《 幸せのひろいかた 》  フェルトアート・カントリー木工 by WOODYPAPA

2007/01/02(火)08:44

第88回「フォレスト・ガンプ/一期一会」

青春時代「アメリカンシネマ」(102)

あけましておめでとうございます。 昨年はひどい年でした。 でも、そのひどさを演出していたのが、自分自身であったという真相にたどり着いた時、体中にピシピシとひびが入り、バリバリと殻が剥がれ落ちるのを体験しました。 今は、つるんとした気持ちで新年を迎えております。 現在抱えている問題は、いずれ解消するでしょう。 体に棲みついた悪魔が自分自身だとわかったからには、仲良くなって、天使に変ってもらいましょう。 さて、正月ですのでおめでたい作品を考えていましたら、たどりついたのが「フォレスト・ガンプ」’94年アカデミー作品賞(他主要5部門受賞)作品。 「一期一会」という邦題がついているのですが、つけた意図がわかりません。 たいがいの物語は一期一会にはなるでしょうが、それほどその意味と合致している内容ではないと思うのですが。 あまり軽々しく“茶道”用語を使って欲しくないと思います。 と言っても、作品は軽々しくはありません。 むしろ重くて、広くて、深い。 トム・ハンクス演じる知的障害者のフォレスト君が、それこそ“猪突猛進”的人生を送ります。 アメリカンフットボールの学生スターになり、ベトナム戦争の英雄になり、ビジネスで大成功し、マラソン教祖になり… あれよあれよと人生を好転させていきます。 『人生には困ったことは起こらない(斉藤一人)』を地で行くような人生。 “成功法則”にありがちなポジティブ・シンキングのなせる業、というわけではありません。 むしろ究極の受身人生、訪れる人生を100%“素直な心”で迎えます。 そんなわけないでしょ、の連続ですが、心に染みます。 心を病んだ経験を持つ人なら、純真無垢の心を持つフォレストの素晴らしさが煌煌と映ります。 僕の求めるものがここにありました。 監督は「バック・トゥー・ザ・フューチャー(第75回)」シリーズのロバート・ゼメキス。 ゼメキスは、他にも「ロジャーラビット」でCGを駆使した合成画面を作り出していますが、「フォレスト・ガンプ」でもそのワザを遺憾なく発揮します。 フォレストとジョンレノンやJ・Fケネディと会話させるのです。 古いフィルムに合成して。 ニクソンからも、ベトナム戦争の勲章をもらいます。 今はTVコマーシャルでも使われる見慣れたトリック撮影ですが、当時は驚きでした。 本物だと思っている人もいるのでは? ただ映画史的には、このCGによってどんな映像でも創れるようになったことが、逆に見るものをちょっと淋しくさせる時もあります。 様々な縛りの中で創意工夫するのが面白いってこともありますよね。 まあ、創意工夫の方向が時代と共に変わっていくだけで、創意工夫がなくなったわけではないのですが。 話が逸れましたが、「フォレスト・ガンプ」は恋愛ドラマでもあります。 フォレストには、ジェニーという“運命の人”がいます。 小学校のスクールバスで早々にめぐり合ってしまいますが、人生の節目節目で再会を果たします。 うらやましいです。 憧れます、“運命の人” でも、僕にもきっといたんですよね。 ただ気づかなかっただけで。 “DNAの指令”にしたがって、次々新しい恋人を求めていったために、薄っぺらな人生になってしまいました。 でも、考え方としては、すべての人が“運命の人”であるわけだから、すべての人を愛して、包み込んでいたいと思います。 新年の想い。 すべての人を愛で包み込もう! 追記 映画には出てきませんでしたが、小説ではサダム・フセインも友達ということになっています。 サダムは、去年の暮れ(12月30日)、何かを急ぐように死刑を執行されてしまいました。 独裁者の死刑は、ルーマニアのチャウシェスクのケースがありました。 この時は、国民の報復の色が濃く、そんなもんかなあとしか思いませんでしたが、今回はどうでしょう。 形は同じような物ですが、裏にひかえる糸が複雑にこんがらかっていて、誰が引っ張ったのかわかりづらくなっています。 少し時間を待たないと、どう評価すべきなのか判断がつきません。 結果が過去の行為の正邪を決めてくれるものなのでしょうか。

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