★陰陽の足・武蔵の足づかい
宮本武蔵,「五輪書 水の巻」に足づかいのこととして武蔵の足運びのしかたが、説明されています。 陰陽の足とは片足ばかり動かさぬもの也。きる時、引く時、うくる時迄も、陰陽とて、右ひだり、右ひだりと踏む足也。返々、片足踏むこと有るべからず。 宮本武蔵,「五輪書」角川文庫 渡辺一郎・校注 より引用これが、合気道の稽古の時の足はこびは、同じです。片足ばかり広くひろげては、自分で崩れてしまいます。後ろ足を、置いてけぼりにする人をよく見かけます。両足を動かしてこそ、体(たい)が運べるものだと思います。片足ばかり動かすのは、体が居着くことです。両足を生かしてこそ、軸の切替え動作による技のこなしが出来ます。 武蔵は、こうも言っています。 常の足、普段歩くように戦いの場でも歩けと。武蔵は身体感覚を磨き、普段の歩くことさえ ”武芸”として昇華していたのです。私も ”歩く、座る、立つ”ところから合気道の技が始まっていることを心がけたいです。