見てしまったら、見過ごすわけには行かない。
暮れからもいろいろあって、年始にもいろいろな生活問題を抱えている人が多い。 85歳のあるご婦人は、怪我のせいでご自分で靴下の脱ぎ履き、ズボンなどの下衣の上げ下ろしが一人では非常に時間がかかる(下着を履き替えるだけで30分)。 一人暮らし。玄関が北向きのために冬は結構室温が下がる。灯油の入れ物を一人で手に抱えて居間まで持っていけないので、玄関から居間まで新聞紙に灯油の入れ物をおいて足でけりながら移動させるそう。両手で杖をつかないと室内の移動ができないので、そりゃあ一人で灯油の入れ替えをするのは無理。 生活保護費はひと月9万円。季節の変わり目には衣服を新しく購入したくても、この保護費だけではとても無理。北向きの玄関なので、台所の室温が5度以下になることも。腰痛も膝痛もあるので気温が下がるとトイレに行くのもやっと。そのために一日中灯油のストーブをつけっぱなし。大体一日2回灯油を入れるのだこれがとても大変なのだという。ガスストーブにしたいのだが、購入から10年以上たち最近は点火しにくくなってきたが、ガス屋さんに点検を依頼するにもお金がかかるのでやっていない。そもそもガスストーブを一日使ったら、一か月のガス代は一万円以上かかってしまい支払えな。そんなことだから、いくら火が付きにくい10年前のガスストーブでも買い替えるなんてとんでもない。 ちょっとトイレの入り口で転んだというので、トイレを見せてもらったら汚した後にすぐ片づけられるように新聞を敷き詰めている。滑って転ぶ危険がありそうで、もしやと思って用意してきた100均の敷物をカットして敷き詰めてみた。台所のフローリングにも床が冷たいので滑り止めがついていないいろいろな大きさの敷物が敷いてある。 これじゃあ転んでしまう、とこちらももしやと思って持ってきた床に貼れば滑り止めにもなって貼ってはがせる正方形のカーペットを敷いてみた。 これが暮れのこと。 今日行ったら、電気ストーブの温かさがだんだん弱くなってきたという。ケアをしながらちらちら電気ストーブを見るとパネルに埃がたまりにたまって、しかもパネルが汚れている。ほこりを取り除いてパネルを磨いてから、ストーブをつけてみたら結構な温かさ。 台所の敷物交換や電気ストーブのパネル掃除は看護ケアではないという人もいるが、その方の生活環境と整えて体調を安定させるためと考えれば看護ケアとして位置づけられる。 生活保護の方に対していじめとも思われる批判的言動を耳にすることが多くなった。暖房とか冷え予防の衣服を買うことさえままならない人たち。保護費から、数万円する新しい灯油ストーブを購入したり、ましてや5,6万はするエアコンを購入なんてとんでもない。でもその方々は、お上に迷惑をかけているから保護費の増額要求をする権利があるなんて全く考えていないのです。 こういったことが起こるのも、高齢者加算が削られた事によるのではないかと考えています。 何とかしなくっては、年末年始にはこんなことばかり考えていました。 制度改正の働き掛けも大事だが、今困難に直面している人の暮らしを少しでも良くする方法を考えなければならないのです。とりあえず貰い物とかを備蓄しておいて、必要になっている人にお分けするという方法をとっていますが、組織的にするために何かいいアイディアはないものでしょうか。