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そらまめじろう

そらまめじろう

まちぞぉを引き取った訳3

まちぞぉと一緒に暮らす事になって
一番困ったことがアパートは『犬,猫飼育禁止』だった事。
アパートの目の前は大家さん。
「鳴くな!!」って言うのは犬には酷な話。
あとは毎日散歩に行くタイミング。

ただ好都合だったのはアパートは
取り壊しが決まっていて 
8つの部屋のうち 人が住んでいたのは4軒だった事。
私の両隣の部屋は住人がいなかった♪

以前から彼がまちぞぉを連れて遊びに来ていた事もあって
鳴き声がしても黙認をしてくれていた。
ただ堂々との散歩は別になる。
仕方が無いので、早朝と夜中に散歩へ忍び足で出かけていた。

ある日、私が出勤の支度をしていると
横で寝ていたまちぞぉが私の手を思いっきり噛んだ。
それは私が髪の毛を整える為に 手を動かしたときだった…
急に手を上に上げたので「叩かれる」と思っての行動だったのだろう。
噛まれた瞬間にビックリして 手を引き抜いてしまったので
ひどい傷となってしまった…
「私はこんなにまちぞぉを大事に思っているのに…」と
哀しくなり涙が出てきたのを覚えている。

「堂々とまちぞぉと暮らせる暮らしがしたい」と思った私は
昼はOL、夜は水商売で働き始めた。
最初はキャバクラ、そしてスナック…

スナックで働き始めた後、ちゃめを拾ってしまった。
ちゃめが来てからのまちぞぉは精神的に少し落ち着いていた。
そして半年後にはそらがウチのコになった。

何年か経ってアパートは取り壊しの時期になった。
大家さんから支度金が出た。
調度、妹も引っ越す事になっていたので 一緒に暮らす事に決め
『ペット可』のマンションを探し出した。

引っ越してから少し経って まちぞぉは手が皮膚病になった。
薬を塗っても舐めてしまう為に エリザベスカラーを着けた。
これをまちぞぉはすごく嫌がった。
おまけに『カラーを着ける=痛い(薬がしみる)』から尚更だ。
まだ皮膚病が完治をしていない時に雪が降った。
散歩へ連れて行くと ニオイを確認しようとすると
カラーが邪魔で上手く歩けていない
かわいそうなのでカラーを外した。
家に帰ってからカラーを装着しようとした瞬間に
まちぞぉは私の手を噛んだ。
まちぞぉの足を洗う為に 洗面所に居たので
急いで水で傷口を洗った。
妹が大慌てで飛んできた。
まちぞぉはシッポを丸めてシュンとしていた…
この日以来、妹はまちぞぉが苦手になってしまった。

私は何度もまちぞぉを躾教室に入れようと思ったが
返ってくる言葉は「もう少し早い時期だったらね~」だった。
本気で噛まれたのはこの2回だけだが
噛もうとしたり 本気で威嚇をしてくることは度々あった。
その度に憎らしく思ったり 哀しくなったりの繰り返しだった…

最近のまちぞぉは私が専業主婦になって
家にずっと居るのが嬉しいのか とっても良いコになった。
でもこれは私にだけ…
最初の頃はのびえもんにもとっても良いコで
私が嫉妬を感じるくらいの関係だった。
のびえもんが仕事が忙しくなり あまり構ってあげられなくなった頃から
のびえもんに対して威嚇をするようになってしまった…

誰からも愛されるコになって欲しかった。
誰からも愛されるコにしてあげたかった…
虐待は犬の性格を本当に捻じ曲げてしまう。

まちぞぉの残りの命を 出切るだけ彼女が満足が出来るように
過ごさせてあげたいと思う。
もう老犬になってしまった彼女は少しだけ軽くなってしまった…




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