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歴史上最初に登場する染谷氏は、奈良時代に鎌倉の街を創り、東国の総追捕使(征夷大将軍)に任ぜられた染谷時忠です。
今も鎌倉の街中に染谷時忠邸跡地の石碑があります。私も見に行きました。 石碑には、染谷時忠は、なんと中臣鎌足の曾孫と書いてあります。 ご存知、鎌足は大化改新で中臣姓を賜り、その子不比等が藤原姓を賜り繁栄しました。 藤原姓は不比等の子孫のみ認められました。 染谷時忠が鎌足の子孫なのであれば、鎌足は本当は染族(染谷氏)なのではないか? ということで鎌足と染谷を検証します。 鎌足はもともと単に鎌子で歴史に登場し中臣鎌足を賜ります。鎌の字が表すように製鉄に深く関わっていることが容易に想像できますが、さてどうなのでしょうか。 鹿島神宮の宮司は古代より中臣氏で、鎌足は鹿島中臣氏の出と言われています。 鎌足は鹿島に何度も訪れたと文献にも残っていますので、鎌足は鹿島に何かしらの縁があることは、間違いないと思います。 鹿島神宮は日本最古の由緒ある神宮で武器の神様、武御槌大神を祀っています。 そうです鹿島から香取内海沿岸は前述の通り古代製鉄一大産地でした。 利根川や鬼怒川の大河川の上流から運ばれる砂鉄や、鹿島灘の砂鉄から、武器や農具がたくさん作られました。 タタラ製鉄では大量の木材と自然風が必要なので、湖畔で森が広がり風が強い場所が一番適していますので、季節風が抜ける香取海西岸がとりわけ適しています。 染谷の分布も圧倒的にその地に固まっていますので、そうなのでしょう。 鹿島神宮は創建が神武天皇の神話時代とのことで、大和朝廷より遥か古代の建立です。 言い換えれば古代この地に、それを造り、治めた豪族がいて、大和とは別の、つまり古代の坂東国があったはずです。 大和政権の東征で取り込まれた後も豊富な武器供給地の坂東は重要で、鹿島神宮も大和政権の神話に組み込まれていきました。 鹿島から出て中大兄皇子に仕えた鎌足には、坂東の鉄と財力がバックにあったのでしょう。 さて、ある歴史家の研究で大化改新の恩賞で、葛城皇子は中大兄皇子、鎌子は中臣鎌足の姓を賜ったとあります。 中大兄(なかのおおえ)中臣(なかのおみ)は姓というよりは、第一皇太子と第一大臣というような通称らしいです。 鹿島宮司の中臣(なかとみ)氏と鎌足の中臣(なかのおみ)姓は別とのこと。 不比等は鎌足の次男で、じつは長男は仏教僧として中国に留学し早逝しています。神職の家系であれば長男を仏教界に出すことはないだろうから、鎌足は宮司の出ではないともあります。 中臣姓は鎌足のみで、不比等以降の直系子孫は藤原姓を賜りますが、鎌足の一族や傍系子孫は歴史に登場しませんので中臣氏であるのかどうかは謎のままです。 では鎌足の曾孫の染谷時忠は、本当は何者なのでしょうか。 まず石碑に鎌足の曾孫と書いてあるので、私的に皆様的にも、染谷時忠は鎌足の子孫で間違いないと信じましょう。 関八州の征夷大将軍に任ぜられ鎌倉に住まれた、とのことで、染谷では最古で最大の大出世であります。 日本書紀に登場する実在の漆部(ぬりべ)伊波と染谷時忠が同一人物と言われております。 通の歴史好きには有名な漆部伊波は古代の政商で、史上初、寄進で貴族にのし上がった人物で、相模の宿禰に任命されたと、書紀にあります。 書紀の漆部の在任期間と鎌倉の染谷時忠の史跡の記述が重なります。歴史書は漆部、実際には染谷で、広く認知されています。 推察ですが、正史において渡来人で東国出自の染谷族が政権中央で出世する記述を良しとしない事情と、鎌足と藤原氏を正当化するため、正史において染谷と鎌足の繋がりを推察されうる記述も良しとしなかったのではないでしょうか。 漆部は、一代限りで書紀から消えましたので、真実は闇の中です。 染谷時忠も、その後は歴史から消えて謎ですので、想像を膨らませて考察します。 古代で財力があるとすれば、染谷は鉄の民ですので、やはり鉄ではないでしょうか。 鎌倉も鎌の字が示す通り、製鉄が盛んな土地で時忠が住まうに適した地だったのでしょう。 鎌足も鹿島と大和を行き来したおりには、鎌倉に立ち寄ったと文献が残っていますように、早くから鎌倉の鉄に関与していたと考えます。 なのであれば鎌足は実は染谷(染族)出身で製鉄で財をなして葛城皇子に取り入り、大化改新を成し遂げた、歴史上出世第一号が染谷鎌子(鎌足) で、寄進で出世の第二号が子孫の染谷時忠だったりしたら、藤原氏よりも染谷氏が、なんとルーツなのかもしれませんね。 事実、初期藤原氏は自ら製鉄に精通しており、恩賞は鉱山を賜り、自ら鉄の製錬もし、天皇に刀剣を寄贈した、と文献にもあります。 鉄と染谷と藤原は、関係大有りですが謎です。 続く。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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