽霊に一晩中のしかかられて金縛りにあい動けなかったというアリバイを主張した。公判前整理手続で担当の小佐野検事(中井貴一)から、そのアリバイ主張を鼻で笑われ、その落ち武者の幽霊を証人として連れてきてもらうしかないですねといわれたエミはしかばね荘に行き、落ち武者更科六兵衛の幽霊(西田敏行)に出会った。自らが北条家の家臣として豊臣側への内通の濡れ衣を着せられて首をはねられた悔しさから成仏できずにいる六兵衛は、五郎の冤罪を知り、証言に同意したので、エミは六兵衛を連れ帰る。しかし、六兵衛は日没後しか姿を現せず、大半の人には姿も見えず声も聞こえない。エミは六兵衛の姿が見える人の共通点を探して誰に六兵衛が見えるかを探るとともに、姿の見えない六兵衛に法廷で証言させる手段を思案するが・・・というお話。

 38歳の深津絵理の、ドジだけど一生懸命やってる新人弁護士の初々しい演技と時折見せる会心の笑顔が染みる映画です。阿部寛のボスと中井貴一の検事もまじめそうに見えながらひょうきんなところもあり、外れた言動をまじめな顔で演技し続けてきちんと固めています。ハチャメチャな展開が続く法廷シーンでは、裁判長(小林隆)の腰の低い柔軟というか飄々とした演技が、締めているというかいい味を出していたと思います。
 法廷シーンは、日本の刑事裁判ドラマ・映画にありがちなように基本的にアメリカの法廷物を見て作っている感じで、私自身ここ数年刑事事件をやっていないので断言はしませんが、日本の裁判所等の実情とはかなり違う感じがします。今どきあれだけ法壇の高い法廷はないと思いますし、裁判員裁判なら裁判員は職業裁判官と並んで座るはずですし、拘置所の面会室で被疑者と弁護人が電話を使って話すというのも日本ではないと思います。
 裁判長の訴訟指揮は、もちろん、幽霊が証言するとかいうど外れた設定ですから考えられない展開とはいえますが、近年は民事部の裁判官には、率直に内心を示しつつ腰が低い裁判官も増えてきていて、予想外の展開になったときに裁判官がこういう選択をすることもありそうな気がして、私にはそういう点でもおもしろく見ることができました。たぶん、刑事事件では裁判官は威厳を示す必要が強いと考えられているのでそうはいかないのだろうとも思いますけど。

 主演の深津絵理に限らず、役者の表情がいい映画だなと思います。見得を切っているわけではないけれど、勘所で表情が決まっているという感じがします。「自然さ」はもともと要求されない映画ですから、いかにも演技してるぞって感じともいえますが。
 ちょい役(それも登場するのが1分たらずの)に主役クラスの名前が並んでいるのもゴージャスな気分になれます。深田恭子のファミレスウェイトレスとか(「恋愛戯曲」の公開前記者会見では「もう胸の谷間は見せません」と言っていたはずですが・・・)、篠原涼子の金髪のチャラいねぇちゃんとか(ストリッパーと言ってますが、もちろん、そういうシーンはありません)、佐藤浩市のチャンバラ切られ役とか。
 原作はないから、名前が呼ばれないちょい役は名前がなくてもいいんですが、公式サイトでは、深田恭子のウェイトレスは「前田くま」。篠原涼子の金髪ねぇちゃんは「悲鳴の女」。何だろう、この違いは。本人にはどっちがいいんだろう・・・






最終更新日  2011年10月29日 19時19分44秒
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2011年10月23日
カテゴリ:映画
 ニューヨークのライターが実践したゴミ排出ゼロの電気を使用しないエコライフのドキュメンタリー映画「地球にやさしい生活」を見てきました。
 封切り3週目日曜日、現時点でたぶん全国唯一の上映館の新宿武蔵野館の午前10時からの上映は、トークイベントとクッキーのお土産付きで5割くらいの入り。

 ニューヨークの五番街に住むライターのコリン・ビーヴァンが地球環境に負荷をかけない生活の計画( No impact project )を実践すると宣言し、ゴミ排出ゼロ(食物の包装は拒否、近隣の青空市場で購入し、残飯はミミズコンポストで堆肥化)、輸送による二酸化炭素の排出を減らすために自らは自動車はもちろん、航空機、地下鉄にも原則として乗らないのみならず、食べ物も原則として400km以内で生産された物のみにし(地産地消)、食品以外の新たな購入はせず、消耗品の使用も最小限にとどめトイレットペーパーも使用しない、6か月後からは電気も使用せずローソク暮らし(途中からソーラーパネルでパソコンは使えるようにする)といった徹底的なエコライフを、「ビジネス・ウィーク」記者の妻ミシェルと幼い娘を巻き込んで1年継続し、エコライフの伝道者、エコロジカルテロリストなどと言われながらテレビ出演や妻との駆け引き・摩擦・共感、友人たちとの交友を続けていくというお話。

 極端なエコライフの提唱と実践が、あそこまでやらなければならないと思うと普通人にはついて行けなくなりかえって環境保護派の主張に非現実性、嫌悪感を感じさせるというリスクを持ちつつ、ニューヨークの真ん中で全くの素人がやろうと思えばやれてしまうことを見せ、それぞれがやれる範囲でやればいいというメッセージが繰り返されることで、生活の見直しのきっかけにはなるかなという感じの作品になっています。
 必ずしも完全な実践ではなく、電気については途中でソーラーパネルを導入したり、冷蔵庫についてはポット・イン・ポットタイプの陶器(素焼きのワインクーラーのような原理)を試して失敗し、クーラーボックスに下の階の友人からもらった氷を入れてミシェルから他人に電気を使わせてそれに依存することを皮肉られ、ミミズコンポストは夏になるとハエの生産機と化し、といった失敗と試行錯誤が紹介されていることも、実践のリアリティを感じさせます。
 買い物中毒でテイクアウト中毒、カフェイン中毒の妻ミシェルが、当惑し、時に反発しながら、1年間の実験に協力を続け、青空市場を通じての生産者との交流や友人との交流が増えたことなどを評価し、実験が終わった後もテレビはもう見ないとか青空市場での買い物は続けたいなどと語っている姿は、全部は無理でも一部ならできそうという印象を与えます。
 コリンに意見している知人が、個人の努力よりも、現在の大量消費社会を維持しているのは会社資本主義でおまえさんの妻はビジネス誌で会社資本主義を広めてるんだろと言うシーンがあります。そんなことを言っても、とも思いますが、コリンがそれを軽く受け流すところも、コリンが原理主義者ではなく、やれることだけやればいいという立場であることを示しているように思えました。

 翻って自分の生活を考えると、いろいろ目に付くところはありますが・・・コメントは控えておきます。






最終更新日  2011年10月23日 16時53分28秒
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