キモノ道に足を突っ込む

これまで、着物にたいして興味を持っていなかった。着たのといえば、月並みに七五三とお正月と成人式くらいのもの。

母が着付け教室に通いだして、色々着物を集めたり、帯結びの練習台になったりと身近に接する機会があったのにも関わらず、私には縁遠い世界という感じだった。

一体なにが私の興味を引かなかったのか、偉そうではあるが考えてみると、

「着物の柄にステキなのがない~」
呉服屋に並んでいるものしか目に触れる機会がなく、色が地味だったりこまごまとした模様とか(存在感の薄い花)、質感もてらてらした感じで好きじゃない。

「少しの乱れも許さない、息苦しい感じ」
着物雑誌に載っている着物姿は、当たり前だけど少しの乱れもない完璧な着付け。
そしてだいたい「若い純和風美人」と「気品あふれるオールドミス」が交互に、不自然なポーズ・バッチリメイクで笑顔を作っている。なんか息苦しいな~、という印象。
あと、町中でも着物を着ている人に対してのチェックは厳しい気がするから怖くて着れない。

「着付けるのがめんどくさい」
上に書いたことにも通じるけど、乱れないようにキチッと着ないといけないし、なにより手順がややこしそう。着るだけで疲れちゃう。

「汚したら駄目」


という理由からだった。



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