お葬式の表舞台&裏事情

2005/09/17(土)03:02

お通夜式までの流れ~その2~

メールマガジン(33)

 先週は「お通夜式までの流れ~その1~」をご紹介しました。  詳しくはバックナンバーをご覧くださいね。        先週より、自宅へ戻ってからお通夜式が始まる迄の流れについて  ご紹介しており、今週で2回目となります。  さあ、後悔しないための第4歩・・・の続きです! ■ お通夜式までの流れ~その2~ ■  大まかに分けると以下のようになります。(一般的な場合)   1)ご遺体の安置とドライアイス等での防腐処置     ⇒ 9月10日第5話でご紹介済み  ★2)枕飾の設置   3)お寺様によるお枕経の読経   4)ご遺族、お寺様、葬祭スタッフで打ち合わせ   5)各方面への連絡(親戚・地域自治会・会社関係など)   6)納棺の儀   7)自宅出棺   8)式場到着・祭壇前にお棺ご安置   9)お手伝いの方々へのご挨拶  10)開式前のお寺様へのご挨拶       ※        ※         ※  続きを詳しくご説明していきます。   2)枕飾(まくらかざり)の設置  処置が終わったご遺体の枕元に、白木の枕机を置きます。  枕机には、香炉・ローソク立て・お花立て(これらを合わせて  三具足と呼ぶ)・お鈴など、必要な具足を並べます。  ここまでは、葬儀社が準備してくれます。  そして、お供え物はご遺族側で準備します。  まず、香炉には線香を立てるのを皆様ご存知ですよね。  立てる線香の本数は各宗派によって違いますが、ここで大切なのは  線香の本数ではなく、線香を絶やさないということです。  線香と共にローソクも絶やさないように、ご遺族やご親族が交代で  お通夜式が始まるまで見守るのが一般的です。  お花立てには、樒(しきみ・しきび)や白菊を1本飾ります。  これは俗に「1本花」と呼ばれています。  最後に、ご遺族が準備した枕飯(まくらめし)と枕団子(まくらだんご)  をお供えします。       ※        ※         ※  それでは、これらのいわれをご紹介していきます。  ⇒ローソクの光は、仏様の光明(こうみょう)を意味すると同時に   死者が迷わないように道を照らすという意味があります。  ⇒線香は、仏様の食物を意味します。   と同時に、ドライアイスが無かったその昔。   ご遺体からの死臭を取り除くため(紛らわすため?)に   線香を絶えず炊き続けたと言われています。  ⇒1本花に用いられる樒は果実の毒性が強いため「実に毒ありて   悪しき実」と言われたところから、現在は「樒(しきみ)」と   呼ばれるようになったそうです。   また、樒の葉や樹木を燃やすと死臭も消すほど強い臭いを放つ為   線香と同じく、昔からお墓や仏様に供える植物とされてきました。   その名残りからか、関西では今でも葬儀に樒をお供えますし、   墓地などでは樒の束が年中販売されていますよね。  ⇒枕飯は、故人様の最後のご飯としてお供えします。   生前使用されていたお茶碗に、新しく炊いた白米を盛り、   お箸を一膳さしてお供えします。   このご飯は、ご納棺の際一緒に棺に納めます。   お茶碗は自宅出棺の際、玄関先で「もう二度と戻って来れませんよ。」   「戻ってきてはダメですよ。」という意味を込めて割ります。  ⇒枕団子のいわれと数は、様々です。   お釈迦様がご入滅の際に、無辺菩薩様が香飯を捧げたがお釈迦様は   辞退して食べなかったため、死後にお団子を供えたという故事に基   づいているとか、死出の旅の途中でお腹をすかせた人に分け与え、   功徳を積みながら最後まで辿り着けるようにとか、旅の途中のおや   つであるとか、死んでから善光寺に行くための弁当であるとか様々   です。   お団子の数も六個だとか十三個だとか色々です。       ※        ※         ※  ≪やまさんのツブやき≫  お線香やローソクを絶やしてしまったからといって故人様をないが  しろにしているとか、不吉なことが起こるって事はありません!  亡くなられた方が「コラーッ!ローソクの火が消えてるぞ~。」  「枕団子が供えられてないぞ~。」と怒って出てくるなんて事もない  ですから・・・。(@_@;)  お寺様もおっしゃっていました。  尋ねられたら「そうしてあげて下さい。」と言いますが、  要は、ご遺族、ご親族の気持ちの問題が一番なのです、と。  私もそう思います。  だって、老夫婦でお住まいで子供もいない、近くに身寄りもいない。  一人残された高齢者に「線香とローソクは絶やさないように!」  「枕飯と枕団子はしきたりですから必ずお供えしてあげてください。」  なんて強制できますか???  その上、お通夜式とご葬儀の打ち合わが待っているんですよ。  枕飯や枕団子、線香・ローソクの火の番は、ご親族の方々にお願い  したいものです。数人集まれば、交代で火の番ができます。  私の田舎では、お葬式が出ると素晴らしいほどに連携プレーが取られて  います。男性陣は交代で火の番。  (と言っても、朝までお酒を飲んで語り明かしてる状況。  そして必ず口論になる・・・・・)  女性陣は台所当番。  お供え物の支度と、そして男性陣の飲み食いの接待。  お通夜式、お葬式に備えて少しでも睡眠を取ろうよ!  何も全員で起きてなくってもいいのに・・・って思ってしまうのは、  私だけじゃないハズです!  ま、こうして寝ずに久しぶりに集まった親族がワイワイ&ガヤガヤと  過ごすのも故人様に寂しい思いをさせない為という見方もできますが。  仏事に関するしきたりは、知識として知っておく必要はあります。  しかし、しきたり通りに全てをやらなければならないという事はない  と思います。  状況により、やむを得ない場合もあるのですから。  浄土真宗の方々へ・・・・・   線香は立てずに寝かせます。   枕団子は必要ありません。ご存知でしたか?       ※        ※         ※  この続き「お通夜式までの流れ~その3~」は、  次回第7号でご紹介します。 お楽しみに・・・。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る