先日、いつもお世話になっているお客様からカリウムとリンの少ないパンは出来ないものか?と相談を受け、いろいろ調べていました。
病気等で、ある種の栄養素を制限しなくてはならない…というのは本当に大変なことなんだ…と改めて実感させられました。
もともとベーグルはプレーンでは卵もバターも使っていないので、他のパンに比べればカリウムやリンは少ないものだと言えます。
でもやっぱり、ベーグルだけに通常の食パンのような柔らかさや食べやすさは半減すると言っていい。
だったら、食パン類で卵もバターも使わずに、なおかつ食べて美味しい口当たりの柔らかなパンは出来ないものかな?と考えてみました。
まず食パン、レシピ検索していろいろ調べた結果、湯だね食パンが味と食感的にもいいかな?と思い、さらに米粉を使った湯だね生地のレシピを見つけたので、それで試してみることに。
前日に米粉を使った湯だね生地を作って一晩冷蔵。通常の湯だねと違ってかなり柔らかい生地になり、ちょっと不安を抱えながらも本捏ねに。
バターは使わないのですが、やはり油脂が入ると入らないでは生地の滑らかさや柔らかさ、しっとり感が全然違う。
なので、カリウムやリンの入っていない米油を入れてみました。
これが生地を成型して型に入れたところ。
そして発酵後はこんな感じに。↓
気温が高くてちょっと発酵させすぎたかな?と思いつつも焼成。
焼成後↓
うちのオーブンはコンベクションオーブンなので、焼き色はこんな感じが精いっぱい。
デッキオーブンだと窯伸びもするんですが…何せ業務用オーブン…熱風のすさまじさは家庭用の比ではありません(^_^;)
中に空洞が空いてたらどうしよう…と思ったんですが、どうやら大丈夫だった模様。
子供も美味しいよ~!とお墨付きをもらえてホッとしました(笑)
続いて、ポーリッシュ(水種)法を使ったカンパーニュ。
カンパーニュは天然酵母なんかでどっしりした酸味のあるものも好きなんですが、コンベクションの性能ではそういうどっしりとしたパンを焼くことが出来ません。
なので、軽い食感でありつつもしっとり感があるポーリッシュで作ってみました。
カンパーニュは粉と水と塩のみのシンプルなパンだし、使う粉も準強力粉でタンパク質量も少なめになります。
成型して型に入れたところです↑
いつもは丸い型なのですが、今回はこの型で。
焼き上がりはこんな感じに。
こちらは中に何も入っていないプレーンタイプ。
コンベクションの熱風をさえぎるため、ボールをかぶせて焼くのですが、細長かったためボールでギリギリ覆い隠せるかどうか!?になってしまい、端っこがボールにあたってちょっと変形してしまいました…。
やっぱ丸い型でないと厳しかったですね(^_^;)
こちらは中にクルミ入り。
クルミなどのナッツ類はカリウムやリンの値が高いので本来は入れられないのですが、ご家族の方向けに焼いてみました。
半分はクルミ好きなうちの子供に試食させるため…でもありましたが。
シンプルな味なのでもう少し塩分抑えてもいいかな?という塩加減でした。
こちらは断面図。
軽くてしっとりした食感に仕上がっていたので、良かったです。
焼き色とクラムの厚さはコンベクションではこれが限界かなぁ…。
バゲットも焼いてみたいのですが、それを焼くには手作りでバゲットを覆い被して熱風を防げる何かを作らないと!
細長くてオーブンに入れても大丈夫な素材で蓋みたいに生地を覆えるもの…。
何かで作れないかなぁ…?
そんなことを考えていると、デッキオーブンが欲しくなります。
いつか買えるといいなぁ。
久しぶりにベーグル以外のパンが作れて楽しかったです!
差し上げた方のお口に合うことを願いつつ…。