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カテゴリ:読書記録
今回の直木賞の有力候補にもなった西川さん。映画監督として有名です。これもオダギリジョー主演で映画化されたものをノベライズにしたそうです。 ちょっと嘗めてました。1974年生まれだっていうし、きれいな女性監督ってことでちやほやされてんじゃねえの?みたいなやっかみもあったのでしょう。 天は二物を与えずって言った人はよほど人間関係が狭かったのでしょうね。こんなに他分野で才能を発揮する人っているんですから。 山奥のつり橋から女性が転落します。すぐそばにいた男が自供しますが、裁判では事故ということになりそうです。現場近くにいた容疑者の男の弟が証言します。それぞれの人間の口から「藪の中」の手法で語られる「真実」。果たして真相は? と、あらすじはこうなります。あら、よくある話じゃないの、って思ってしまいます。こういうありきたりの設定を著者の筆力で凡庸にしないのが才能ある人なんでしょう。 貫いているのは兄弟の確執です。お互いのないものを持っている二人の内面が描かれているのです。疑い、嫉妬し、それでも信じあうのか。ラストは次回が楽しみってところでカットされてしまって、読者の判断に任されるんですね。ああ、そんな重いもの持たされるのはきついですよ。 唯一文句をつけたいのは表紙の写真。つり橋が新しすぎませんか?あら捜しはそんなところにしておきましょう。他の作品も、映画にも目を通したくなりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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