怪人二十面相・伝・皆伝
しばらくぼーっとしてました。ご来場いただいた皆様、ほんとうにありがとうございました。いままでのどの舞台より、お客様の息吹を感じられる空間でした。ふだんの公演では私は、緊張するから、お客様の顔などほとんど見ない(見られない)状態なんですが、今回は、誰がどこに座っているかまでちゃんと見てました。北島マヤが紅天女を演じるとき、池の水面に、声で、もとい「音の響き」で、波紋をたてるという演技をしていたのですが、ちょうどそんな感じでした。今回の舞台のカタチが、まさにお誂えむきでございました。客席にむかって弧をえがき、さながら水たまりのようでした。そこに、冒頭、「影」がゆっくりとあるき、ちいさな炎がゆらっとこっちを向く。その瞬間、私はいつも「波紋」をかんじていました。その波紋に促されるように、第一声を発し、その水たまりのなかにゆっくりと忍び込み、次に客席をふりかえったときには、私が波紋をたてるのです。いやー楽しかった!!不思議と、いつもの発狂寸前の緊張はなかったですね。出番を待つあいだも穏やかでした。支えてくださったすべての人に感謝します。本当にありがとうございました。(izumi)